6月期決算のGenky DrugStoresの開示を受け、上場ドラッグストア12社の決算が出揃った。燃料価格高騰に伴う水道光熱費の大幅増加などマイナス要因はあったが、食品や調剤の好調やインバウンドの復調に加え、昨年から続く値上げによる客単価の上昇により増収増益の企業が目立った。
売上高は12社全てが前期を上回った。ウエルシアHDは取得したコクミン162店を含め300店近い店舗の純増を背景に2ケタ増収となり、売上高は1兆1,000億円を突破した。マツキヨココカラ&カンパニーはココカラファインとの統合効果で3割増収となり、売上高を9,500億円に伸ばした。
営業利益・経常利益は、期中に収益認識に関する会計基準を適用した3社を除く9社中8社が増益だった。うち2ケタ増益はツルハHD、マツキヨココカラ、サンドラッグ、Genky DrugStoresの4社。Genky DrugStoresは前期に計上した過年度消費税過払い還付を当上期に計上している。
日本チェーンドラッグストア協会が3月に公表した2022年度のDgS市場規模(8兆7,134億円)に占める上場12社(6兆6,784億円)の割合は76.7%。次期も大手を中心に旺盛な出店が続くことから、上位企業の寡占化はさらに進むと予想される。
なお次期の業績予想は12社全てが増収、11社が営業増益、10社が経常増益を予想している。ツルハHDは売上高が初の1兆円超え、マツキヨココカラも9,800億円超えで大台に近づく。高速出店を継続するクスリのアオキの売上高予想は4,100億円に達しクリエイトSDHD(4,041億円)を抜く模様。