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オムロンHC、難病の子ども支援団体
そらぷちキッズキャンプに寄付

JACDSの長年のサポートに賛同、電子体温計発売50年の記念事業で

そらぷちキッズキャンプ・細谷代表理事(左)からの感謝状を手にするオムロンHCの岡田執行役員

小児がんや心臓病など、難病とたたかう子どもの数は全国に約20万人と言われる。医療の進歩で貴重な命が救われる事例は増えたが、闘病中あるいは治療後でも外で遊ぶ機会はほとんどないという。そうした子どもたちに外で遊ぶ場を提供する公益財団法人そらぷちキッズキャンプ(細谷亮太代表理事)に対し、このほどオムロンヘルスケア(荻野勲社長)が電子体温計の売上の一部を寄付した。さる2月24日、活動を長年サポートしている一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(池野隆光会長)が会見場に両者代表を招き、寄付目録と感謝状の贈呈式を開いている。

早くから支援に名乗り上げたJACDS

そらぷちキッズキャンプは2004年にボランティア団体として発足し、2008年に一般財団法人、2010年に公益財団法人に認定された。活動に賛同する個人や企業らの浄財を原資に2007年より北海道滝川市でキャンプ場の整備を始め、2012年に主要施設が完成した。医療棟はもちろん食堂・浴室および宿泊棟も完備した通年利用可能な施設で、これまで難病を抱える子どもとその家族1,000人以上を無料で招待している。

そらぷちキッズキャンプの歩み https://www.solaputi.jp/what/pdf/ayumi2020.pdf

日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)はそらぷちキッズキャンプの支援に早くから名乗りをあげ、協会理事で社会貢献委員会委員長の富山睦浩氏(現サツドラホールディングス顧問)が活動を牽引して現在に至る。組織的には昨年に同委員会はSDGs推進委員会(德廣英之委員長)に継承されている。

オムロンヘルスケアによる今回の寄付は、1972年に発売した同社第1号機の電子体温計から50年を迎えた記念としておこなわれ、2022年11月1日〜12月28日に販売した体温計の売上の一部、約644万円を贈呈している。同企画がJACDSの提案によって実現したことから、協会主催の会見場で目録と感謝状の相互贈呈式を催すことになった。

民間の力を難病の子ども達に届ける

そらぷちキッズキャンプ
細谷代表理事

会見の中で、そらぷちキッズキャンプの細谷代表理事(聖路加国際病院顧問・小児科医)は、「(オムロンの電子体温計が発売された)50年前は、子どもにがん治療や心臓病の手術ができず亡くなることが多い時代でした。医学が進歩した今では救われる命も増えましたが、闘病中または術後の心身の障害によって、ほとんどの子どもが外で遊ぶことができないという現実があります。

この問題を解決するため医療棟を備えたキャンプ場の建設に着手し、様々な方の支援のもとに難病を抱える子どもとその家族が利用できる施設を作りました。その運営にはより多くの協力者が必要で、JACDSそして富山理事には大変なお力添えをいただきました。今回のオムロンHC様から申し出にも、心より感謝申し上げます。

国の手が届かない部分でも、民間の力で何とかしようという使命感を持つことが、難病の子ども達を幸せにする第一歩と考えます。今後も皆様の支援を切にお願いします」と挨拶している。

子ども達が楽しむ姿を見て欲しい

そらぷちキッズキャンプのロゴを入れたオムロンの体温計を手にする佐々木事務局長

現在JACDSは そらぷちキッズキャンプの評議員・理事に名を連ねるほか、JACDSの正会員・賛助会員らが多くの浄財を提供している。その一方で同活動を知る生活者や企業はまだまだ少なく、一層の認知度向上が継続的な課題となっている。

そらぷちキッズキャンプ事務局長で執行理事の佐々木健一郎氏は、「知らない方に知っていただく難しさを日々痛感しています。今回オムロンHCさんが私たちのロゴを商品パッケージに記してくださったことは大変ありがたいことでした。商品を手に取った一般のお客様には『そらぷちって何だろう』と考えるきっかけとなり、難病とたたかう子ども達やその家族はそのロゴを見て『私たちには仲間がいる』と勇気づけられたと考えます。こうした活動がもっと広がっていくよう願っております」という。

オムロンHC・岡田執行役員

オムロンHCの岡田歩執行役員経営統括部統括部長は、「弊社の電子体温計の長年のご愛顧に対し、どのように感謝を伝えて良いかをJACDSさんと話あう中で、そらぷちキッズの素晴らしい活動をご紹介いただきました」と述べた。

なお岡田氏は今年3月21日に同社社長に就任する予定。「今回を良い事例にして、引き続き社会貢献に資する活動を幅広く実行していきます」としている。

JACDS・富山理事

他方、JACDSの富山理事は今後の支援のあり方について、「私自身がそうだったように、この活動を知って頂くには、実際のキャンプ場に足を運んでいただき、難病を抱える子ども達が元気遊ぶ姿を見ていただくことが一番だと考えます。JACDSの若手メンバーの協力を得ながら、メーカー・卸など多くの方を施設にお招きし、協力の輪を広げていきたいです」と答えてくれた。

これに対し池野会長も、「できることを1つ1つ積み上げながら、次のステップを考えていくことが重要となります。募金活動ほか様々な企画を1つでも2つでも増やしていくように努力して参ります」と締め括った。(八島)

(左から)佐々木事務局長、富山理事、細谷代表理事、岡田執行役員、大川本部長(オムロンHC国内営業本部)、池野会長、德廣委員長

そらぷちキッズキャンプ公式HPはこちら https://www.solaputi.jp/index.html