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京都府立医科大学、摂南大学、株式会社プリメディカ、
内閣府「第5回日本オープンイノベーション大賞」選考委員会特別賞を受賞

京都府立医科大学、学校法人常翔学園摂南大学、株式会社プリメディカによる腸内細菌叢研究の一連の取り組みが、オープンイノベーションのロールモデルとなる先導的・独創的な取り組みとして、内閣府主催の「第5回 日本オープンイノベーション大賞」選考委員会特別賞を受賞した。


(写真左から)株式会社プリメディカ 小川 健太氏、京都府立医科大学 内藤 裕二先生、髙木 智久先生、摂南大学 井上 亮先生


受賞のポイント】
産学それぞれの強みを最大限に活かすことで、研究成果の早期社会実装を実現
研究成果の知財化(特許第7193810号「疾患リスク評価のための腸内細菌叢のタイプ分類方法」)
自治体やプロスポーツチームなど、社会認知度向上のための新たなプレイヤーとの連携強化


■取り組み内容

従来、日本人の腸内環境は、食生活が異なる海外の研究や、測定手技が異なるそれぞれの国内研究に基づき評価されており、解釈が分かれることが課題となっておりました。そのため、三者共同研究として、日本人の腸内細菌叢を正しく評価するための腸内環境評価システムの開発に着手いたしました。

質の高い診療情報データを保有する「京都府立医科大学」、腸内細菌叢の測定・解析ノウハウを有する「摂南大学」、検査サービスの事業化ノウハウを有する「プリメディカ」がそれぞれの強みを最大限に活かすことで、研究成果の早期社会実装を実現いたしました。


三者共同研究体制の全体図


■受賞者コメント

・京都府立医科大学 医療フロンティア展開学 准教授 髙木 智久 氏

「腸内細菌叢のパターン分類は欧米で先行して行われてきましたが、日本人の腸内細菌叢は独自性が高く、このパターン分類ではうまく分類できないことが課題でした。今回の我々の取り組みで日本人独自の腸内細菌叢をパターン分類(エンテロタイプ分類)することが出来ました。しかも、このエンテロタイプ分類は疾病や食習慣との関連も明らかにされつつあり、腸内細菌が彩る腸内環境を科学するツールとして、そして、健康長寿を実践するツールとして活用できることが期待されます」

・摂南大学 農学部 応用生物科学科 教授 井上 亮 氏

「腸内細菌叢を型(タイプ)に分けて健康や病気との関連を調べることで、腸内細菌叢の状態を判別しやすくなったと思います。経験上、責任世代くらいの年齢になると生活習慣などに起因する腸内細菌叢の乱れが目立ち始める印象があります。責任世代以降の年代の方は是非ご自身の腸内細菌叢を確認し、健康管理に役立てて頂ければと思います」

・京都府立医科大学 生体免疫栄養学講座 教授 内藤 裕二 氏

「腸内細菌叢に関する研究は画期的成果を生み出してきていますが、その細菌叢のタイプには食を含む環境因子の影響が大きいことが明らかにされてきています。日本人のデータベースをもとに提案されたエンテロタイプ分類を多くのみなさんに利用していただいて、健康長寿戦略を考える上での一つのツールとしていただければ大変うれしいです。また、個人の腸活、健康管理への応用にも有効と考えます」


■今後の展望

今後も強固な三者共同研究体制を維持することで、引き続き研究を行いながら更にデータを収集する。三者共同研究によって開発された腸内環境評価システムを活用することで、日本独自の食文化に最適化した機能性食品の開発など、国民の健康寿命延伸に資する研究における標準的な評価指標として、幅広く⽤いられることを目指す。


■腸内フローラ検査サービス「Flora Scan®」について

Flora Scan®

Flora Scan®(フローラスキャン)は京都府立医科大学、摂南大学、株式会社プリメディカの三者共同研究による研究成果を社会実装した腸内フローラ検査サービス。

三者共同研究によって得られた腸内環境評価システム※1を実装しており、日本人特有の腸内フローラタイプを5つに分類し、疾患との関連性や菌の多様性などを評価している。

腸内フローラ検査サービスとしては全国初のふるさと納税返礼品として、大阪府枚方市に採用されている。(https://www.satofull.jp/products/detail.php?product_id=1302436

※1特許第7193810号「疾患リスク評価のための腸内細菌叢のタイプ分類方法」