翠光トップラインが開口部のガラス面に貼る窓用フィルム「SEAG」で、施工実績を伸ばしている。
2010年代に入り、もはや「異常気象」という言葉は特別な気象現象を指すものではなく、毎年常態化された極端な気象現象を表す時候の挨拶になってしまった。
加えて、昨今の中東情勢によるエネルギー価格の先行きは不透明さを増しており、市民生活だけでなく、企業経営にも深刻な課題となっている。特に、通年稼働し続ける空調負荷の高まりは、電力使用量に増加に繋がり、ひいてはCO2排出抑制にも影響を与えている。
企業としては、事業の継続と同時に、行政が進める脱炭素に対しても、細かい対策を積み重ねていく必要がでてきた。
翠光トップラインは、夏冬ともに熱負荷増大の最たる原因である開口部の窓ガラスに注目することで、省エネだけでなく、ここに関わる「困りごと」への対策で実績を上げている。ユニークなのは同社が提案する窓用フィルムの「SEAG」の能力にある。
通常、夏場に開口部から入る太陽光や熱が、空調の熱負荷増大の原因であるとされているが、一般的には遮熱・遮光フィルムにより対策がなされる。では、室内の暖房を効率よく維持したい冬場はどうか?
夏場だけでなく、冬場にも力を発揮するのが「SEAG」である。この窓用フィルムの特徴はガラス面に貼ることで、断熱効果を実現することにある。遮熱・遮光フィルムのイメージが太陽光を遮る日傘であるのに対し、断熱フィルムの「SEAG」は魔法瓶をイメージしてもらうとわかり易い。
下の画像はそのイメージをわかり易くしたものだ。

つまり、開口部のガラス面に貼ることで太陽光の熱吸収と室内への移動を抑え、同時に室内からの熱の放出も減らせるため、冷暖房共に少ないエネルギー消費量で室温の維持が可能となる。
一般的な遮熱・遮光フィルムとは異なり、太陽光の当たらない方位、悪天候、夜間を問わず有効であるため、通年で省エネ効果が得られることになる。
開口部の課題に対して、視覚的にわかり易いのは「結露」の抑制効果である。
下の写真はSEAGフィルムの貼付の有無によるガラス窓の結露の状態を示したものである。

A)の「貼付なし」は結露の落水が見られるが、B)の「貼付あり」は、明らかに結露が落水せず留まっていることがわかる。
フィルムの効果により、結露の発生及び落水量を大幅に抑制するため、床のシミやカビの発生リスクが軽減されることになる。
他にも夏場、ガラス面への熱の吸収により起こる「熱割れ」に対し、SEAGフィルムの有効性が確認できている。貼付による熱吸収が極めて少ないため、「熱割れ」リスクが抑えられるのだ。そのためホテルなどでは景観を損なうことなく、またガラス交換による経費負担が抑えられている。
ここまでは翠光トップライン社内で実証してきたことであるが、2002年にソニーファシリティマネジメント(現NSFエンゲージメント)が御殿山(品川区)にあるソニー施設全館で、熱負荷に関する実証試験を1年間かけて行っており、削減率30.4%の結果は社外で得られたものになる。
これは、財団法人省エネルギーセンターが発行する月刊「省エネルギー」にも試験内容が掲載されており、第三者が実施した客観的な実証データといえる。
SEAGフィルムを施設全体のガラスに貼ることで、通年で冷暖房効率を改善できることから、ホテルや病院、介護施設、研究所など365日24時間、空調を稼働させる施設で、省エネ効果を発揮することができる。
2025年5月には、リース業界大手であるオリックスと組んで「譲渡条件付きリース契約」というサービスをスタートさせた。
通常、複合機などと違い、窓用フィルムは「資材」の扱いとなるため、オリックスがSEAGフィルムに譲渡条件を付けてリース契約の対象としたことは画期的なことと言える。
第三者で取得した客観的なデータを基に、SEAGフィルムの施工で、空調効率が向上し、消費電力の削減が十分に予測できることからこのビジネスモデルは成立している。
更に、保証会社のThere Win Three Serviceが3年間の「省エネ効果保証」を付加できるサービスを提供している。SEAGフィルム貼付後3年間で「空調の電気使用量が20%削減に満たなかった場合、未達分に対する電気料金相当額を保証対象として返金する」というもので、やはり客観的なデータを基にしなければ、出来ないサ-ビスといえる。
翠光トップラインは、現在も省エネの根拠となるデータの蓄積を続けている。それらを基に新しい企業課題であるGX(グリーントランスフォーメーション)などにも貢献できる提案を強化させている。
販売開始から今年(2026年)で28年、開口部である窓ガラスへの施工延べ面積は120万㎡を超えた。
今後も、企業の経営課題として、地球環境の変化やエネルギー供給への取り組みが重要度を増す中で、同社の提供するビジネスモデルが一つの解決策となりうるのか、引き続き注目していきたい。