
NTT西日本が(本社・大阪府大阪市)、睡眠時無呼吸症候群(SAS)領域におけるオンライン診療・治療支援の高度化に向け、フィリップス・ジャパン(本社・東京都港区)と業務提携し、新たなサービスモデルの構築に取り組む。
両社は、NTT西日本が展開する「SASオンラインクリニック」を軸に、医療機関、企業、データを横断的に連携。運輸・交通企業のドライバーを中心に、SASの検査から治療、治療継続までを支援する。
具体的には、フィリップスのCPAP(持続陽圧呼吸療法)機器から得られる使用状況や治療データをオンラインで連携し、医療機関や企業が治療状況を把握できる仕組みを構築する。オンライン診療やサポートとデータを組み合わせ、患者ごとのフォローアップを行うことで、治療継続の支援につなげる。
また、企業の健康管理・安全管理との連動も進める。SASは日中の眠気などを通じて交通事故や労働災害との関連が指摘されており、適切な検査・治療につなげることで、運輸・交通事業者などの安全管理を支援する。
今回の提携では、NTT西日本が持つデジタル基盤や法人顧客基盤、サービス運用力と、フィリップスが持つCPAP機器や治療データ活用の技術を組み合わせる。
両社は今後、取り組みを通じて蓄積するデータや医療サービスの運用ノウハウ、市場ニーズなどを活用し、SASにとどまらない医療・ヘルスケア領域での新たなサービスモデルや事業展開も検討する。
今回の取り組みで注目されるのは、SAS対策そのものに加え、NTT西日本が通信インフラや法人顧客基盤を生かして、企業の健康管理・安全管理という領域にサービス接点を広げている点だ。企業が抱える健康課題を起点に、検査、オンライン診療、治療データの活用、継続支援までをつなぐことで、通信・ITを基盤としたヘルスケアサービスの新たな形が見えてくる。特に運輸・交通業界では、従業員の健康管理が事故防止などの安全管理にも直結する。今後はSASに限らず、睡眠、メンタルヘルス、生活習慣病対策など、企業が抱える健康課題と業務上のリスクをデータで結び付けるサービスが広がる可能性がある。
ドラッグストアや薬局、メーカー、卸にとっても、こうした「異業種の顧客基盤×ヘルスケア」の動きは自社が持つ商品や店舗、健康相談などだけでなく、異業種が持つデータや顧客接点と組み合わせることで、新たなヘルスケアサービスを生み出せる可能性がある。今後、ヘルスケア市場では「何を売るか」だけでなく、「誰の顧客接点を活用し、どの健康課題を解決するか」という視点が、事業開発の重要なテーマになりそうだ。