2026年5月8日
セブン‐イレブン・ジャパンが7月2日、九州産業大学と食品の安全性確保と食品ロス削減に関する包括的な連携協定を締結した。研究の発信、研究協力、学生の教育、社会連携の4つを柱に、作りたてのおいしさと食品ロス削減の両立を進める。
協定の核となるのは、九州産業大学生命科学部の中山素一教授が取り組む微生物同定技術の社会実装である。同大学が所有する質量分析計「MALDI-TOF MS」を用い、食品に影響を及ぼす菌の種類を特定する。従来は1回1検体の特定に数週間を要していたが、同技術では数時間に短縮できる。検査費用も1検体当たり5万〜8万円から2千〜3千円程度に抑えられるという。
セブン‐イレブンはこの技術を食品製造工場の衛生課題解決に活用し、商品の鮮度を保つ「長鮮度化」を推進する。研究協力では、菌の同定精度の向上、微生物汚染源の迅速な特定、衛生管理レベルの向上、安定性を担保した鮮度延長などに取り組む。
同社は包括連携に先立ち、2025年に中山教授とともに「チルド弁当 味しみロースかつ丼」の消費期限を1日延長することに成功している。製造を担うわらべや日洋食品の協力のもと、工場内で約5000件のふき取り調査を実施し、食品に影響を及ぼす菌の場所を特定した。その結果を基に管理強化と環境整備を行い、鮮度延長につなげた。
食品ロス削減は、小売各社にとって収益性と社会課題対応の両面で重要性を増している。消費期限の延長は、販売機会の拡大や廃棄削減につながる一方、安全性の担保が前提となる。今回の協定は、食品小売における鮮度管理を経験や現場対応だけでなく、分析技術で高度化する取り組みといえる。