味の素株式会社(中村 茂雄社長)が、OECD(経済協力開発機構)のWell-being専門組織・Sustainability and Equal Opportunity(以下WISE)センターと共同で、Well-being向上に向けたプロジェクトを発足した。調理や共食による心の豊かさを追求し、社会課題解決に貢献する新たな取り組みを開始する。
味の素グループの重要な事項(マテリアリティ)の一つとして“食を通じたWell-being実現”がある。主要な取り組みの一つとして、「調理の楽しさ・共食による人のつながり」の提供を通じ、「こころの豊かさ」(主観的Well-being)に貢献する活動を推進している。
これまでに米国の調査会社Gallup, Inc.(以下、ギャラップ社)と連携してグローバルな調査を実施し、「調理の楽しさ」「共食」と主観的Well-beingとの関係を示すレポート「Wellbeing Through Cooking」を2023年12月に発表した※。この調査データを用いた追加解析の結果は「World Happiness Report(世界幸福度報告書)」2025年度版に掲載されており、食が主観的Well-beingのみならず、人と人との繋がりなど社会的なWell-beingにも貢献しうることが確認された。
※Wellbeing Through Cooking:https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/sustainability/wtc/
OECDは「社会的な繋がりの欠如、孤立」を世界的な課題として掲げ、その解決策として食や調理の可能性に着目している。2024年11月の第7回OECD World Forum on Well-beingでは、同社が主催するワークショップが開催され、共食が孤独や孤食の解決に繋がり、個人だけでなく社会的なWell-beingに貢献することが議論された。
このような活動の流れもあり、この度当社は2020年に発足したOECDのWISEセンターと新たな取り組みを開始する。OECDのWISEセンターはWell-beingに関する指標の策定・公表に加え、各国におけるWell-beingの計測と政策活用について情報共有を行っている。
共同プロジェクトは2025年4月~2026年8月を予定し、目的は以下の3つとなる。
1.Well-being向上における食の意義を確立していきます
2.政策立案者、ビジネス関係者等が政策戦略に活用できる実践的なガイダンスを策定します
3.味の素グループはこのプロジェクトの成果を活かし、「アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献する」という志(パーパス)の実現を目指します。
World Happiness Report(世界幸福度報告書)について
英国Oxford大学Well-being Research Centre、ギャラップ社、国連の持続可能開発ソリューションネットワークにより共同発行された報告書。2025年に初めて食に関する内容が独立したチャプターとして掲載され、食が個々人の主観的ウェルビーイングのみならず、人と人との繋がりや社会的なウェルビーイングにも貢献しうることを示す知見が公表されている。
https://worldhappiness.report/