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家の片付けに過半数が “苦手意識”…Fromプラネット第228号より

片付かない理由トップは「○○だから」、片付けが難しいものは?

いまいる部屋を見回して、または自分の家を思い浮かべて、「きれいに片付いている」「散らかっている」、どちらの感想を持つだろう。「年末に大掃除をしたのに、すでに物が散らかりはじめている…」という人も中にはいるだろう。消費財や暮らしにまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』(提供:プラネット)の今回(第228号)は、家の片付けについて、いろいろとたずねている。(※今回の調査では「片付け」は「家庭内にある物を整理・整頓、収納し、不要な物は捨てること」を指し、汚れを落とす「掃除」は含まない。)。

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まずは基本的なこととして、片付けが得意かをたずねた結果が図表1。「得意」8.5%、「やや得意」28.8%の一方で、最多となったのは「あまり得意でない」43.0%、「苦手」も19.7%と、約3分の2の人が片付けに苦手意識を持っていることがわかった。

また、家が片付いているかについては(図表2)、「片付いている」は7.7%にとどまり、「大体片付いている」「あまり片付いていない」がともに37%台、「片付いていない」は17.3%となった。「あまり片付いていない」を含む “片付いていない” は55.1%で、過半数の人が片付けが苦手、家が片付いていない、あるいはその両方、ということのようだ。



両結果を属性別にまとめたのが「詳細データ」の表。性年代別では、男性30代、女性20代で “片付けが得意(①+②)” が全体よりも高率だが、男性は年代が上がるほどに低下傾向にある一方、女性は年代差が比較的少ない印象。これを反映してか、“家が片付いている(③+④)” は、女性では60代以上が50%台にのぼり、男性の同年代より10ポイント以上上回る。

家にある物の量別では、「多い」とした人のうち “片付けが得意” と “片付いている” ともに2割程度だが、「少ない」人は前者が5割超、後者は約7割と大差が。物が増える一因でもある衝動買い度別も同様の傾向がみられた。物が多いから片付かないのか、片付けが不得意だから物が増えてしまうのか、興味があるところ。



図表2で家が「片付いている」「大体片付いている」と回答した1,799人に、片付けを行う理由について聞いてみた(図表3)。57.3%と最も多くの人が挙げたのが「気持ちいいから」で、「見た目がよいから」が5.2ポイント差でこれに続いた。また「片付いていたほうが衛生的だから」という人も46.3%いました。

男女および性年代別にみると、「来客が多いから」で男性が若干上回るほかは女性のほうが高率を示し、特に「気持ちいいから」と「片付いていたほうが衛生的だから」は女性が10ポイント以上上回った。男女とも20・30代では「見た目がよいから」が「気持ちいいから」を上回ってトップとなり、若年層は “見た目のよさ” が片付けのモチベーションになるのかも知れない。「気持ちいいから」は女性の50代以上では6割を超え、特に70代以上では74.3%と4分の3にのぼった。生活スペースが狭くなるから」は男女とも40・50代がピークになっているのは、家族構成の変化や子どもの成長も背景にありそうだ。



逆に、家が片付いていない理由は何なのか、図表2で「あまり片付いていない」「片付いていない」と回答した2,201人にたずねてみた(図表4)。44.8%と最多だったのが「面倒だから」で、これに「物を捨てられないから」40.7%、「片付けが苦手だから」35.5%が続いた。男女別にみると、男性は「面倒だから」が「物を捨てられないから」を8ポイント上回る一方、女性は0.5ポイントの僅差ながら「物を捨てられないから」が上回っている。また「家族が散らかしたままにするから」は男性12.7%に対し女性26.2%と、13.5ポイントもの大差が。こうした男女の意識差が、片付けをめぐっての行き違いの種になっていそうだ。

性年代別では、「物を捨てられないから」は男女とも若年層で低率にとどまるが、年代が上がるにつれて値が上昇する傾向にあり、男性70代以上と女性60代では半数超にのぼる「物を処分すべきかの判断が難しいから」も同様の傾向であることから、年齢を重ねるにつれて物が増え、取捨選択の判断も含めて片付けが難しくなるということなのだろうか。「収納スペースが少ないから」や「優先順位が低いから」「家族が散らかしたままにするから」は女性の30~50代で高い傾向にあり、図表3の「生活スペースが狭くなるから」片付けるのと同様の要因が影響していそうだ。また、「疲れているから」が男性20代で2位、同30代と女性20代で3位というのも少し意外な気がする。

物の量別では、“多い” 人の52.9%が「物を捨てられないから」としたのは納得。ほかに4項目が3割超に。片や、“少ない” 人の首位は「面倒」と「片付けが苦手」が19.2%で並び、全体6位の「優先順位が低いから」が3位となったのは、興味深いところだ。



苦手意識や物が捨てられないなどはあっても、片付けを行っている人は少なくないはず。そこで、片付けで意識していることをたずねてみた(図表5)。最多は「物を使ったら元の位置に戻す」が46.5%で、これは“基本中の基本”ともいえる。2位は「物の定位置を決める」39.6%。この2つを実行すれば、「あれ?○○はどこにあったっけ?」と探し物をすることも減りそうだ。

「使わない物や不用品を定期的に処分する」と「こまめに整理する」もおよそ3分の1の人が挙げていた。“物の住所を決めて、使ったら元の位置に戻し、不用品はこまめに整理・処分する” というのが、うまく片付けるためのポイントなのかも知れない。

約2割の人が「収納グッズを増やさない」を挙げたのも興味深いところ。「手始めに、収納グッズを揃えなければ」と考えがちだが、収納グッズも “物” であることから、「結局は物が増えてしまった…」と本末転倒なことになりかねないと考えてのことだろうか。また、「リサイクルショップやフリーマーケットで不用品を処分する」も15.3%にのぼっている。近年はフリマアプリで手軽に不用品の売買ができるようになり、“お小遣いかせぎ” を兼ねて活用している人も少なくないと思われる。



整理整頓や物の処分を意識しなければ、片付いた状態を維持するのは難しいもの。そこで、片付けが難しい物をたずねたところ(図表6)、「洋服」37.1%、「日用品、生活雑貨」29.1%、「手紙、思い出の物」28.1%がベスト3となった。「洋服」は女性が男性を11ポイント上回り、性年代別では女性30代以下が全体値を下回る一方で同50代以上が40~50%台と高値を示している。「手紙、思い出の物」も同様に女性50代以上が全体に比べ高率となった。

シニア層では、女性では「食器」「家電、布団」「スーパーなどのビニール袋、紙袋」といった生活品が高値ですが、男性では「趣味の物」「書籍」「本、雑誌、新聞」が高い傾向にあり、明確な男女差もみられた。若年層では物を持たない生活を意識してか、全体値に比べて各項目で低率にとどまるが、女性の20~40代では「化粧品、ファッション雑貨」が高値を示しているのは納得である。物の量別では、“少ない” ほど各項目で低率となっており、特に「洋服」「趣味の物」「日用品、生活雑貨」「本、雑誌、新聞」で “多い” との差が20ポイント超に及んでいる。



以下は、自宅の片付けで心がけていることやこだわりなどについての自由回答。「一定期間使わなかったら処分」「1つ買ったら1つ処分」などのルールを決めていたり、「断捨離」に積極的に取り組むなどは参考になる。一方で、片付けに関するさまざまな悩みや、家族間の片付けに対する感覚の差を嘆く声もあった。

【私の片付け方法】
● 1年使わなかったら処分すると決めており、洋服、革靴、バッグ、本をゴミ袋2つ分リサイクルショップに売りに行きました。お金になるしお店のポイントをもらえるし、処分代がかからないからお得です。(女性・30代)
● 「部屋の乱れは心の乱れ」を教訓にしている。(女性・40代)
● 体が動く今のうちにと断捨離を始めている。古い服や食器を思い切って捨て、ストックしていたものを使い始めた。もったいないから壊れるまで使うという考えは、片付かない原因だと気づいた。(女性・50代)
● 効果が自分に跳ね返ってくることを何度も経験しているので(臨時収入が入る、楽しい情報が手に入るなど)、「金運が上がる、気持ちがスッキリするからガンバレ、自分!」と自分を鼓舞して行動を起こす。(女性・50代)
● 思い出はデジタル化する。(女性・50代)
● 物が散らかり過ぎると片付ける気力が低下して酷くなるので、都度片付けるようにしている。特に子供のおもちゃは収拾がつかなくなる。少しの散らかりなら苦にならなくて済む。(男性・40代)
● 片付けるのが嫌にならないように完璧にするのはやめた。(男性・40代)
● 親の遺品整理をしてから断捨離するようになった。物を買ったら必ず捨てる習慣をつけている。(男性・50代)

【片付けたいとは思っていても…】
● 物がなかなか捨てられなくて、収納ケースに入ったまま何年も使わずに置いてしまう。(女性・40代)
● 自分の物は捨てられるが、家族のものが捨てられず片付かない。家族に言っても捨てられない性分で、壊れた物でも捨ててくれない。仕方がないので、ゴミと思えるものでも整理整頓して収納している。(女性・60代)
● 長年生きていると(88歳)断捨離しなければならないものが沢山あります。1番困るのが思い出の写真。かたづけようと見始めると、片づけどころか時間ばかり経ってしまいます。(女性・70代以上)
● 捨てた後に後悔した物も結構あるため、断捨離の選択はいつも悩む。(男性・60代)

【埋めがたい⁉ 家族間の「片付けの感覚」差】
● とにかく旦那さんがモノを買うのが好き。安いと大してデザインがよくなくても買う、持っていても買う、そして古いものを使い物にならないようになるまで捨てない。だからどんどんものが増えて、旦那さんの部屋はどんどん狭くなっていく。早く気づいて片付けてほしい。(女性・40代)
● 家族(配偶者)が片付けが嫌いで、勝手に片付けると怒ってしまう。せめて自分だけでも不用品を減らし、将来引っ越しするようになった時に物が多過ぎて困ることがないようにしたいと日々考えている。(女性・40代)
● 自分1人ではないためどうしても相手と片づけの感覚が合わないところがあるので、以前は全部やってあげていたが今は割り切って相手のテリトリーは見なかったことにして自分の周囲だけきれいにしている。(女性・40代)
● 何回か片付けたけれど、妻と子供がすぐに散らかしてくれるので、もうあきらめました。(男性・50代)

【片付けで “理想の家” を】
● ショールームのような家に住みたいと思い、戸建てからマンションに引っ越したのを機にほとんど物を捨てた。収納ボックスなどは全て白に統一した。モノトーンの部屋を目指し、クローゼットの中も手抜きをしたくない。(女性・60代)
● シンプルな生活に憧れているので、ものがほとんど無いような空間が理想だが、不便なのもストレスなので、少し生活感あるくらいの方が人間らしいかなと、無理はしないのが唯一のこだわりかもしれない。(女性・60代)



調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「家の片付け」に関する意識調査を実施。
期間:2024年12月5日~6日、インターネットで4,000人から回答を得ています。


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