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ライオンら11社、R6年グリーン物流優良事業者として最高位の国土交通大臣表彰

異業種連携で持続可能な物流構築とCO2排出量削減

ライオン(竹森征之社長)は、アース製薬(川端克宜社長)、大塚倉庫(濵長一彦社長)、加藤産業(加藤和弥社長)、岐阜プラスチック工業(大松栄太社長)、久原本家グループ本社(河邉哲司社長)、J-オイルミルズ(佐藤達也社長)、鈴与(鈴木健一郎社長)、太陽化学(山崎長宏社長)、Mizkan Logitec(古澤朗社長)、ロジパルエクスプレス(山本泰治社長)の10社(五十音順・ライオンを含めて計11社)とともに、12月23日に砂防会館(東京都千代田区)にて開催された「令和6年度 グリーン物流パートナーシップ会議 物流パートナーシップ優良事業者表彰」にて、最高位となる国土交通大臣表彰を共同受賞した。

物流業界では、乗務員の労働時間規制強化(2024年問題)や環境負荷軽減が喫緊の課題となっている。今回、用品、飲料、食品、原料素材、玩具、物流資材メーカーなどの異業種複数社と物流事業者が連携し、輸送モジュール化と混載輸送に取り組んだケースA、食品配送の効率化に取り組んだケースB(詳細は後述する「■受賞案件 概要」に記載)において、効率的な輸送方法を考案し、輸送車両や労働時間の削減、CO2排出量の大幅な削減を実現している。この取り組みが「持続可能な物流モデル」として評価され受賞に至った。なお、ライオンは以下ケースA-1に参画しての受賞となっている。

表彰式の様子
(前列左から)岐阜プラスチック工業(大松栄太社長)、大塚倉庫株式会社(溝内順一常務取締役ロジスティクス本部長)、鈴与(松山典正取締役)、中野洋昌国土交通大臣、アース製薬(山下健吾上席執行役員グローバルSCM本部本部長CSCO)、加藤産業(日比啓介取締役常務執行役員ロジスティクス本部長兼物流事業担当)、
(後列左から)Mizkan Logitec(安居浩司取締役)、太陽化学(山崎長俊執行役員コーポレート本部長)、久原本家グループ本社(浅井宏円常務取締役)、J-オイルミルズ(畑谷一美執行役員SCM担当)、ロジパルエクスプレス(石井貴志執行役員事業本部第2統括部ゼネラルマネージャー)、ライオン(南川圭執行役員サプライチェーン企画本部長)

【ケースA-1:フェリーを活用した混載輸送】
参画企業:
アース製薬、大塚倉庫、岐阜プラスチック工業、久原本家グループ本社、鈴与、ライオン
内  容: 九州~関東間の輸送で、複数企業がフェリーを活用して製品を混載輸送。パレットサイズや積み付け方法を標準化し、段積み用治具で2段積みを可能にすることで、車両台数を削減。また、出荷スケジュールの調整により安定的な運行を実現した。
成  果: ・CO2削減:年間31.2トン(19.0%削減)
・ドライバー拘束時間削減:年間250時間(15.4%削減)
・車両台数削減:年間39台(28.9%削減)

*1 メーカーAは本取り組みには参加しているが、受賞対象には含まれていない。


【ケースA-2:陸送での混載輸送】
参画企業:
岐阜プラスチック工業、J-オイルミルズ、鈴与、太陽化学、ロジパルエクスプレス
内  容: 中部~関東間の輸送で、ケースA-1と同様に荷物の段積み用治具を導入。パレットサイズや積み付け方法を標準化し輸送効率を向上。出荷スケジュールを調整して定期往復輸送を実現した。
成  果: ・CO2削減:年間46.3トン(23.2%削減)
・ドライバー拘束時間削減:年間688時間(17.6%削減)
・車両台数削減:年間171台(31.7%削減)

Screenshot
*3 岐阜プラスチック工業株式会社が制作したパレット段積み用の治具


【ケースB:食品配送の効率化】
参画企業:
加藤産業、久原本家グループ本社、鈴与、Mizkan Logitec
内  容: 神奈川県厚木市に食品専用の物流拠点(DC)を設置し、各荷主企業から物流拠点(DC)までの幹線輸送の効率化と、複数の食品メーカーによる共同配送を開始。食品専用車両を活用し、効率的な輸送を実現。事前出荷通知(ASN)*4により、納品作業を効率化し、ドライバーの拘束時間削減に貢献した。
成  果: ・CO2削減:年間538.1トン(37.8%削減)
・ドライバー拘束時間削減:年間10,916時間(27.9%削減)
・車両台数削減:年間1,392台(26.9%削減)

*4 納入業者から物流センターに事前に「発注番号」、「入庫数量」、「納品予定日」などの情報が通知される。物流センターでは商品が入庫する前に検収予定の商品の把握が可能となるため、検品が簡略化され、物流センターでの作業軽減に繋がる。


本事業全体の成果
・CO2削減:年間615.6トン(34.4%削減)
・ドライバー拘束時間削減:年間11,854時間(26.5%削減)
・車両台数削減:年間1,602台(27.3%削減)


■鈴与 松山 典正取締役からの受賞コメント
この度、令和6年度物流パートナーシップ優良事業者表彰において最高位となる国土交通大臣表彰を共同受賞致しました。この受賞は本事業の取り組みにご賛同頂きました10社がそれぞれの立場で現状の課題と向き合い、輸送効率化に向けて尽力頂いた成果だと感じております。改めまして本事業の実現に向けてご協力を頂きました10社の皆様に御礼申し上げます。
物流業界は、乗務員の高齢化及び慢性的な人手不足に加え、2024年4月から施行された時間外労働上限規制(2024年問題)を契機とした輸送供給力の低下とCO2排出量削減が大きな課題となっております。これらの課題解決には、1.1mパレット統一や治具(ボックスパレット)の使用によるモジュール化、複数荷主混載、在庫型物流センターの展開、計画出荷による幹線便輸送車両の大型化、事前出荷通知を利用した検品レス納品など、様々な手法を組み合わせて改善活動を進めることが重要です。今後も着荷主、発荷主、物流事業者、物流資材メーカーなど関係する皆様と協業しながら課題解決に取り組み、持続可能な物流の実現を目指してまいります。


【関連情報】
・国土交通省「令和6年度 グリーン物流パートナーシップ会議 優良事業者」
https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu01_hh_000845.html