全国約1,700の酒類メーカーが所属する日本酒業界最大の団体である日本酒造組合中央会が、2022年度上半期(1~6月)の日本酒輸出総額を発表した。日本酒造組合中央会は、全国約1,700の酒類(日本酒、本格焼酎・泡盛、本みりん)メーカーが所属する日本酒業界最大の団体である日本酒造組合中央会。通年ではなく、上半期で区切って数字を発表するのは初めての取り組みであると同時に、金額・数量とも堅調に伸びていることから、通年の輸出総額の着地も好調であると予想される。
日本酒造組合中央会サイト:https://www.japansake.or.jp
【輸出実績推移トピックス】
【全体】
●1~6月で過去最高の輸出金額を達成。総額約233億円(昨対比 133.7% )。2年前の2019年の通年輸出総額(234億円)とほぼ同等。
●数量では、1~6月で前年比119.8%となり、金額、数量とも伸長を見せていることから、2022年の日本酒輸出総額の伸びも期待される。※2021年度の輸出総額は約401億円。
【考えられる要因】
●コロナ禍を超え日本より早く営業再開した海外のレストランで、和食の人気とともに、日本酒が注目されている。ネット通販など販売チャネルも広がっている。
●中央会はフランスソムリエ協会に加え、国際ソムリエ協会との連携を図るなど、日本酒のブランド力向上に取り組んできた。各国の専門知識を持った現地のレストランやバーなどでの人材の育成と品質管理が進み、日本酒ファンが増加していると考えられる。
【1-6月輸出量17,901㎘を4合瓶に置き換えると・・・】
4合瓶を隙間なく並べると東京ドーム約3個分に相当。
●量より金額の伸びが大きく、高価格帯の日本酒の需要がさらに高まっている。米国、中国、香港、シンガポール、カナダ、オーストラリア、英国、マレーシアで1Lあたりの輸出単価が1,000円を超えている。
●米国及び英国では金額・数量ベースともに伸びをみせ、幅広く日本酒に対する理解が進んでいると予想される。
●アジアでは、韓国が2018年の水準まで回復、マレーシア、タイ、ベトナムなどにおいては日本への旅行制限のあるなか、日本食・日本酒への高い関心が続いている
●昨年まで驚異的な右肩上がりのカーブを見せてきた中国の動向は注視している。輸入禁止が続いている1都10県の日本酒が輸出可能になることが強く望まれる。
日本酒造組合中央会の理事・宇都宮仁氏は「国内飲食需要が、感染拡大の波に翻弄されているなか、順調に輸出が伸びていることが蔵元の励みになっている。徐々に海外渡航しての営業が可能となってきており、さらなる伸長を期待している」とコメントする。