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湧永製薬が記者セミナー開催/IGSでの取り組み概要を報告

湧永製薬が記者セミナー開催
IGSでの取り組み概要を報告


生ニンニクの刺激性やニオイを緩和した熟成ニンニク抽出液による新しい知見研究が世界各国で勧められる中、39年前にアメリカで発足したインターナショナルガーリックシンポジウムがドイツ・ミュンヘンで5年ぶりに開催された。7回目になる今回は、『健康増進と疾病予防に関するニンニク研究最前線』をテーマに4月26日から3日間、19か国から164名の研究者が参加。熟成ニンニク抽出液服用による運動能力や認知機能の向上効果をはじめ、様々な研究成果について、湧永製薬の湧永寛仁代表取締役社長が、5月15日の記者セミナーで概要を報告した。熟成ニンニク抽出液は、生ニンニクを2年間にタンクに漬け込みマイルドで胃粘膜に優しい独自性の高い成分。「今回のシンポジウムで、国民の健康づくりに熟成ニンニク抽出液が大いに貢献できる可能性があるという研究成果を発表でき、我々としてはとても意味深い内容でした。当社では、“元気で長生き”を心から願い、研究活動を続けたい」と語っている。


■ ベルリン大教授だったオイゲン博士の指導でニンニクエキス抽出液を開発


1955年6月に誕生し、2025年に創業70年になる湧永製薬。熟成ニンニク抽出液は、創業者の湧永満之氏とベルリン大学教授だったオイゲン・シュネル博士との医薬品や医学に関する考え方が一致し、コラボして生ニンニクが有する強い刺激性や臭い緩和した熟成ニンニク抽出液の開発に成功。1960年に日本国内で『キヨーレオピン』シリーズが発売されてから64年が経過した今、同ブランドは、我が国の滋養強壮剤でトップシェアを維持し、出荷累計液剤が2億本、錠剤は5億錠を突破するまでに成長した。

1977年から海外で販売されていた『Kyolic(キョーリック)』シリーズを、2017年からは健康食品として日本に上市。10品目(栄養機能食品と機能性表示食品)がラインナップされている。

「生ニンニクには、アリシンという成分が含まれていますが、刺激性の強い成分なので、2年間、熟成させることによって胃にも優しく、しかも有効性の高い成分が生まれてくることを我々は発見し、さらに研究を積み重ねているところです。そもそも、この熟成ニンニク抽出液に関してアドバイスいただいたオイゲシュネル博士は、ニンニクは体にとってもいいけれども、ちょっと刺激がある。だから、そういった点を研究することによって、より良い部分を引き出せる方法を研究すれば…とアドバイスをいただき、その結果、開発したのが熟成ニンニク抽出液です」(湧永社長)


インターナショナルガーリックシンポジウムの概要を報告する湧永寛仁社長


■ 世界各地からトップ研究者が出席し臨床研究成果を発表


湧永社長は、ミュンヘンで開催されたインターナショナルガーリックシンポジウムの意義について次のように述べている。

「世界各国でニンニクの研究が行われていて、今回は世界各地からトップ研究者が出席し、熟成ニンニク抽出液による様々な臨床成果が報告されました。今回で7回目になりますが、当社は熟成ニンニク抽出液の会社ですので多くの発表をさせていただき、熟成ニンニク抽出液の研究で1991年に科学技術長官賞を受賞しています。

熟成ニンニク抽出液は日本とドイツのコラボで生まれましたが、今回ドイツで様々な疾病に対して熟成ニンニク抽出液の効果について発表できたことを嬉しく思っています。発表された研究成果について、今後に期待しています。

オーストラリア国立統合医療研究所のカレン リード博士が発表されたのが、『熟成ニンニク抽出液の服用による運動能力の向上と効果』です。中高年が運動した時に、一緒に熟成ニンニクを飲むことによって運動能力などが向上したというデータです。ご自身で飲んでいただいているのですが、その中で、ご自身の体型で、きっとそういう効果があるのではないかという仮説で、実際にエビデンスとして出てきたものです。

二つ目は、現在アメリカハーバーUCLA医学部マシューブドフ教授からの脳に関する研究報告です。ブドフ教授は、今まで動脈硬化関係について研究をされていましたが、今回は新たに脳の改善に熟成ニンニク抽出液による効果があったという結果です。人は、いろいろな疾病にかかりますが、 1番難しい疾病は脳に関する疾病ですが、脳に関して効果があるということが示すされた発表は、とても興味深いものでした。

三つ目は動物対象ですが、ハーバード大学の堀田亮博士の『熟成ニンニク抽出液の胃腸機能と腸神経系の加齢変化に及ぼす影響』です。腸は“第2の脳”といわれていて、非常に重要な臓器ですが、当社は熟成ニンニク抽出液を配合した製品を60年以上にわたり販売させていただいており、何かしら良い効果があるのではと思っていて、それを示唆するデータがいろいろありました。今回は、マウスでそうしたデータが出てきましたので、我々としては、この部分の研究を進めたいと思っています」


■ “元気で長生き”を心から願い研究活動を続けていきたい


湧永グループでは、1964年にオーストリアへの輸出を皮切りに海外展開も積極的にチャレンジし1972年にはアメリカに現地法人を設立。『Kyolic(キョーリック)』の製造をはじめ世界の国々への出荷を始めた。これまで世界50か国以上での販売実績がある同製品は、日本でも保健機能食品や機能性表示食品としての普及活動が展開されている。

湧永社長は、熟成ニンニク抽出液の今後の研究について、「近年、我が国は人口が高齢化していますが、高齢化することに問題があるのではなく、健康寿命と平均寿命の差が10年あることです。これは日本だけでなく世界共通ですが、健康寿命と平均寿命に差がなければ高齢化は何の問題はなく、むしろ素晴らしいことです。

日本には“ピンピンコロリ”という言葉がありますが、当社では平均寿命と健康寿命の差をなくしていくために何ができるのか。創業当時から考え研究してきました。今回のシンポジウムで、国民の皆さまの健康づくりに熟成ニンニク抽出液が大いに貢献できる可能性があるという研究成果を発表でき、我々としてはとても意味深いシンポジウムでした。“元気で長生き”を心から願い、研究活動を続けていきます」と語っている。