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健康診断前、6割以上が「生活習慣に気をつける」/Fromプラネット第219号より

毎月プラネットが発表している意識調査「Fromプラネット」の第219回は、健康診断についての意識をヒアリングしている。就業者と未就業者の間に意識の差こそあれ、生活習慣病の予防は予兆の早期発見が大切であり、健康診断はその大切な第一歩。定期的な診断が生活改善に繋がっていることも明らかで、企業はもちろん義務だが、個人もサボらず受けるよう心がけたい。

まず、これまでに健康診断を受けたことがあるかを聞いたところ(図表1)、全体では83.2%が「ある」と回答している。
性年代別に見ても、同じ年代では男女間の差はほとんど無いが、若い人ほど「ある」の割合が低く、20代の場合は57.3%、30代は70.2%と、20代と30代の間で10ポイント以上の差があり、ギャップが最も大きくなっている。就職・未就職によっても違いが生まれるのかも知れない結果となった。


表1

次に、健康診断を受ける頻度については(図表2)、最も割合が高いのが「年に1回程度」の71.2%だった。「半年に1回程度」、「年に1回程度」、「2〜3年に1回程度」と回答した人を年代別に見ると(図表3)、20代は「半年に1回程度」と回答した割合がほかより高いが、そのほかは年代間であまり差がなかった。


表2
表3

健康診断を受診する目的や理由を尋ねると(図表4)、最も割合が高かったのは「健康状態を把握しておきたいから」(46.2%)、次が「会社や学校などに指示されるから」(34.4%)となった。複数回答可の質問だが「健康状態が不安だから」と回答した人は19.6%と、さほど高い割合ではなかった。健康に不安があるから受診するというより、転ばぬ先の杖として受診する人や、会社や学校から言われて受動的に受診する人が多いと考えられる。


表4

逆に、健康診断を受診したことがない人に、受診しない理由を聞くと(図表5)、「特に受診しない理由はない」と回答した人が38.0%で最も多かったが、次いで、「お金がかかるから」(29.5%)、「面倒だから」(27.1%)がほぼ差がなく並んだ。「健康状態に不安がないから」は10.1%に留まっていますが、不安がないからこそ、お金や時間がかかる健診をわざわざ受診したくない、という心理もあるのだろう。


表5

健康診断前に生活習慣に気をつけることがあるかを聞くと(図表6)、「健康診断前に気にすることはない」という人は37.6%だった。残りの6割強は、健康診断を意識して、行動に何らかの変化が生じる模様。
最も多かったのが「しっかり寝る」(36.1%)、あまり差がなく「運動する」(33.2%)が続く。
「食事の量を減らす」と回答した人は全体では20.0%だが、女性は24.0%、男性は16.4%と、ほかの項目に比べて男女差が大きいかった。後ほど紹介するが、健康診断の1ヶ月前から禁酒する人もいるようだ。
今回の調査では、タバコを吸っているかどうかも聞いている。現在喫煙している人は20.5%、「吸っていたがやめた/禁煙している」という人は23.5%だった。現在喫煙している人の場合、健康診断前に「タバコの本数を減らす」と回答した割合は22.8%となっている(図表不掲載)。


表6

健康診断の結果、生活習慣を見直すように指摘されたことがある人は、全体では46.9%と、半数近くに登った(図表7)
今回の調査では、男女間で大きな差はほとんどなかったが、この質問では年代差に加え、性別の差も大きくなっている。
年代別に見ると、若い人ほど、指摘されたことがある割合が低く、また、同じ年代でも女性のほうが指摘された割合が低くなっている。
指摘された割合は20代と30代の場合、男女で約14ポイントの差があるが、40代になると差が約20ポイントに拡大し、50代では約30ポイントと最大になっている。また指摘されたことがある「男性・50代」は64.3%、「男性・60代」は65.1%、「男性・70代以上」は61.2%と、いずれも6割を超えた。ほかの層では50%は超えておらず、50代以上の男性の割合の多さが目立つ。


表7

生活習慣を見直すように指摘されたことがある人に、改善できた生活習慣があるかを聞いた(図表8)。 「改善できた生活習慣はない」という人も22.6%いたが、残りの8割近い人は、なんらかの改善につながった模様。これだけでも、健康診断が人々の健康に与える影響の大きさがわかる。

改善できた生活習慣を見ていくと、最も多かったのが「健康に対する意識を高めた」(31.5%)、次いで「歩く量を増やした」(27.9%)、「食事の栄養バランスを改善した」(24.2%)、「食事の量を減らした」(23.3%)と続いた。
なお「食事の量を増やした」と回答した人は、全体では3.2%のみだが、「男性・20代」では25.8%と、ほかの層と比べて飛び抜けて高かった(図表不掲載)。食事を抜くなどの不規則な食生活について、指摘を受けた可能性もありそうだ。
現在喫煙している人については、「タバコの本数を減らした」という人が20.1%いた。また、「吸っていたがやめた/禁煙している」人のうち、21.7%が健康診断の結果を受けて「タバコをやめた」と回答しています(図表不掲載)。喫煙習慣についても、健康診断の影響は大きいと言えそうだ。


表8

以下に、健康診断や健康に関するエピソードの自由回答を掲載する。健康診断を定期的に受診していることで、「健康への意識向上に役立っている」という人や「病気の早期発見につながった」という人がいる一方、「指摘されても改善できない」「指摘されること自体がストレス」という人もいた。また、「1か月前からお酒の量を減らす」「禁酒する」「健康によさそうなものをいつも以上に意識して食べる」という声も複数寄せらた。

【健康への意識が高まる】
● 会社の決まりで年に1回健康診断を受けているが、年々数値を見て、体重の増加や視力の悪化等比較し、生活習慣を改善しようという意識が身についた。 食事や睡眠、スマホを見る時間など気をつけるようにしている。(女性・20代)
● 健康診断を受けることで、健康意識が高まり、健康診断のためと年一回以上、健康状態を良くする努力をする機会が出来るので良い。また健康診断を受けることで病気の早期発見に繋がると思うので、続けていきたい。(女性・30代)
● 健康診断で「要再検査」という結果が出てから健康に敏感になった。再検査も受けに行くし、何か体に不調があれば早めに病院に行くようにしている。(女性・30代)
● 主人と一緒に受けるのが、まるで、レクリエーションのような、小旅行のような、楽しみな年中行事になっており、毎年、その時期になるとわくわくする。 自身のもの以上に、主人の診断結果は、私の通信簿のような印象で、「異常なし」は私の好成績を評価されたようにうれしく感じる。もちろん、主人が元気であること自体もうれしい。(女性・50代)

【早期発見できた】
● 脳ドッグを受けて未破裂脳動脈瘤が見つかり、医師の勧めから手術を実施した。父親が脳内出血で早逝していたので、自分の異変が早く見つかってよかった。(男性・60代)
● 毎年1回、健康診断を受けていました。 一昨年初期の乳がんが見つかりました。手術や放射線治療も終了し、早期だったので今は服薬で様子見です。 定期的に受けることは大事だと実感しています。(女性・40代)
● 健康診断と乳がんの検査を毎年決まった時期に受けており、7年前、ステージ1で乳がんが見つかった。今は再発もなく元気です(女性・70代以上)
● 健康診断で何年もひっかかっていた便潜血の再検査を昨年初めて受けて、結果、大腸ポリープが見つかり、切除する手術をした。これ以上放っておいたらがん化して危なかったので、反省した。(男性・40代)
● 30年前、会社の半日人間ドッグを受けたら眼底検査で黄斑変性が見つかった。当時、喫煙していたが禁煙するきっかけとなった。(男性・70代以上)

【意義がわからない】
● 毎年健康診断を受けていた夫が早死にし、受けてなかった父は長生きした。健康診断を受けても健康になるわけじゃないと思ってしまったので、意義があまりわからない。(女性・50代)
● 料理が苦手なので品数を出すだけで精一杯。栄養のことまで考えていられないし、時間が取れないから運動もできない。肥満なのを自分でわかっているし、改善しようにもできないので、食生活や運動不足を指摘されてもイラつくだけ。(女性・50代)
● いちいち検査してあーだこーだ言われるのがいや。(男性・20代)

【健康診断が近づいてくると……】
● 苦手で嫌です、なんとなく食事の量を減らすという悪あがきをしています(女性・40代)
● 健康診断の1か月前から、禁酒をして臨んでいます(男性・50代)
● 健康診断前、短い期間にダイエットをして、すぐにリバウンドする、というのを繰り返していた。(男性・50代)

調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「健康診断」に関する意識調査を実施。
期  間:2024年3月8日~13日、インターネットで4,000人から回答を得ています。


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