日本医薬品登録販売者協会(日登協)はこのほど、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)と合同での記者会見を開催。2023年の活動報告を行った。まず一つに日登協による「薬事研究グループ」が始動し、日登協会員に動画配信を開始したことを報告。次に、登録販売者制度を守り、制度および資格の向上を図る日本医薬品登録販売者連盟の署名が12万件を突破したことを発表し、今後も活動を推進していく姿勢を示した。(取材=中西陽治)
日登協は医薬品登録販売者のあらゆる支援をするため、2023年度に新たな研究グループとして「ウェルビーイング研究会」を発足し、2022年度に立ち上げた4つの委員会と5つの研究グループに加えた。
委員会:(1)機能活性化委員会(2)会員組織委員会(3)政策委員会(4)広報委員会
研究グループ:(1)薬事研究グループ(2)未病研究グループ(3)フレイル研究グループ(4)システム研究グループ(5)サプリ研究グループ(6)ウェルビーイング研究会※新設
2023年の12月には薬事研究グループが本格的に始動。医薬品登録販売者を取り巻く環境・制度を中心に最新動向の動画配信をスタートさせた。第1回(12月1日)と第2回(12月7日)の動画配信では、現在検討されている医薬品販売制度の状況を解説。内容は日登協の新たな会員サービスとして、原則毎週配信していく予定だ。
次に、日登協の掲げる目的を実現するために政治活動を行う日本医薬品登録販売者連盟(日登連)は、医薬品販売規制緩和に反対し、制度の確立と向上のために署名活動を開始し、10月19日には当初の目標であった10万人を突破。
新たに掲げた目標30万人の署名達成のため、2024年からはドラッグストア企業への訪問を開始し、賛同を募っていく方針だ。なお12月8日時点で約12万人の署名が集まっている。
会見では、未成年によるOTC医薬品の濫用問題などを挙げ、資格者によるOTC医薬品販売の徹底が求められている現状に対し、質問が飛んだ。
JACDSの田中浩幸事務総長は「OTC医薬品販売に関してはいろいろな指摘があるのは事実。しかし、我々は『医薬品の販売に関してはしっかり資格者が関与していく』ということは常に発信し、実践してきた。それは薬剤師・医薬品登録販売者のどちらも同じく求められる資質だ」と適正販売に向けた強い姿勢を示した。
日登協の樋口俊一会長は「厚労省に呼ばれた際、担当官より『OTC医薬品の対面販売とオンライン販売は全く同じ』と言われたことに危機感を感じている」としたうえで、「『医薬品登録販売者がOTC医薬品販売の最後の砦』という存在となるべく、自己研鑽に励んで、地域の生活者の健康に寄与してもらいたい。そのために日登協は医薬品登録販売者の資質向上と地位確立に取り組んでいる」と話した。