EDI(電子データ交換)を介して消費財流通を支えるプラネット(坂田政一社長)が21日に東京会場で、26日に大阪会場で、クライアントらを招いたユーザー会をリアル開催した。21日の東京会場(東京国際フォーラム)には140社・246人が参集し、会の終了後に行われた4年ぶりの懇親会も盛況だった。
基調講演には、芝浦工業大学教授・マーケティングアナリストの原田曜平氏が登壇した。「ヒット商品を生み出すインサイト思考」をテーマに、ヒットする商品・広告・サービスに必須のインサイト(=洞察)について、国内外の成功事例を挙げながら判りやすく解説している。またプラネットを介した事例紹介では今回、ライオン執行役員サプライチェーン企画本部本部長の南川圭氏が、「日用品メーカーのロジスティクスEDI構想の取組み」について話してくれた。
その後プラネットから、「POSデータクレンジングを利用したデータ活用のご紹介」「ロジスティクスEDIの活用」「商品DBのリニューアルのご報告」などについて報告があった。
POSデータクレンジングサービスは、購買ビッグデータを扱うTrue Dataと共同で行う消費財メーカーを対象としたサービス。小売業ごとにフォーマットの異なる購買データを整形(クレンジング)し、合理的・効果的な製配販のマーケティング活動を促進する。将来的には欠品、返品、廃棄削減などに資するソリューションへと育てる考え。
またロジスティクスEDIは、日用品・化粧品業界の製・配・販協力のもと、持続可能な商品供給を行うための物流領域のEDI実装を進めるもの。これまでプラネットは、2020年の「ロジスティクスEDI概要書策定」(翌年に概要書バージョン更新)と「出荷予定データ仕様公開」、2022年の「日用品における物流ガイドライン取りまとめ」と「入荷検収データ仕様公開」を経て、今年8月に「事前出荷情報(ASN)活用による納品伝票レス・検品レス運用ガイドライン取りまとめ」を発表してきた。なお、実証実験では荷下ろし作業時間が4割削減するなどの効果を出し、ASNデータと物流事業者・卸売業のデータ連携がすすむことで待機時間のさらなる短縮も可能だという。
会の最後に坂田社長が登壇し以下の言葉で会を締め括っている。
「近年は需要と供給の双方からマーケットが変動しており、新しいマーケットのメカニズムを先入観なく見つめ、分析していくことが重要になっている。(POSデータクレンジングサービスの)販売データ・POSデータの連携は需要と供給の視点でデータを活用するために必須の取り組みと考えている。また物流は経済の血液だが、その血液が物流業界の働き方改革によってスムーズに流れなくなる恐れがある。これに対しても当社は(ロジスティクスEDIを通じ)変化対応と協調そして共創の視点で解決策を見出していく。これら新しい取り組みをユーザーの為、業界の為のサービスへとブラッシュアップし、消費財流通の一段高いステージを作っていきたい」