mitorizが、幅広い分野で値上げが相次ぐ中、買い物行動にどのような影響を与えているかを把握するため、「買い物行動に関するアンケート調査」を実施した。今回の調査では、6割が「買い物行動に変化あり」と回答しており、少しでもお買い得な商品を購入するため、リアル店舗での買い物を重視していることがわかった。今後、消費者に商品を買ってもらうには、店頭で商品の魅力を訴求するための店頭活動の重要性が高まっていきそうだ。
最初に「買い物の際に商品の値上げを実感するか」と質問したところ、「ある」(70.7%)、「ややある」(22.6%)と合わせて93.3%(1877人)が値上げを実感すると回答。値上げを実感している人を対象に「買い物行動の変化」についても質問したところ、「ある」(24.9%)、「ややある」(42.0%)合わせて66.9%(1255人/全体の62.4%)が何らかの変化があったと回答しました。
「店頭でお買い得な品を探すようになった」、「より安い品を求めて遠い店まで足を運ぶようになった」、「他メーカーの商品を試すようになった」といった具体的なコメントから、消費者が店頭での商品選びや買い物する店選びに於いて、今まで以上に厳しい目線を持って生活していることがわかる結果となりました(図表1)。
全体で93.3%が値上げを実感している高い結果となりましたが、年代・男女別でみると年齢が上がるほど、値上げを実感している傾向が強く、60代・女性が「ある」「ややある」の合計で97.3%と最も高く、また男性は女性よりも低い傾向があり、とくに男性の20代と30代は80%台と低い結果となりました(図表2)。
「値上げを実感する」と回答した1877人を対象に「値上げを実感する商品カテゴリー(複数回答式)」を質問したところ、「パン・ベーカリー」(52.0%)と「野菜・果物」(50.7%)のみが過半数を超えて値上げを実感されている商品となりましたが、上位10カテゴリーはいずれも30%を超えており、幅広い商品カテゴリーで値上げが実感されていることがわかります(図表3)。
「買い物行動に変化あり」と回答した1255人に「どのような変化があったか(複数回答式)」と質問したところ、「店頭に足を運んでお買い得品を探す」(42.5%)が最も多い結果となりました。具体的には「特売や割引シールが貼られた品を探すようになった。(女性・30代)」、「値引き品など、その日安い食材で献立を考える(女性・30代)」、「お店の中を以前よりぐるぐる周り、安い物を探す様になった。(女性・50代)」といったコメントが上がってきています(図表4)。
値上げが続く中、リアル店舗への店頭回帰の傾向は強まっており、店頭で消費者に「買いたい」と思わせるには、商品の魅力を今まで以上にアピールするための店頭活動がより重要になりそうです。
【アンケート調査概要】
調査期間:2022年11月5日~7日
調査対象:mitorizの消費者購買行動レポートデータサービス「Point of Buy®」の登録会員(POB会員)
POB会員(全国20~80代男女・平均年齢49歳)
調査方法:インターネットによる自社調査(有効回答数:2012件)