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ASEANレポート 日越輸出支援プラットフォームの事例/10%の成長が期待できるベトナム健康食品市場に向けて日本と現地の“橋渡し”をするVINA JAPAN



近年、日本企業の参入が相次いでいるASEAN、中でも健康食品市場は約25億ドル(2025年度)、年平均10%成長が期待できるベトナムへ、日本企業の進出をサポートする企業がある。2022年に設立された株式会社VINA JAPANだ。「私たちは将来、増加が見込まれる中間所得層の人口増加を見据えて普及活動に専念しています」と語る同社専務取締役の尾崎大輝氏。では、同社は、どのようにして日越輸出支援プラットホームとして活動しているのだろうか。(記事:山本武道)


ウエルネス事業を通じベトナム社会の健康向上に貢献


VINA JAPAN社は、2015年に農業×DXに関する研究で来日したグエン ヴァン フォン氏が、2022年に「外国人の日本での生活と健康を支える“総合ソリューション企業”」として大阪市内に設立した。


VINA JAPAN社代表取締役のグエン ヴァン フォンさん(左)、
専務取締役の尾崎大輝さん(右)


外国人の日本での“安心・安全”な暮らしを支える総合サービス企業として、外国人向けの運転免許取得支援、自動車関連サービス、人材紹介とともにウエルネスにまで幅広いビジネスに携わり、特にウエルネス事業については、日本の品質基準にも基づいた健康食品、ウエルネス関連商品を中心に、日本国内およびベトナム市場へ展開している。

厳格な品質管理のもと、信頼できるメーカーとの協力体制を構築し、安全性と有効性に配慮した商品を提供する傍ら、海外戦略では、現地の法規制、登録制度、流通体制に対応しながら、日本の品質の価値を適切に届けることで、地域社会の健康向上と持続可能な市場形成に貢献してきた。

「会社は発足して今年で4期目ですが、日本企業のベトナムへの健康食品販売の展開をサポートしています。私たちの会社は日本に住むベトナム人、年間で1万人ほどの運転免許の取得などサポートしていて、そこで培ったコミュニティを通じ、健康食品のマーケティングを進めていこうとも考えています。

まず当社は、日本に住むベトナム人の方々に対して、健康食品を訴求して、そこから口コミで越境ECにつなげていきたい」とも話す尾崎専務は、日本企業をベトナムに紹介するビジネスについて次のように述べている。


ハノイの直営店通じ市場開拓


「ベトナム市場における流通チャネルの約55%が薬局ですので、現地での営業が非常に重要です。そこで今、現地の当社の営業スタッフが市場開拓に取り組んでおり、ローカル営業から大手の営業、薬局向けまで対応し、直営店もハノイにあり、徐々にビジネスは進んでいます。


ハノイで営業するVINA JAPANの直営店


日本企業がダイレクトにベトナムで事業を展開するには、いろいろなルールがあります。特に行政対応が非常に厳しいのですが、一度登録してしまえば商品として販売・展開が可能です。ハードルはすごく高いのですが、クリアすればとても良い市場です。

ベトナムでは、健康食品(サプリメントなど)を輸入・販売するには、加工食品や健康食品、サプリメントなどの安全管理・認可を担当するVFA(Vietnam Food Administration:ベトナム保健省の食品安全局)への事前登録(製品公表登録)が必須になっています」


ベトナムの進出へ準備が必要な四つの基盤


ASEAN各国への進出には、むろん厳格なルールがある。だが国によってそれぞれルールは異なるために、製造や販売に関わるための共通なルールづくりが急がれている。ハーモニーゼーションだが、長年の懸案事項ではあるものの、これからどうなっていくか注目される。では、日本企業がベトナムに進出するためには、どのような準備が必要になるのだろうか。

「日本企業が、ダイレクトにベトナムで事業を展開するには、いろいろなルールがあります。特に行政対応が非常に厳しいのですが、一度登録してしまえば商品として販売・展開が可能です。ハードルはすごく高いのですが、クリアすればとても良い市場です。

これまでグレーゾーンを許容して、利益だけを上げてきた事例もありましたが、今、その管理がきちっと行き届いてきました。ベトナムでは、健康食品(サプリメントなど)を輸入・販売するには、加工食品や健康食品、サプリメントなどの安全管理・認可を担当するVFA(Vietnam Food Administration:ベトナム保健省の食品安全局)への事前登録(製品公表登録)が必須になっています。

ベトナムでは、事前登録された商品でないと健康食品は販売できません。届けに欠かせない成分表などの書類も提出しなければなりません。(独立行政法人https://chikapa.smrj.go.jp)」として、ベトナム市場への期待を述べる尾崎専務。

「20億ドルといわれるベトナムの健康食品市場ですが、私たちは将来、増加が見込まれる中間所得層の人口増加を見据えて普及活動に専念しています。ベトナムの人口は約1億人ですが、そのうちの5800万人ぐらいが2030年頃には中間層になるといわれていますから、その層が一気にお客さんになってくれることを期待しています。

日本の製品は、“安心と信頼”がありますが、さらに市場を開拓するとともに、日本企業のベトナム進出をサポートするために、四つの基盤を提案しています」(尾崎専務)

四つの基盤とは、商品の「登録」「ブランド保護」「商流管理」「価格統制」だという。「この四つの基盤を正しく設計した企業だけが、長く勝てる市場です。制度が難しいことは参入障壁ではありますが、それは裏を返せば商品ブランド保護の盾にもなります。つまり、品質で勝ってルールで負けないためにも不可欠なのです」とも話している。


登録のスケジュールと販売チャネルの構築


ベトナムへの進出を希望する日本企業に対してVINA JAPANでは、メーカー窓口との契約・ブランド管理、そして両社の意思決定と品質責任、各種資料の公的認証手続きなどを話し合い、ベトナムでの製品登録申請、許可取得スケジュール管理、法令と行政への対応の順で登録手続きが進められる。

ベトナム現地では、販売価格の統一管理、無断値下げへの対応、ブランド価値の維持、販売チャネルについては、ベトナムコミュニティーの活用(家族・親世代への紹介)、オンライン販売(SNS・EC)、代理店ネットワークの構築、TV広告、販売スタッフの教育・管理、販売データの収集・分析、商品管理では、在庫・物流管理、品質・ロット管理、市場フィードバックの収集等々が行われていくシナリオだ。

特にオンラインとオフラインを統合したオムニチャネルによる販売体制では、次のような内容が計画されている。

<オンライン販売チーム>
・メディア活用(ベトナムの国営テレビ局のVTVなど)
・ECサイト(shopeeなど)
・TikTok Shopを活用した販売
・Facebookを活用した販売

<オフライン販売チーム>
・自社直営販売拠点(ハノイ)
・薬局通じた販売(長期的主要販路)
・代理店ネットワークによる販売
・訪問販売による直接販売
・医療機関施設との連携販売


日本企業ブランドの市場展開を長期的に支援


「当社では、登録、ブランド保護、商流管理、価格統制を基盤として、日本製品のベトナム市場展開を長期的に支援します。特にベトナムの現地にオープンしている直営店は、ブランドショールームの機能を持ち、ブランド訴求の適切な訴求ができ、ベトナムに進出する日本企業ブランドの長期的な市場展開の基盤として、販売および供給体制の安定化に結びつきます」(尾崎専務)

日越輸出支援プラットフォームとして、“安心・安全”と定評のある日本製の健康食品の販売拠点づくりに取り組むVINA JAPAN。ハノイにオープンしている直営店をはじめ、地元の薬局やスーパー、専門店などへ、日本商品の積極的な普及活動を展開していく方針だ。