サノフィは7月21日、高用量インフルエンザHAワクチン「エフルエルダ筋注」の発売時期を変更すると発表した。2026年秋頃の発売を予定していたが、国内の製造委託先で進めている一部製造プロセスの確立と検証に、想定を上回る期間を要しており、当初計画通りの供給が困難になった。新たな発売時期は示していない。日本以外で供給する製品には影響しないという。
エフルエルダは、加齢によって免疫機能が低下し、インフルエンザの重症化や入院リスクが高まる高齢者向けに開発したワクチンである。標準用量ワクチンの4倍量の抗原を配合する。国内では2024年12月、60歳以上の成人を対象とするインフルエンザ予防の適応で製造販売承認を取得した。今後は、世界保健機関と厚生労働省の方針に沿い、高用量3価ワクチンとしての発売を目指している。
厚生科学審議会では、2026年10月1日から75歳以上を対象に定期接種へ導入する方針が了承されていた。しかし、今回の供給状況を受け、2026~27年シーズンの導入は見送られる。発売時期の変更は製造・供給上の事情によるもので、有効性や安全性に影響するものではないとしている。高齢者向け予防接種の選択肢を広げる制度方針が示されても、実際の導入には安定した製造・供給体制が欠かせない。自治体や医療機関、医薬品卸の接種計画に加え、地域住民から予防接種の相談を受ける薬局にも正確な情報提供が求められる。今後は発売時期と、次のシーズンに定期接種へ導入できるかが焦点になる。