ヘルスケア情報サイト「Hoitto! ヘルスケアビジネス」(ヘルスケアワークスデザイン株式会社)

業界初・日本初・世界初、各社から生まれる“初”は、
どんなスキマ市場を狙った?


この記事は、女性ヘルスケア市場専門のビジネスメディア「ウーマンズラボ」からの提供です。



市場のコモディティ化や少子高齢化による日本市場の縮小を背景に、各業界で事業戦略の転換や新規事業の立ち上げが不可避となる中、ヘルスケア市場では、「業界初」「日本初」「世界初」を掲げた製品・サービスが続々と登場している。女性の病気予防・健康づくりへの社会的関心が高まっていることに加え、生活者の価値観の多様化や技術革新などが商機発見を下支え。長寿化で顕在化した課題=病気との共生をサポートする3次予防領域から「日本初」が生まれる事例も、近年ならではのトレンドだ。本稿では、直近1〜2年のヘルスケア市場で登場した、さまざまな業界初・日本初・世界初の事例を集めた。新市場創出はニーズの顕在化に時間を要するものの、今後の広がりに期待大(本稿に掲載の各社の情報は記事公開当時のものです)



体内のエクオールを薬局で即時検査 (京セラ×マイライフ)


更年期症状の緩和など、女性の健康維持に役立つ体内のエクオールの産生量を、薬局内で測定する世界初のサービス。京セラと、中国地方で薬局を展開するマイライフが、昨年10月に実証実験を開始した。これまでエクオールの測定は専門機関でしか実施できず、場所も時間も制限されていたが、装置の小型化と測定手順を簡易化し、約7分という検査の即時化を実現。女性たちが気軽に体内の状況を知ることで、継続的な健康習慣につなげるのが狙い。

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■世界初の「エクオールを薬局で即時検査」 (京セラ×マイライフ)


学校を活用した保護者の更年期支援 (幸年期マチュアライフ協会)


幸年期マチュアライフ協会が今年7月に開始したのは、中高の保護者・生徒・教職員向けの更年期支援プログラム。更年期業界で初の取り組みで、更年期の理解促進と家庭内コミュニケーション改善を目的としたもの。親の更年期と子どもの反抗期が同時期に起こることで生まれる家庭内不和に着目し、支援の場として、保護者と生徒と教職員の3者が集まる学校を選んだ。第一弾は、山脇学園中学校・高等学校で実施。70人の男女の保護者が参加した。

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■更年期支援を中高の保護者向けに本格始動 (幸年期マチュアライフ協会)


医療従事者向けの母子ケアインストラクター育成(CHAMA)


日本チャイルドアンドマザーケア協会が着目したのは、「医師」と「医師以外の医療従事者」の間に存在する、母子のヘルスケア・スキンケアに関する知識差。医師は、学会などを通じてエビデンスに基づいた最新知識を得られやすい一方で、実際に母子と密接に関わる助産師や看護師などの医療従事者にまでは情報が伝わりきっていないといった課題を解決しようと、昨年末に同協会を設立。小児科・皮膚科・産科・婦人科などの各科専門医の協力のもと、母子のヘルスケア・スキンケアに関する専門知識とスキルを医療従事者に提供する人材育成事業を開始した。日本初の取り組み。

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■日本初、医療従事者向けの母子のケアインストラクター育成(CHAMA)


水で栄養補給、たんぱく質がとれる水(サイクルミー×ダイドー)


サイクルミーとダイドードリンコのオープンイノベーションで生まれたのは、業界初の「たんぱく質がとれる水」。今年7月に発売した。従来の水市場には存在しない、”甘すぎない水で栄養を摂取する”という新しいカテゴリーに着目したもので、日常的な水分補給と栄養摂取を両立。試行錯誤を重ねながら、無色透明の水としての商品開発に成功した。

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■業界初「たんぱく質がとれる水」を発売 “水で栄養補給”を提案(サイクルミー×ダイドー)


医師による運動処方で、がん患者の運動を店舗内で支援(カーブス)



女性専用フィットネスのカーブスから生まれた日本初は、医師の処方に基づく運動支援を、がん患者に向けて店舗内で提供する取り組み。埼玉県立がんセンターと連携し、今年9月に開始した。がん患者が運動することは、再発や死亡リスク低下などに寄与することが分かっているものの、患者が医療的配慮の下で運動を行える環境は全国的に不足している課題に着目した。同センターのがんエクササイズ外来で発行される運動処方に基づき、患者は生活圏内のカーブス店舗で運動を行える。

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■カーブス、日本初の先駆的モデルに がんセンターと連携で患者の運動療法を支援


500円均一のOTC医薬品ブランド(日本調剤)


日本調剤から誕生した業界初は、500円均一OTC医薬品ブランド「5COINS PHARMA」。2023年に販売開始。セルフメディケーション推進にあたり、生活者にとってOTC医薬品の価格が課題の一つであるとの考えから、価格均一を実現した。ブランドを構成するのは23品目で、同社の全国の販売実績から特にニーズのある解熱鎮痛薬や催眠鎮静薬、風邪薬などを取り揃えた。

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■業界初の「500円均一のOTC医薬品ブランド」(日本調剤)


女性ヘルスケアビジネスの戦略ハンドブック2025


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【記事執筆】ウーマンズラボ(https://womanslabo.com/
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