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MCT、オメガ3のエビデンスを国際脂質学会ISSFALで発表

日清オイリオ、MCT脂肪燃焼亢進機能とα-リノレン酸の血管機能改善について世界へ発信

日清オイリオグループ株式会社(久野貴久社長)がこのほど、同社が独自に取得した、脂質の健康機能に関するエビデンス(MCT の脂肪燃焼亢進機能、α-リノレン酸による血管機能改善)について、カナダで開催された国際脂質学会(以下、ISSFAL: International Society for the Study of Fatty Acids and Lipids)で発表した。また、MCT およびその代謝物(ケトン体)の多面的な生理機能と脳の健康に与える影響をテーマとしたスポンサードセッションにも協賛している。

同社研究員による発表の様子
(左:口頭発表、右:ポスター発表)

【学会大会の概要】
・名 称: ISSFAL 2025
・目 的: 健康と疾病における食事性脂肪酸と脂質の役割の理解を深めること
・会 期: 2025 年 6 月 29 日(日)~7 月 2 日(水)
・会 場: Centre des Congrès de Québec (ケベックシティ、カナダ)
・公式サイト: https://www.issfalcongress.com/

【同社発表】

発 表①: 口頭発表
演題名:Continuous ingestion of medium-chain fatty acids enhances fat oxidation during low-intensity physical activity in sedentary subjects with a Body Mass Index from 25 to less than 30
中鎖脂肪酸の継続摂取は、BMI が 25 から 30 未満で運動習慣のない方の低強度身体活動時の脂肪酸化を高める

演 者:辻野祥伍 1、野坂直久 1、定光翔平 1、安藤菜々花 1、加藤一彦 2
※1 日清オイリオグループ株式会社、2 かとうクリニック、

内 容:身体活動時の脂肪酸化(燃焼)を高めることは、肥満を予防・改善し、適切な体重を維持するのに重要である。当社では、MCT の摂取が、BMI が高めで運動習慣のない方の脂肪燃焼能に与える影響を明らかにすることを目的に臨床試験を実施した。その結果、毎日わずか 2gの MCT を継続して摂取することによって、食事の質や生活習慣を大きく変えることなく日常活動時の脂肪燃焼が高まることが明らかとなった。

発 表②: ポスター発表
演題名:Effects of oral intake of alpha-linolenic acid on blood pressure and vascular suppleness
α-リノレン酸の経口摂取による血圧、血管のしなやかさへの影響

演 者:安藤菜々花 1、野坂直久 1、荒井千恵 1、加藤一彦 2
※1 日清オイリオグループ株式会社、2 かとうクリニック

内 容:循環器機能を正常に保つことは、高血圧や動脈硬化等を予防し、寿命や健康寿命を延伸するために重要である。当社はα-リノレン酸の循環器疾患予防効果に着目し、血圧・血管しなやかさへの影響について研究を進めてきた。研究の結果、諸外国と比較してオメガ 3 の摂取量が多い日本人集団においても、α-リノレン酸の摂取が血管機能の維持に寄与する可能性が示された。

【スポンサードセッション】

セッション名:
MCTs & Ketones/MCT とケトン体
演 者:
John Newman M.D., Ph.D. (Buck Institute for Research on Aging, USA)
Mary Newport M.D. (Independent, USA)
Frederic Calon Ph.D. (Axe Neurosciences, Canada)
Stephen Cunnane Ph.D. (Université de Sherbrooke, Canada)

内 容:脳のエネルギー代謝は、アルツハイマー病などの神経変性疾患と密接に関わっている。脳の主要なエネルギー源はグルコースであるが、MCT の代謝物であるケトン体も代替エネルギー源になることが知られている。本セッションでは、MCT とケトン体が持つ多面的な生理機能と脳の健康と代謝に与える影響に着目して、4 名の演者から最新知見を紹介した。ケトン体がアルツハイマー病患者の脳に及ぼす影響や、MCT が血中脂質パラメーター改善に及ぼす影響を紹介し、MCT の治療的機能の可能性を示した。