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【第7回】矢澤一良博士が行く!ウェルネスフード・キャラバン【山東昭子参議院議員】

参議院議員/日本健康・栄養食品協会会長 山東昭子氏

 矢澤一良博士(早稲田大学 ナノ・ライフ創新研究機構 規範科学総合研究所ヘルスフード科学部門 部門長)が「ウェルネスフードのこれから」を探る対談企画「矢澤一良博士が行く!ウェルネスフード・キャラバン」第7回は、博士が「20年来のお付き合い」と語る自民党参議院議員の山東昭子氏にご登壇いただいた。山東氏は2019年に第32代参議院議長に就任、参議院史上最多の8期を務めるなど国政の最前線に立ち、現在は政務調査会の食育調査会会長にも就任している。また長年にわたり国民の健康や食に関わる政策に携わり、「食育基本法」「健康増進法(受動喫煙防止法)」「食品ロス削減法」等を制定。さらには日本健康・栄養食品協会の立ち上げ、会長として現在にいたるまで官民を繋ぐ「食と健康」を支援し続けてきた。矢澤博士たってのインタビューとのことで、特別に議員会館で行われた対談では山東氏の「自身の健康に対する思い」から「食による予防医学」の実践、「栄養士の活躍」――「活力ある日本の姿」にまで話が及んだ。国政に携わる山東氏が描く〝ウェルネス〟のビジョンに矢澤博士が迫る。    【記事=中西陽治】

矢澤一良博士

矢澤一良博士(以下矢澤博士):今回の「ウェルネスフード・キャラバン」は参議院議員で自民党食育調査会長、第32第参議院議長を務められ、日本健康・栄養食品協会(以下、日健栄協)の会長でいらっしゃる山東昭子先生にご登壇いただきます。
 日健栄協が推進する機能性食は、私のライフワークである「食による予防医学」に直結する食によるイノベーションです。これは食べることにより健康を保ち、さらにはアンチエイジングにもつながる可能性を秘めています。
 特にお世話になっております山東先生は議員・議長はもちろん、日健栄協会長を務められ、日々知恵を働かせなければならないお立場にありながら、大変お元気であることに感銘をしております。
 まずはご自身の食事・運動・睡眠(休養)につきましてお伺いしたいと思います。先生が精力的に活動されている秘訣は何でしょう。

山東昭子氏(以下、山東氏):矢澤博士とはもう長いお付き合いになりますね。よろしくお願いいたします。

 健康の秘訣をお話するにはまず、私のルーツについてお話ししましょう。
 私の父は早稲田大学を昭和9年(1934年)に卒業しました。早稲田大学ラグビー部が連覇を果たした時の選手で、オールジャパンにも選出されました。ラグビー選手でしたのでとても足が速かったことを覚えています。
その父はとても健康で70歳を過ぎても銀座で飲み歩いていました。あれほどお酒を飲まなければ100歳まで生きただろうと思います。70歳くらいで脳梗塞を患い74歳で亡くなりました。

山東昭子氏


 母は97歳まで生きました。母も女学校時代から水泳に打ち込み、平泳ぎの選手として関東選手権で選抜されたこともあります。日本初のオリンピック女子金メダリストの前畑秀子さんが活躍していた時代ですね。
また、日本で初めて水上スキーに挑戦したり、飛び込みやシンクロナイズドスイミングも嗜んでいました。これら新規スポーツが米国から日本にやってきた当時、母は辞書を引きながらルールを勉強したと聞いています。

 私は小さいころから芸能界で活動していました。当時は胃が弱いこともあったのですが、どんどん元気になっていきました。
 「運動」について、私自身は18歳からゴルフを嗜んでおり、2023年は計53回プレーしました。現在は国会業務のない土日を中心にプレーしていますが、今でもできるだけカートに乗らず歩いてコースを移動しています。これは私の健康のバロメーターでしょうね。
 私自身の「食」に関しては、小さいころは食に関しては好き嫌いが結構多く、それから30歳くらいまでは食生活はあまり意識したことはありませんでした。その後政界に入り、健康食品の課題に取り組む中で、健康食品業界の方々とお付き合いが多くなり「食による健康」を意識するようになりました。
 私は健康食品の在り方については約50年前から関わっており、日健栄協の設立も橋本龍太郎先生(元内閣総理大臣)と一緒に汗をかいて頑張りました。
 当時の健康食品業界は、課題や問題点も多く、それを少しでも正しい方向へ進めようという意志をもって協会を立ち上げたのです。

矢澤博士:私もこの間の土日にゴルフをしてきました。プレー中の歩行も含めて、運動を意識することはとても重要ですね。
 非常に多忙な中、「食」「運動」に意識を向けられているのですね。
 山東先生はお忙しい中でも、ゴルフを嗜むバイタリティーにあふれていますが、ご自身の「睡眠」についてははいかがですか。

山東氏:私は仕事で日本全国を飛び回り、あるいは国際会議などで海外に何回も行きますけれど、枕が変わってもどこでも寝られます。ですから眠れない、ということはほとんどありません。
 最低6時間は睡眠にあてていますし、風邪をひいたときでもお薬を飲んで8時間以上ぐっすり寝てしまいますね。熟睡しているので睡眠の質も良いと感じています。
 「睡眠」の質の秘訣に関して言いますと、ストレスは抱え込まずいやなことはその日のうちに忘れてしまうようにしています。
 私の中で「世の中には『A』があれば『B』もある、『A』がなければ『B』もあるさ」という考え方ができていますから、あまり一つの考えに固執しないのです。

精神的疲弊に「ムードフード」活用の道筋

矢澤博士:睡眠の質を損なわない、素晴らしい考え方ですね。
 さて、山東先生がおっしゃる「ストレス」についてです。
 この「ストレス」への食の介入で言いますと、私は「ムードフード」が役立つと思っています。
 「ムードフード」は〝情緒をコントロールできる食品〟という考え方です。例えば自律神経のバランスを調整する、といったアプローチができる食品および食べ方です。
日健栄協でも取り上げられるような科学的エビデンスに基づいて臨床試験が行われ、実証され論文化される。このような「ムードフード」や素材が増えています。
 「ムードフード」を後押しする制度ですと2015年より機能性表示食品制度が始まり、届出は9,000件を超える規模になっています。その実効性があるのがおそらく6,500くらいだろうと思います。その中にも「ムードフード」に当たるものが結構あります。
 山東先生のように、ストレスを気持ちの切り替えによりうまくコントロールできる人もいれば、そうでない人もいますよね。
 私はそういったストレスをコントロールできない人に、精神栄養学的な観点から「ムードフード」を利用できればいいな、と考えています。これが「食による予防医学」の実践だと思っていますが、山東先生はいかがでしょうか。

山東氏:食によるストレスへの介入。矢澤先生がおっしゃる「食による予防医学」はまさに、これからの課題だと思います。
 病気や症状にあたらないけれど疲れてしまっている状態、つまり体は大丈夫だけれども精神的に疲弊している人は約150万人いらっしゃると聞いています。
 これは何も大人だけでなく、子どもの不登校などにもつながってくるわけです。スマートフォンなどで常に人とつながれる時代、SNSを見て傷つく子どもたちが増えています。せっかくこの世に生まれてきて、これから未来を背負って立つ彼ら・彼女らがこのようなストレスにさらされているのは本当に悲しいことだと思います。
 大人も、昔と比べて、これほどまでみんなが繊細になっている時代は無かったのではないでしょうか。

矢澤博士:山東先生がおっしゃる通り、現代の人は「精神的な疲弊」リスクにさらされていますよね。それは社会的な課題でもありますし、環境の変化によっても顕著に現れると感じています。
 いま日本は災害という急激な環境変化のリスクにさらされています。災害による直接死より災害の後、つまり災害関連死の増加が指摘されています。これは災害によりメンタルを病んでしまうことが大きく関連しているでしょう。
仕事や生活を失ってしまったという大きなストレス、あるいはちょっとした音にドキッとしてしまうといった小さなストレスの積み重ねによって、体の中の活性酸素が大量に出るということが考えられます。この蓄積で心のバランスが崩れ、それが体にまで影響し、例えば血栓ができてしまうという懸念もあるでしょう。
 〝災害関連疾患〟と呼ぶべき、災害後のQOLの低下が課題となっていると思います。

山東氏:本当にそう思います。
 阪神淡路、新潟、熊本、東日本、能登などでの地震で災害関連死のリスクが顕在化しています。
 それ以外でも、私は新型コロナウイルス流行の際に特にメンタル低下のリスクを感じました。今思うと、仕方のないことですが医療現場も含めた社会全体が慎重になりすぎたのではないか、と感じることがあります。
 例えば、高齢者の方が外に出たくても家族が「危ない」と言って止めてしまったがために、家にいることが増えて足が衰えてしまった、ということが現在結果として現れていますよね。

孤立と虚弱にこそ「食による予防医学」を

矢澤博士:新型コロナウイルス流行の余波で高齢者のフレイル(虚弱)のリスクが高まりましたね。
 身体的なフレイルはもちろん、社会的フレイルが非常に広がりました。つまり社会に関われない状況から、だんだん社会に関わる気力が薄れて人間関係の情緒的な部分がコントロールできなくなる。
 そうすると山東先生がおっしゃる通り、「動かない」から「動けない」へ、そして心身の活動が止まり疾患のリスクが高まってしまう。社会的フレイルから身体的フレイルを引き起こす悪循環が眼に見えるように進みました。

山東氏:繊細な方は特にその危険性があると思います。
 新型コロナウイルス流行で起こった社会的な孤立は、本当にお気の毒でした。
 ご家族が亡くなって、ご遺体と対面したくても病室に入れない。最後のお別れすらできない。本当に落ち込まれて、悲劇としか言いようがありません。

矢澤博士:私たちが考える「食による予防医学」は、そのストレスがかかった時に、食や栄養によって何とかクリアしよう、という取り組みです。
 直接的に災害に立ち向かうことは難しいかもしれない。ですが災害後のストレスを普段の食生活で軽減できるということを、データを用いながら社会に役立てていこうと考えているのです。

山東氏:私も仕事柄、健康食品に関わっていますから、いわゆる「食による予防」に力を入れている医師にお会いすることも多いのです。
 ですが、中には昔ながらの「西洋医学に特化してそれ以外は受け付けない」という考えを持っている方や、一方で「バランスの良い食生活を送っていれば透析をしなくても大丈夫。人工透析は食生活で治せる」という極端な考えを持っている方もおり、「食による予防医学」の浸透に難しさを感じることもあります。

矢澤博士:「食による予防医学」は、エビデンスに基づいて活用の幅を広げることにあります。「予防医学」ですから、医療機関の方々にも理解していただき活用の道筋を一緒に考えていきたいですね。目指すべきは同じ「国民の健康」のためですから。

山東氏:日本が戦後何も食べるものが無かった時代から、現代の生活習慣病予備軍が増える時代へと移り変わってきました。
 豊かになった反面、この現代の栄養問題を分析して考えるべきだと思います。日本はその点で遅れているように感じます。

矢澤博士「〝プレジション栄養学〟で『かかりつけ栄養士』に活躍の場を
山東氏「栄養士・管理栄養士は誇りある専門職」

矢澤博士: 健康に対する「食」の介入が遅れている原因の一つに、医学からみて栄養学がやや下に見られている、という現実があると思います。
 諸外国における栄養士は医療職と同等に見られていますが、日本の栄養士・管理栄養士は医療職から下に見られ、栄養士本人もその立場意識をもってしまっていると思います。

山東氏:おっしゃる通りです。
 栄養士・管理栄養士は本当に大事な専門職ですから誇りをもって欲しいと思います。
 例えば、学校栄養士が職員室に入れない、というような間違った状況を打破しなければならないのです。私は栄養士・管理栄養士の地位について問題点が大いにあると感じます。

矢澤博士:医療、例えば医師の場合「かかりつけ医」という制度があり、過去から現在に至るまで患者個人の身体情報を知っていて診療を円滑に進めています。診療および治療では、本人はもちろん家族の既往歴などから遺伝子レベルで疾患のリスクを把握しています。
 医師は〝治療〟ですが、栄養士が担うべき〝予防〟のアプローチが重要になってきます。
 栄養の分野では「プレジション栄養学」という、個人の状態に応じて最適な栄養を提供し実行する方法があります。遺伝子レベルから糖尿病や高血圧になりやすい傾向がわかるのならば、「食」によりそのリスクを軽減することが可能になるのです。
 遺伝子から治療方法を探るのならば、予防方法も見出すことができるはずです。つまり「かかりつけ医」のように「かかりつけ栄養士」の制度がもっと広がっていくべきではないか、と感じるのです。
 栄養士はどこか必ず近くにいる、しかし自分のことを分かってくれている栄養士がどれだけ身近にいるか、ということを知ってもらうべきです。これが「食による予防医学」を進めるにおいてとても重要です。
ですから日健栄協にも「かかりつけ栄養士」制度を推進していただきたいと考えています。

山東氏:素晴らしいお考えですね。
 私も栄養士の方のお手伝いをしています。例えば医師や看護師の持つ分析と栄養士の分析は違いますから、その2つを掛け合わせられれば、いまの栄養士の職能評価はもちろん、これからの栄養士の真価が導き出せると思います。

矢澤博士:山東先生にそうおっしゃっていただけると大変心強いです。栄養士の真の価値をもっと知ってもらうべきですよね。
 新型コロナウイルス流行の際、これまでにないほど予防意識が高まりました。
 ところが喉元過ぎると忘れてしまうのか、あれだけ予防意識が高くなったにもかかわらず、結局はコロナも風邪と同じようにかかった時に治療する、という風潮に戻ってしまったように思えます。
 ですから、予防意識を忘れることなく情報発信をし続けるべきだと思います。そのために「ウェルネスフード・キャラバン」を通じ、業界はもとより一般の方々にも「食による予防医学」の大切さを伝えていきたいのです。

課題は 未来を背負って立つ若者の「食」の在り方

矢澤博士:今回は山東先生に、俯瞰の視点から今後の「健康」についてうかがっております。
 さていよいよ今年は団塊の世代が後期高齢者になる2025年問題に直面します。「健康」が、次のステージへと進む転換期となりますが、山東先生は今後どのように日本が変わっていくと思われますか。

山東氏:人生100年時代と言われ、2024年時点で100歳の方は9万5,119人と過去最大を更新しました。でもそのうち女性が8割で男性がほとんどいらっしゃらないのですよね。
 その男女差も含めて、健康寿命を考えると、寿命を全うするまでの寝たきりの時期をなくさなければならないでしょう。
 私は〝食育〟に長く関わってきました。〝食育〟の成果として高齢者と子どもたちは、比較的バランスの良い食事をとれるようになったと感じています。
しかし一方で若年層、特に30~40代の食事バランスの乱れには課題が残ります。
 例えば、若年層が好むコンビニエンスストアの食品では、保存の観点も影響して塩分過多のものが多くあります。それらを製造しているメーカーさんとお話して「もう少し塩分を控えめにしてください」という要望はしています。
 また、ご承知のとおりWHOは「タバコ」「お酒」「塩分」の3つが健康を害する要因として掲げています。今やWHO幹部は会食でもお酒を一滴も飲みません。
 お酒は他人に直接的に害が及ばない嗜好品ですから、適度に嗜むのはいいと思いますが、日本人特に若年層の「塩分」過多は〝食育〟によって啓発していくべきだと思います。
 「塩分」以外でも若年層は、忙しさなどを理由に極端な効率を求めることで食生活が乱れていると感じます。あるサラリーマンから「お昼休みの食事の時間が平均して8分しかない」、という話を聞いたときは驚きました。
これから未来を背負って立つ方々ですから、若いうちから食の重要性を意識してほしいと思います。
 先ほどもありましたが、「食」は身体はもちろんメンタルにも影響しますから、日々の糧に関心をもって欲しいと思います。
 その情報を矢澤先生が「ウェルネスフード・キャラバン」で発信し続けていることはとても大切だと思います。専門家や業界だけに向けた情報発信だけでなく、自身の健康に興味をいただけるよう一般の方にもわかりやすい発信であってほしいと思います。

「医療」「勤労」を柔軟に運用し「健康」へとつなげる

矢澤博士:「食による予防医学」は実践しなければ果たせないことですから、身内だけで盛り上がるのではなく、国民全体に知っていただかなくてはならないということですね。心して発信していきます。
 さて、「健康」の課題をもう少し広げて、いま山東先生がお取り組みになられていること、将来構想につきましてお伺いします。国政に携われるお立場として日本をどうするか、につきまして。

山東氏:とにかく医療費の抑制と国民皆保険制度の維持です。
 財源別国民医療費のうち公費が17兆6,837億円もかかっているのは異常でしょう。
 例えば患者さんが不要な検査を繰り返す、こういったことで医療費がどんどんかさんでしまっています。ですから国が一体となって進めているマイナ保険証を活用すべきだと強く思います。今こそ医療費に係る無駄なコストを減らしていく、ということが重要なのです。
 マイナ保険証をはじめとした医療DXの推進により、一歩ずつですが国民医療費の抑制は良くなってくると思います。
 私は、皆さんが「食による予防医学」を学んで実践に移してほしいと願っています。その前提として、医療にかかる資源をなんとか効率化していかなければならないでしょう。

「働きたい方の〝働き方改革〟」で活力ある日本へ

山東氏:もうひとつは先ほどのストレスに関連することですが、「働き方改革」をもっと柔軟に運用していくべきだと思います。
 日本人は働き者と言われます。しかし「働き方改革」をすべての人に当てはめてしまうあまり、逆に働く意欲のある人を阻害してしまっていると思います。
 ご承知の通り、日が昇る前に河岸に行って仕入れをして午後早くに休む料理人や、あるいは企業でも夜に働きたい人もいるわけです。全ての人を「8時から17時という就業時間が正しい」という考えに当てはめて一律化していいものでしょうか。
 日本の人が一生懸命働いて日本の今日があります。その働く方が求める、その方に適したライフワークバランスが選べる社会にすべきだと思います。
 ハンディキャップを抱えても「働きたい」という意欲が強い方もたくさんいます。その方を既存の組織体に当てはめるのではなく、柔軟性をもって働いてもらうべきです。その点においては、大分県の社会福祉法人「太陽の家」の取り組みなど成功例と言えるでしょう。
 働き方改革は全体主義的なものではなく、「働きたい方の〝働き方改革〟」のような柔軟性をもった施策であるべきなのです。
 もちろん元気なシニアの方が働ける環境整備、社会参画できる場も創り上げていかなければなりません。これは先に申し上げた社会的フレイルの予防にもつながりますし、ひいては「健康」にもつながります。
 財源、勤労も「健康」とは無縁ではありません。「健康」を取り巻く環境も含めて、さらに活力ある日本を目指していくべきだと感じます。
 私自身も好奇心が強く、人が好きですから、いろんな分野の方と交流したいと思っています。老若男女問わずできるだけ人と関わり合い「健康」から「食」や「予防」といった話題を楽しく理解できるような社会を作っていきたいと思います。

矢澤博士:国会審議中の大変お忙しい中、とても勇気づけられるお話をしていただきました。
ありがとうございました。


対談を終えて―――矢澤一良

 山東昭子先生とは20年来のお付き合いとなります。
 ちょうど6年前、私が70歳を迎えた時に立派な色紙を頂戴しました。ですから山東先生とお会いするのは6年ぶりです。
 今回インタビューをさせていただいて感じたことは、6年前と全くお変わりないということ。とてもお元気で聡明で華があり、オーラをお持ちの先生でいらっしゃいます。そこに改めて感動いたしました。
 山東先生は現在、公益財団法人日本健康・栄養食品協会の会長を長きにわたってお勤めになられています。同時に食育調査会会長として食育の推進にご尽力されておられる。
 その意味で政治分野から、私たちが考える「食による予防医学」に対するお気持ちを強く持っていらっしゃることを感じました。今回このインタビューを通じ、その想いに感銘を受けました。
 政治や行政の分野から長きににわたり、国民の健康・福祉に尽くしていただいている山東先生に、今後さらにお力添えをいただけることとご期待いたしております。
 今後もお元気でいただき、「食の予防医学」におけるウェルネスフード業界にサポートをいただけることを願っております。