「加盟社が勝ち残るために必要な商品・ノウハウ・サービス・仕組みを、時代に合わせて提供できるボランタリーチェーン本部になる」―2025年に創設55年になる医薬品小売業最大VCグループのAJD(オールジャパンドラッグ)の平野健二本部長(サンキュードラッグ代表取締役)は、今年6月に開催されたチェーン大会で、「加盟社が地域のインフラとして必要とされ続けるための経営資源の創造と共有」をミッション(使命)に掲げ商品開発と育成の重要性を呼びかけた。AJDは、1970年4月に年商1億円以上の大型店を中心に設立されてから53年後の今、躍進の“原動力”は、商品フェアを通じ提供される加盟社への利益となるPB商品の「開発力」に加え、一人ひとりの個客管理データを活用したID-POによる「販売支援力」だ。高まる生活者のヘルスケア・ニーズへ様々な健康創造商品を提案し、更なる飛躍を目指す。
AJD躍進の武器の一つは、様々な利益商品を誕生させた春季(春・夏)と秋季(秋・冬)の年2回の商品フェアである。AJD本部では、加盟社が「欲しい商品」や付加価値商品を相次いで開発し、永続的な加盟社利益を追求すると共に、ドラッグストア業界で関心の高い食カテゴリーでは管理栄養士推奨シリーズなど多くの差別化商品を提供してきた。
2023年の秋季フェアの予約受注高は162億7800万円を達成し、加盟社買上げ高1位には2022年の同時期に36億2955億円とトップだったコスモス薬品が引き続き38億4925万円にランクされたのを始め、2位に:クリエイトSD…26億7589万円(2022年:26億7689万円)、3位:カワチ薬品…22億6532万円)、4位:キリン堂…13億0041万円、5位:杏林堂薬局…9億1684万円)、以下、表の通り。
上位10社の買上げ総額は137億221万円、加盟社買上げ総額の84.18%を占有する。2023年1年間の総額は春季と秋季とをプラスすると272億円に達している。
商品フェアで誕生した新商品やPB商品の販売強化へAJDが加盟者に提案し・実践し成果をあげているのがID -POSデータを活用した販売ノウハウの提供である。これは、新たな商品価値を創造した販促支援で、来店した個客の購買データから性別、年齢に販売時期、購買時間や価格帯などの情報を加えて生活者視点の売り方を提案しPB商品の活性化に結びつける手法。いわば顧客一人ひとりの個客管理データを活用したONE TO ONEマーケティングだ。
共同仕入れを主体とする協業グループとは異なる共同販売機構を柱に掲げ、加盟社が総力を上げた販売ノウハウの実践で今日、総年商は2兆円と推定されるAJD。
平野本部長は、「1社ではできないことを皆の力で」がAJDの理念であること、そして「ボランタリーチェーンの原点は『結集こそ力』であることに回帰し、更に商品育成に取り組む」ことを明らかにしている。
2024年、ドラッグストア業界へ競合の荒波は、ますまず激しく押し寄せることが予想される中、AJDは成長の“原動力”となってきた生活者のヘルスケア・ニーズに対応する健康寿命延伸に関わるPB商品などを加盟社に提案する春季フェア(春・夏)を1月19日にホテルグランドニッコー東京で開催し、加盟社へ利益商品の核となるPB(プライベート・ブランド)開発と新たな商品価値を見出すID-POSを活用した販促支援を提案する。
さらに1月24日には、高齢者人口の増大に伴い増える地域住民の在宅医療・介護に対応する薬剤師が登壇、最前線のケース・スタディを披露する医療・介護全国大会など、共同販売機構としての組織力を結集し2025年の創設50周年に向けて飛躍を目指す。