True Dataは、同社の統計データをもとにドラッグストア、食品スーパーマーケットにおける2023年10月の売り上げ伸長カテゴリを発表した。10月は、ドラッグ・スーパーともに「ビール」の売り上げが前年同月比で増加。今年10月より酒税が引き下げられた影響と、前年10月の値上げによる売上減の反動で、ドラッグストアの売上金額は前年同月比で15.4%増加し、スーパーでは同20.7%も伸長している。前年から続く値上げラッシュの影響で消費者の食品の買い控えがある一方、今年の減税により価格変動が起こった「ビール」。今年10月の〝猛暑の秋〟も好材料だったが、需要が伸びる年末年始にどのような購買行動が見られるかが注目される。
「ビール」は2023年10月に酒税改正による減税で価格が下がったことに加え、前年の2022年10月は値上げにより売り上げが大きく減少した反動もあり、ドラッグ・スーパーともに売上前年比が増加している。
昨年飲料各社では、原材料の高騰などからいわゆる〝新ジャンル〟と呼ばれる「第3のビール」等も、「ビール」と同じく値上げが敢行された。
一方で今年10月施行された酒税改正では、「第3のビール」は増税、「ビール」は減税となった。その結果、双方の価格のギャップが狭まり、「第3のビール」の割高感と「ビール」の手ごろ感が消費者の中に生まれている。
ドラッグストアでは「リップクリーム」の売り上げが前年同月と比べ52.3%増加し、前月に続き伸び率ランキングの1位を記録した。「リップクリーム」は冬に向けて売り上げが増加する商品のため、本格的に寒くなる11月以降も前年超えの売り上げが続くか注目される。
また「かぜ薬」が前年同月と比べて売り上げを大きく伸ばした。ドラッグストアで前年同月比33.7%増加した。訪日外国人にも需要が高いことや、寒暖差による体調不良などによりニーズが高まっていることも要因と考えられる。
「ビール」の伸長に代表されるように、今年10月は例年にない暖かさだった影響で、ドラッグストアでは「飲料」各種や「アイス」などが昨年同月比で売り上げを伸ばしている。今年は暖かい10月だったため、暑さ対策と、寒さに備える需要が混在した結果が順位から見て取れる。
食品スーパーマーケットでは前月のランキング(参考)に入っていなかった「かぜ薬」が前年同月比38.9増でトップに躍り出た。
「かぜ薬」は、今夏のインフルエンザ流行やコロナ対策需要の影響でドラッグストアにおいては高い需要を集めていた。ここにきて食品スーパーマーケットでもニーズが顕著になったことは、ドラッグで賄えないほどの予想を超える「かぜ薬」の需要の高さと、スーパーのドラッグ化とも捉えられるのではないか。
〈2023年10月の集計データについて〉
・カテゴリ別伸び率ランキング…生鮮・惣菜カテゴリ及び、カテゴリ名の冒頭に「その他」を含むものを除外し、1店舗あたり200個以上売れているカテゴリを集計
・数値…小数点以下第二位を四捨五入
・データ集計期間…2023年10月1日~10月31日 ・データ抽出日…2023年11月20日 ※掲載の数値はデータ抽出日時点のもの。
データ出典:True Data
全国ドラッグストア、食品スーパーマーケットのPOSデータをもとに統計化した購買データで集計。データには店舗・個人を特定する情報は含まれていない。