「Fromプラネット」とは?
国内1,400社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネットが、消費財や暮らしにまつわるトピックスをお届けする意識調査です。
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財布に自宅のカギ、スマホ…誰しも外出の際に必ず持っていく物があるでしょう。コロナ禍以降の外出スタイルの変化やリモートワークの定着など、外出時に持っていくアイテムにも変化がありそうです。そこで今回は、外出の際に持っていくアイテムについて、いろいろと調べてみました。
「主に自動車で移動するのでバッグは不要」という人もいるでしょうが、バッグに荷物を収納して外出するのは一般的なスタイルです。そこでまず、【日常の外出時にバッグを持っていくか】をたずねました(図表1)。その結果、4分の3が「必ず持っていく」(「2つ以上」+「1つ」)と回答。男女別では、女性の9割以上が「必ず持っていく」としており、このうち「2つ以上」も1割にのぼります。片や男性では、「必ず持っていく」は約6割と女性より30ポイント以上低いうえ、「持っていかない」も1割超と、男女間で傾向に大きな差がみられました。【荷物の量】をみると(図表2)、「多い」は全体では19%ですが、男性10.9%・女性27.1%と男女間で16ポイント以上の差があります。性年代別でみても(図表非掲示)、男女とも年代が低いほど「多い」の比率が高い傾向がみられ、特に20~40代女性では約3割にのぼりました。外出の際、女性は「多くの荷物をバッグに入れて」、男性は「荷物は少なく身軽に」という人が多いと言えそうです。
コロナ禍前後の持ち歩く荷物の変化についても、たずねてみました。【荷物の量の変化】では(図表3)、72.6%が「変わらない」としましたが、「増えた」(「少し増えた」を含む)22.5%、「減った」(「少し減った」を含む)5.0%と、4分の1が増減を感じています。特に「増えた」は男性17.3%に対し女性27.7%と10ポイントもの差があります。なかでも女性の30・40代と60代以上では「増えた」が3割前後にのぼりました(図表非掲示)。
具体的に【持っていく頻度が増えた物】はなにかをみてみると(図表4)、やはり「マスク」が60.5%でトップ。男女別では男性65.3%・女性56.4%と女性のほうが低いのは、コロナ禍前からマスクを持ち歩いていた人が多かった、ということでしょうか。2位以下も「除菌ジェル・消毒液」「除菌シート」「ウェットティッシュ」とコロナ対策品が顔をそろえました。この3アイテムいずれも女性のほうが高率になっており、特に除菌アイテムは液体・シートともに女性が10ポイント以上上回りました。外出時も女性はコロナ対策に余念がないようです。
次に、アイテムごとに外出時に持ち歩く頻度を詳しくみてみましょう。
まず【日用品・身だしなみ用品】では(図表5‐1)、“必ず持っていく物”として68.8%と最も多くの人が挙げたのが「マスク」というのは納得ですね。「ティッシュペーパー」も53.9%と過半数の人が持ち歩いていました。以下、「ばんそうこう」「ウェットティッシュ」「リップクリーム」がいずれも2割超、これに「除菌ジェル・消毒液」「除菌シート」のコロナ対策品が続きました。除菌グッズでは、シートよりもジェル・液体品のほうが支持を集めたのは、使用後にごみが出ないなどの手軽さからでしょうか。男女別にみると、「目薬」以外の各アイテムで女性が男性より10ポイント以上上回っています。男性は、外出先でも簡単に入手できることから、日用品については「外出先で必要になったら買おう」と思っているのか、はたまた必要性をあまり感じないのか、興味があるところです。
“季節によって持っていく物”では、夏の「汗拭きシート」16.7%と冬の「カイロ」16.2%が僅差で並び、以下、乾燥対策の「ハンドクリーム」「リップクリーム」が続きました。性別トップは、男性が「汗拭きシート」、女性ではわずかに「カイロ」が上回りました。カイロを女性年代別にみると(図表非掲示)、20代が26.7%と男性を含めた全年代で最高であるなど、40代以下で特に高値となりました。冷え対策のほか、おしゃれで薄着をする時などにも使うのでしょうか。
【日用品・身だしなみ用品以外】のアイテム(図表5-2)をみると、“必ず持っていく物”は「財布」「スマホ・携帯電話」「家のカギ」がそれぞれ7割超というのは納得ですね。これに続く「ハンカチ、タオル」60.4%も、コロナ禍でエアータオルが使用禁止の施設が増えたことなどが背景にありそうです。「エコバッグ」45.8%は2020年7月のレジ袋有料化以降バッグに常備している人が多いのではないでしょうか。同アイテムを性別でみると、女性が男性を38ポイントも上回っているのは、女性の方が日常的な買い物の頻度が高いことを反映しているのでしょう。男性のほうが上回るのは「腕時計」と「メガネ・コンタクトレンズ」というのは興味深いですね。
“時々もっていく物”では、男女ともにトップは「折り畳み傘」に。天気予報で雨マークがあったら出がけにバッグに入れる、ということなのでしょう。以下、「マイボトル」などの飲料、「充電器、モバイルバッテリー」など、外出の目的や移動距離に応じたアイテムが上位に並びました。
外出時に必ず持っていく物は、年代や性別によっても異なるでしょう。そこで図表5と同じデータを「外出時に必ず持っていく物」の切り口で属性別に集計。各属性で50%以上を“マストアイテム”、30%以上50%未満を“高頻度アイテム”として、女性年代別(20・40・60代)と荷物の量別に“バッグの中身”を探ってみました(図表6)。
女性の年代別では、全年代で共通のマストアイテムは「財布」「家のカギ」「スマホ・携帯電話」「マスク」「ハンカチ、タオル」の5つ。40代と60代ではこれに「ティッシュペーパー」と「エコバッグ」が加わります。高頻度アイテムとしては、20代では40・60代のマストアイテム2つに加え、「リップクリーム」「鏡」「メイク直し用品」の身だしなみ用品というのは納得ですが、少し意外なのが「イヤホン、ヘッドホン」。同アイテムは20代女性が同男性(22.7%)よりも高く、性年代別でも最高となっています。一方で高齢層の60代では「文房具」「メガネ・コンタクトレンズ」のほか、「ばんそうこう」「ウェットティッシュ」「除菌シート」と日用品を複数持ち歩く傾向がみられ、心配性な一面がうかがわれます。マストと高頻度を合わせたアイテム数は、20代11、40代9、60代12と世代間でそれほど変わりませんが、その中身には大きな差があることがわかりました。
荷物の量別にみてみると、マストアイテムは「財布」「スマホ・携帯電話」「家のカギ」「マスク」は共通していますが、“多い人”はこれに「ハンカチ、タオル」「ティッシュペーパー」「エコバッグ」が加わります。高頻度アイテムは、“少ない人”では3アイテムにとどまりますが、“多い人”は実に10アイテムに。マストと高頻度の合計でも、“多い人”17に対して“少ない人”7と、両者間には10アイテムもの差がありました。荷物が少ない人は、スマホの機能で代替する(文房具、腕時計など)、使用頻度が高くない、外出先で購入可能な物は持たない(ばんそうこう、ウェットティッシュ、常備薬など)傾向がうかがわれ、これが荷物を減らすコツとも言えそうです。
外出時に持っていく物には、それなりの“こだわり”があるはず。そこで、外出時に持っていく物を選ぶ際のポイントについてもたずねてみました(図表7)。
45.9%と最も多くの人が挙げたのが「コンパクトさ」。“荷物をなるべく少なくしたい!”という意向が働いてのことでしょう。これに、「機能性」と「軽さ」が各4割で続きました。やはり“小さくて軽い”ことに加え、“使い勝手がよい”アイテムが好まれるようです。また「価格」を重視する人も約4分の1にのぼりました。
男女別では、男女とも「コンパクトさ」がトップというのは共通ですが、これ以下をみると、男性は2位「機能性」、3位「軽さ」なのが、女性では両者が逆転しています。図表2でみたように、女性は男性より荷物が多い傾向があるうえ、男性に比べて体格が小さいことから、荷物の重さを抑える点からも“小さくて軽い”アイテムを選ぶ傾向が強いのかもしれませんね。また、「デザイン」も女性は22.9%と男性を11ポイント上回るほか、「素材」「色」がともに16%台、「好きなブランドの物」も10%であることからも、アイテムの“見た目”を含めて女性は男性に比べて“こだわり”が大きいことがうかがわれます。
最後に、外出時の持ち物についての“こだわり”や、コロナ禍前後での変化などについて自由に書いてもらいました。「あれも、これも…」と荷物が増えてしまう“心配性”の人や、最小限の物しか持ち歩かない“ミニマリスト”など、さまざまな声が寄せられました。コロナ禍以降はやはり除菌アイテムを持ち歩くようになった一方で、マスクの恩恵(?)で女性ではメイク直し用品の持ち歩きが減ったなど、増えた物・減った物両方が挙げられました。バッグを小型化したり、バッグの中身を見直したりで、荷物を減らす努力をしている人も少なくなく、荷物はある程度意識しないと、どうしても増えてしまうものなのかもしれませんね。
調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「外出する時に持っていく物」に関する意識調査を 実施。
期間:2022年3月11日~16日、インターネットで4,000人から回答を得ています。