昨今の健康意識の高まりから、日本国内で「植物性ミルク」の市場が活性化している。5月30日の「アーモンドミルクの日」に先立ち、江崎グリコは日本・アメリカの 20〜50 代男女 800 名を対象に「アーモンドミルクに関する日米実態調査」を実施した。 同社グループは1930 年代からアーモンドに着目し、日本でのアーモンド文化の浸透を図ってきた。 今回の調査で同社は、「 “植物性ミルク先進国”アメリカの実態から、日本でもさらに成⻑の余地があることを感じる結果となった」と語っている。
アーモンドミルクについて「名前と内容を知っている」と「名前は聞いたことがある」をあわせたアーモンドミルクの認知率は、日本で80.8%、アメリカで98. 5%と共に高水準となった。
日本では「名前は聞いたことがある」という人が49.0%で、「名前と内容を知っている」人の31.8%を上回るのに対し、アメリカでは「名前と内容を知っている」と答えた人が76.5%と認知者の大半で、日本よりも “理解を伴った認知”が浸透している。【図1】
またアーモンドミルク認知者に飲用経験を聞いたところ、アメリカでは 85.5%が「飲んだことがある」と回答。 日本の飲用経験率49.2%に比べ約 1.7 倍と高い状況にある。【図2】
飲用経験者を対象にアーモンドミルクを飲む頻度について質問したところ、日本では「ほぼ毎日飲む」 と回答した人は3.8%で、「週1回以上飲む」のは飲用経験者の2割に満たなかった。さらに日本 では過半数が「半年に 1 回以下」と答えた一方、アメリカでは、飲用経験者の 16.9%が「ほぼ毎日飲む」と回答。「週に1回以上飲む」の合計は 7 割を超え、日本との飲用頻度の差が顕著となっている。【図3】
アーモンドミルクの飲用経験者に対し「アーモンドミルクを飲む理由」を質問したところ、「健康に良さそうだから」が日本(36.5%)とアメリカ(49.3%)でともにトップとなった。日本は「美容によさそうだから」、「ビタミンEが多いから」が23.9%で同率 2 位。アメリカでは「低カロリーだから」(46.9%)、「味がおいし いから」(39.8%)と続いた【図 4】
アーモンドミルクの持つ健康・美容イメージについて質問したところ、日本は「アンチエイジング・老化防止」 (20.3%)がトップに。ただ、提示した健康・美容イメージで「あてはまるものはない」と答えた人も 46.3%と半数近くを占め、具体的なイメージが乏しい人が多い結果となった。
一方でアメリカは、 1 位が「ダイエット」(41.3%)、2 位は「免疫を高める(風邪予防)」(40.5%)、3 位が「美 肌・美白」(39.8%)と続いた。「腸内環境を整える」、「生活習慣病対策」、「冷え性改善」を加えた6項目でイメージスコアが 2 割を超え、幅広い健康・美容イメージが浸透していることが伺える。【図 5】
アーモンドミルク飲用経験者に飲み方や活用方法について質問したところ、日米ともに「そのまま飲む」が 1 位となった。日本では「そのまま飲む」以外の活用方法が、いずれも 15%に満たないのに対し、アメリカでは、「コーヒー/紅茶に入れる」(45.7%)、「グラノーラにかける」(43.9%)、「スムージーに入れる」 (38.0%)など、さまざまなアーモンドミルクの活用法が浸透していることが伺える。【図6】
<調査概要>
調査名:「アーモンドミルクに関する日米実態調査」
調査方法:インターネット調査
調査対象者:20〜50 代の男女
調査地域:日本、アメリカ
調査期間:2023/04/19〜2023/04/26
調査主体:江崎グリコ株式会社サンプル数:800 人(日本 N=400, アメリカ N=400)
米国大手スーパーでは PB 化、
ファーストフード店など生活に密着する形で既に拡大
――太田あや氏/BIO ARTS NYC, INC.
アメリカでは健康志向の高まりはもちろんのこと、気候変動や世界的な食糧危機や貧困、動物物愛護などの観点からプラントベースを選ぶ消費者が増えています。中でも、植物由来のミルク・乳製品は、既に定着しています。かつては、ベジタリアンやヴィーガンなどの菜食主義者や、乳製品を摂取できない人たちが飲んでいましたが、もはや誰もが飲む時代になっています。スーパーマーケットでは植物性ミルクの品揃えが豊富な店舗も増えており、中でも 最も販売されているのがアーモンドミルクです。大手スーパーマーケットではプラ イベートブランド化されているところも多く、定番化してきていることが分かります。さらに、大手ファーストフードチェーンでもアーモンドミルクをはじめとした植 物性ミルクがラインナップされており、ミルクを選ぶという行為自体がスタンダードになっています。 また、自分で水を加え、好みの濃度で楽しめるアーモンドベースやアーモンドパウダーという商品も出てきており、活用の幅にもますます広がりが。カフェチェーンでもアーモンドミルクをはじめとしたミルクの選択肢を複数揃えている店舗が多く、消費者の好みに応じてカスタマイズするのが主流となっています。