今年も残りわずかとなったが、プラネットがこのほど実施した「年末年始の過ごし方に関する意識調査」では、「帰省をしない」という回答が2年前より増えるなど、新型コロナウイルスの影響が今なお続いていることが伺えた。また忘年会に参加したくない人が半数いる反面、忘年会を予定している人は増加傾向にあり、コロナ禍の行動様式が多様化していることも明らかになっている。
年末年始に最も長く過ごす場所について聞くと(図表1)、「自宅」との回答が89.2%と、もっとも多かった。
2020年末に同様の質問をした際は、「自宅」の回答が82.3%となっており、2年前と比べて5ポイント以上上昇した。また「遠方にある自分または配偶者の実家」と回答した人が7.0%から3.8%に、「近隣にある自分または配偶者の実家」が、5.3%から2.3%に、それぞれ減少。合わせて「国内旅行先」も、2.3%から1.8%に微減している。
自宅以外に帰省する実家や田舎があるかを聞くと(図表2)、「ある」人が48.2%、「ない」人が「51.8」%だった。男女ともに「70代以上」が「ない」割合が高く、次いで「60代」、「20代」の順となっている。
帰省する実家や田舎がある人に、直近でいつ帰省したかを聞くと(図表3)、男女ともに「直近1ヶ月未満」の割合が32.6%と最も高買った。これに「直近1ヶ月~3ヶ月未満」(17.0%)、「直近3ヶ月~半年未満」(11.1%)、「直近半年~1年未満」(10.9%)が続き、直近の帰省から1年未満の人は合計で71.7%となっている。
年末年始にやろうと思っていることを聞くと(図表4)、年末のトップ5は「大掃除」(42.8%)、「テレビの年末特番を視聴する」(41.2%)、「年賀状を書く」(31.1%)、「何をするでもなく体を休める」(31.0%)、「何をするでもなく休む」(31.0%)という結果が出た。
また年始のトップ5は「テレビの年始特番を視聴する」(36.7%)、「初詣」(36.5%)、「何をするでもなく休む」(32.3%)、「何をするでもなく体を休める」(30.2%)、「家族や親戚で集まる」(23.9%)という順になっている。
「大掃除」「年賀状を書く」「初詣」といった、「いかにも」な行事に混じって、「何をするでもなく体を休める」「何をするでもなく休む」が上位に食い込んでいることから、まとまった休みをゆっくり過ごしたいと考えている人が多いと考えられえる。
年末年始に出かけるところを聞いたところ、「初詣」(25.5%)、「デパート、ショッピングセンターなどの商業施設、商店街」(15.4%)、「実家や親戚の家に年末・年始の挨拶」(15.3%)といった項目が上位に並んだ。
ただ最も割合が高かったのは「特にどこにも行かない」(48.0%)だった。他の質問項目への回答には「年末年始は人で混雑するのが嫌」という声もあり、「年末年始だから出かけよう」という人がいる一方、「年末年始だけど家にいよう」と考える人も多いことがわかる。
また「忘年会」(7.1%)や「新年会」(4.8%)といった宴会のような催しは、「映画館・シネコン」(4.0%)のような娯楽施設よりも相対的に割合が高いが、全体で見ると決して高い割合とはなっていない
忘年会について掘り下げて聞くと、「あなたは今年(2022年)、忘年会に参加する予定があったり、参加したいと思っていたりしますか。参加する予定がある方やしたいと思っている方は、どんな人たちと忘年会をする予定なのか、したいと思っているのかを教えてください」という問いに対し、「忘年会に参加したいと思わない」という人が48.0%と約半数だった。特に女性は55.1%の人が「参加したいと思わない」と回答している。
また、去年の忘年会について、参加したか、どんな人たちと忘年会をしたかを聞くと、「忘年会には参加しなかった」という人が82.9%だった。
昨年の結果と今年の予定を見比べると、たとえば「よく顔を合わせる友人」と去年忘年会をした人は10.0%、今年忘年会をする予定の人は15.1%など、ほぼすべての項目で割合が上昇している。あくまで予定だが、忘年会をしたい人は去年よりも増えているという結果となっている。
「年始に初詣に行く予定」と回答した人に初詣に行く場所をに聞くと、半数を超える人が「自宅から最も近い寺社」(52.0%)、次いで、「自宅周辺で最も大きい寺社」(25.8%)となり、初詣のために遠出する人は相対的に少なかった。
初詣でお賽銭をいくら納めるかを聞くと、最も割合が高いのが「51円~100円」(29.1%)で、次いで「101円~500円」(18.5%)「5円以下」(15.9%)となった。
少数派だが、「1001円以上」(3%、)、「お賽銭は納めない」(1.6%)という回答もあった。男女差を見ると、15円までは女性のほうが割合が高く、16円以上になると男性の方が割合が高くなっている。
以下に、年末年始の予定や過去のエピソードを記載する。自由回答なのため捉え方はさまざまだが、不満を述べつつも、このイベントを各々に工夫して楽しんでいる姿勢は垣間見られた。
【自宅でゆっくり過ごす】
● これまでは接客業で年末年始もずっと仕事だったので、退職してゆっくりお正月を過ごせるのがうれしいし、楽しみ。年末年始に旅行に行くと高いので、落ち着いてから出かけたい。(女性・40代)
● 旦那は出張がとても多いので年末年始ぐらいは2人で、自宅でゆっくりしたいと思う。心置きなく好きなだけ寝てほしい。私は年末年始の料理に腕を振るいたい。(女性・50代)
● コロナ禍以前から、家族でこじんまりと、のんびり過ごすことが多かった。今年も家でゆっくりしたり近所の河川敷を散歩したり、近場で初もうでしたりして身内だけでのんびり過ごすと思う。(女性・50代)
● ここ10余年、ペットの散歩がてら、近所のスポットで初日の出を見ている。毎年景色が変わり、自然のドラマを満喫できる。(男性・70代以上)
● 年始は毎年仕事があるので、「一度も正月を一緒に過ごしたことがない」と妻から毎年不満を言われる。(男性・40代)
【帰省するのが待ち遠しい!】
● 今年は離れて住んでいる兄弟も帰省するので、甥っ子と自分の子供を遊ばせるのが楽しみ(女性・30代)
● 普段合えない両親と一緒に、こたつに入りながら紅白を観るのが好き。(女性・30代)
● 年末年始は親戚や家族と会い、宴会をするのが楽しみです。 コロナ禍で中々会えない日が続いているので、年一回ぐらいは会いたいと思う(女性・50代)
● 年始に実家に親族30人ほどが一同に集い、にぎやかな一日を過ごすのが年始の楽しみ。(女性・60代)
【帰省するのは気が進まない……】
● 1年ごとに夫と私の実家のどちらかで過ごすため、気楽に過ごせる年と過ごせない年がある。(女性・30代)
● 車で4時間の実家、10時間の義実家、どちらへの帰省も1年で1番憂鬱になるほど気が進まない。帰省という文化、なくなってほしいとまで思えてくる。(女性・30代)
● まだ23歳なのに、田舎に帰ると「はよ結婚せえ」とおじさんに言われるのがイヤ。(女性・20代)
● いい妻を演じるのが疲れるから、できれば旦那の実家に帰省したくない。(女性・40代)
【初詣は決まった神社に】
● 毎年一人で自宅から歩いて1時間くらいの神社に行っております。もう20年近く一人初詣。もっと近くて同じ市内にある神社もあるのに、なぜか隣の市まで行きます。きっと死ぬまで行くと思います。(女性・40代)
● 元旦に都心の神社への初詣を20年程続けている。自分が生きている証として足腰が立つ限り、続けていきたいと思っている。二日と三日は靴も履かずに駅伝中継をチラ見しながらの寝正月と決めている。(男性・60代)
【混雑がイヤ】
● 年末年始はいつも仕事なので、親に会いに行ったり旅行に行ったりすることはない。季節の行事とはいえ、期間中はどこに行っても人混みだし、サービス業だと休めず忙しいし、ちょうどいいあんばいにならないかな。(女性・40代)
● 年末年始は、どこでも混雑するから、コロナも心配だし行かない。高齢の家族と、のんびり過ごすのが1番! スマホゲームの友達とおしゃべりしたり、ゲームしたり出来るから、それで満足。(女性・40代)
● 混雑するので、どこも行きたくない。酔っ払っていたい。(女性・50代)
調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「年末年始の過ごし方」に関する意識調査を実施。期間:2022年10月24日~10月27日、インターネットで4,000人から回答を得ている。
意識調査Fromプラネットのサイトは→コチラ