ウエルシアグループ(ウエルシア薬局・よどや)と化粧品メーカー・ウテナが、高知県と包括連携協定を結び、ゆず産業を中心とした北川村の支援に取り組んでいる。2022年11月17日に支援活動の一環として、両社の社員が北川村でゆず果実の収穫をサポートした。
高知県北川村は、江戸時代からゆずの栽培を続ける日本有数のゆずの産地。日本で初めて青果の状態でEUへ輸出するなど、その品質の高さが評価されている。しかし、人口減少とゆず農家の高齢化・後継者問題など、今後のゆず産業には様々な課題があるのが実情だ。人手不足で、収穫時期に実を獲りきれないまま時期を終えなければならない年もあるという。
両社は2019年から、ゆず果実の収穫支援を実施している。北川村ゆずを使った商品を開発・販売している企業として、その商品に関わる産地が永続的に生産に取り組めるよう支援を続けている。今回の収穫支援では、両社の社員が農園の方に指導を受けながら収穫に参加した。
この取り組みについて、北川村産業政策課は「北川村のゆず農家は高齢化が進んでおり、普段の栽培はもちろん、収穫の作業は大きな負担になっています。村として、サポートいただく人材集めや、その受け入れ体制の構築が課題だと感じています。今回のように企業の方にご参加いただく機会を通して、支援の輪を広げるノウハウを蓄積していきたいです。また、このような活動でたくさんの方に北川村を身近に感じていただくことができればと思います」と話す。
ウエルシアグループ関係者は「ドラッグストアはお客さまに商品をお届けする仕事ですが、このように生産者の方の視点に立って考えることができるのは、とても良い機会だと感じました。中山間地の人口減少は日本全体で問題になっており、誰かがそこにフォーカスして地域を活性化していく必要があると感じています。収穫ボランティアのような非日常の体験をきっかけに、社員一人一人が関心を持てるようにしていきたいです」とポジティブな思いを語る。
ウテナ関係者は「実際に収穫をしてみると、ゆずの木のとげに阻まれたり、高いところの実の収穫は想像以上に過酷なもので、生産者の方の苦労をリアルに感じることができました。これまでも素材を商品に活用することで関わってきましたが、改めて包括連携協定のもとに北川村を支えていく一員なのだと実感しました」と問題意識を高めた。
ウテナは北川村産のゆずを使用したヘアケアブランド「ゆず油」を展開している。限定品の売上1本につき 50 円を、ウテナから高知県北川村に寄付している。寄付金は農園整備に使用する農業機械の購入に活用される。園地を整備することで、農業機械を活用した省力化栽培を実現でき、生産性の向上や経営規模の拡大につなげることができる。
●ゆず油ブランドサイト https://www.utena.co.jp/yuzu-yu/
さらに両社は「北川村の良質なゆずを全国の人に知ってもらいたい」という北川村立北川中学校の生徒の想いを受け、2022年11月1日に「両社がサポートして共同開発した商品を上市している。
●ユトワ 洗顔石けん 紹介ページ https://www.utena.co.jp/news_campaign/yutowa_20221101.html