「突然、我慢できないほど強い尿意を感じる」「トイレが近い」…こうした排尿トラブルに、クランベリー由来の成分が役立つ可能性が見えてきた。
関西医科大学の研究チームは10月6日、クランベリー由来成分の継続摂取が、突然の強い尿意や頻尿など「過活動膀胱」の症状を緩和する可能性を示す研究成果を発表した。研究では、過活動膀胱の症状がある若い女性25人(年齢中央値23歳)を対象に、クランベリー成分を含むサプリメントを摂取する12人と、有効成分を含まない比較用食品を摂取する13人に分け、4週間にわたり症状の変化を調べた。
クランベリー成分には、ポリフェノールの一種である「プロアントシアニジン」を使用。1日当たり36mgを摂取してもらい、昼夜の排尿回数や突然の強い尿意、尿漏れなどを点数化して比較した。その結果、症状スコアの減少率はクランベリー摂取群で66.7%、比較群で40.0%となり、統計学的にも意味のある差が認められた。
表:4週間の継続摂取による症状スコアの減少率
| 試験グループ | 減少率(中央値) |
|---|---|
| クランベリー摂取群(12人) | 66.7% |
| 比較群(13人) | 40.0% |
※症状を点数化したスコアの減少率を比較したもの。症状が改善した人数の割合ではない。
今回の研究では、尿に存在する細菌の種類や割合にも注目した。分析の結果、クランベリー摂取群では、乳酸菌の仲間である「ラクトバチルス属細菌」が尿中の細菌全体に占める割合が低下していた。一般に乳酸菌は健康に役立つ菌として知られるが、尿路では一部の菌種が炎症などに関係する可能性も指摘されている。研究チームは、尿中の細菌バランスの変化が、排尿症状の緩和に関係している可能性があるとみている。
研究で使用されたクランベリー素材は、マルカイコーポレーションが関西医科大学に無償提供した。研究成果は10月7日、国際学術誌「Frontiers in Cellular and Infection Microbiology」に掲載された。排尿に関する健康課題に対して、食品成分からアプローチする新たな可能性を示した研究として、今後の展開が注目される。なお、今回の試験は25人を対象とした初期段階の研究で、市販のクランベリー製品の有効性や病気の治療効果を証明したものではない。今後、より大規模な研究による検証が期待される。
出典:関西医科大学プレスリリース(2026年10月6日)