今やペットは家族の一員。子供以上にに愛でる夫婦も大勢いるだろう。日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット (坂田政一社長) が好評公開中の『Fromプラネット』 の今回(第237号)は、ペット、特に犬に関する意識調査を実施。食事やグッズの事情からペットの葬儀まで、現代のペットとの向き合い方がわかる興味深い調査となっている。
今回はペット、特に犬に関する意識調査を実施した。(前回はVol.178「ペット(犬)」として、2022年3月に調査を実施。また、Vol.216では「ペット(猫)」として23年12月に調査。)まず、犬派か猫派かを聞くと(図表1)、「犬派」が31.1%、「猫派」が20.2%、「どちらも同じくらい好き」が21.1%となった。「犬派」と回答した人は、男女ともに年齢が高くなるほど割合が高くなる傾向があり、逆に「猫派」と回答した人は、年齢が低くなるほど割合が高い傾向がある。
①「ペット」と聞いて、最初に思い浮かべるペット、②現在飼っていないが、過去に飼ったことがあるペット、③現在飼っているペットを聞いた(図表2)。「ペット」と聞いて、最初に思い浮かべるペット、現在飼っていないが、過去に飼ったことがあるペットについては、どちらも犬のほうが猫より割合が高かったが、現在飼っているペットについては、犬も猫も、どちらも10.3%と同じ割合になっている。
現在、犬を飼っている人を対象に、普段、どのような食事を与えているかを聞た(図表3)。最も割合が高いのは「市販のドライフード(総合栄養食)」の84.0%。これに「市販のおやつ・スナック(ペースト状おやつを除く)」(47.8%)、「市販のウェットフード(総合栄養食)」(34.7%)、「市販のペースト状おやつ」(33.0%)と続く。「手作りのフード・おやつ」(15.0%)、「人間と同じ食事やおやつ」(7.5%)となっていた。
飼い犬の食事代を聞くと(図表4)、最も割合が高いのは「3,000円台」(21.1%)で、次いで「5,000円台」(17.5%)で、だった。「5,000円台以下」を合計すると67.9%と、約7割になっている。一方で、「8,000円以上」という人も15.8%いた。今回の調査は「1頭当たり」の食費を聞いておらず、頭数に応じて食費が高くなっている可能性もある。
犬に限らずペットを飼っている人に、ペットの健康に配慮したペットフードを利用してるか、利用したことがあるかを聞くと(図表5)、「利用していない・使用したことがない」人が30.6%となった。使用しているもの・利用したことがあるもののうち、最も割合が高かったのは「健康サポート効果のあるもの」(28.6%)で、2位は「国産・無添加・オーガニック素材」(25.5%)。効用だけでなく素材を意識する人も少なくない模様。また3位は「シニア向けフード」(21.3%)。高齢のペットを飼っている人がそれなりにいることが伺えた。
犬を飼っている人を対象に、犬の食事やグッズをどこで購入しているかを聞いた(図表6)。食事(52.4%)、グッズ(49.5%)ともに、最も割合が高かったのは「ホームセンター」となった。2位以下は順番が異なり、食事の場合は「ネット通販」(38.6%)、「ペットショップ」(35.7%)、「スーパー」(25.9%)、「ペット用品店」(17.0%)と続いた。
グッズについては「ペットショップ」(39.8%)、「ネット通販」(34.7%)、「ペット用品店」(26.9%)、「スーパー」(14.3%)の順。グッズについて、食事と比べてペットショップやペット用品店の割合が高いのは、取扱商品のバラエティを期待していたり、現物を確認して購入したいと考えていたりすることの表れとも言える。
どちらの項目についても、「ネット通販」に関しては、女性のほうが15ポイント近く高い割合に。逆に「ホームセンター」や「スーパー」では男性のほうが割合が高かった。家族でペットを飼っている場合、ネットで注文する担当は女性、実店舗で購入するのは男性、というように、役割分担をしているのかも知れない。
現在、ペットを飼っている人を対象に、ペットが亡くなった際の供養について考えているかを聞いたところ(図表7)、「考えている供養はない」という人は25.4%で、残りの約3/4は何らかの供養を考えていた。供養のなかで最も割合が高かったのが「家族立会での個別ペット火葬」(24.8%)、次いで、「自宅での土葬」(17.9%)だった。
ペットの種類や大きさ、あるいは戸建てや持ち家ではないなど、そもそも土葬が非現実的な場合もあるが、ペットの火葬がかなり普及していて、自分のペットも火葬することを考えている人がかなり多いことが伺える。また、火葬後に、ペット霊園や納骨堂へ納めることを考えている人もそれなりの割合となっている。
ペットを飼ってよかったことや、ペットとの思い出、悩みなど、自由回答で教えてもらった。ペットを飼っている人、飼ったことがある人にとって、良い思い出も大変だった思い出も、大事な記憶になっているよう。また、災害時の対応や、自分の年齢を考えてペットとの付き合い方に悩む人もいるようだった。
【犬や猫だけじゃない】
● うさぎを飼っていたが、癒やしで散歩に行くのが楽しかった。うさぎにハーネスをつけて遊ばせていたら、通りかかった人に二度見されたのが面白かった。(女性・30代)
● 子どもの頃は、家に犬や猫、ヤギ、牛などがいて楽しかった。(男性・70代以上)
● グッピーのお産は感動的だった。(男性・70代以上)
● かつて、宇宙一可愛い文鳥と過ごせて幸せでした。(女性・30代)
● ハリネズミを飼っているが、飼いやすいし癒される。ハムスターと同じように夜行性で夜に回し車を使う。ほとんど気付かずに寝ているが、時々気になることもある。(女性・30代)
【家族の一員だった】
● 母子家庭で育ったので、家族のように接して、生活の一部になっていた。(男性・50代)
● 子どもがいなかったので、ペットが子の役割を果たしてくれて、夫婦円満の支えになってくれました。(女性・70代以上)
● 子どもがひとりっ子なので、留守番やさみしい思いをさせないためもあり13年くらい飼っていた。病気で長く生きられなかったのを悔やんでいる。(女性・60代)
● 毎日の世話は大変だけど、そこにいてくれるだけで幸せだったし、自宅で帰りを待ってくれていることが、日々の生活の張り合いになった。もともと野良だったあの猫との思い出は忘れられない。(男性・50
【生き物を飼うことで学ぶことがある】
● 観賞魚を飼っているが、家族のちょっとした癒しになっているだけでなく、子ども達が生き物に対して優しい気持ちを持つようになった。(女性・30代)
● 母が「命の大切さを学んでほしい」と、ハムスターを飼ったことがあった。小学生ながら生き物の死に直面したのは貴重な経験。(女性・20代)
● 散歩はめんどくさいと思ったが、20代の頃に中型犬を飼ったことで、子育てと介護の基礎を学んだ気がする。(女性・60代)
【災害時にどうなるか心配】
● うさぎと暮らして5年。いつも黙って寄り添ってくれて、つらいときには本当に支えになりました。だけど災害時、避難生活となったときに守りきれるかどうか不安です。(女性・20代)
● 魚を飼っていたが、災害時に連れていけないため、何か起きた時どうしようという不安が常にあった。(女性・20代) (女性・60代)
【自分の年齢を考えると……】
● ペット可物件ではあるが、子どものいない夫婦世帯で60代を迎えたので、健康問題もあり終生世話をできる自信がない。以前は小鳥を飼っていたが、病気の治療にかなりの時間と費用がかかったので、年金暮らしでペットを飼うのは経済的不安もある。(女性・60代)
● ひとり暮らしになっても、ネコと一緒にいることで寂しさがまぎらわされた。そのネコが死んだときは一緒に行こうと思うほどつらかった。離れて暮らす子ども達の事を思って、踏みとどまり、保護センターから新たにネコを譲り受けた。私が死んだとき、この2匹のネコがどうなるのかだけが心配。(女性・70代以上)
調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「ペット(犬)」に関する意識調査を実施。
期間:2025年8月26日~8月28日、インターネットで4,000人から回答を得ています。
■株式会社プラネットとは https://www.planet-van.co.jp/ メーカー、卸売業、小売業がサプライチェーンとして連携し、生活者へのサービス向上を目指して進化を続ける日本の消費財流通を、情報インフラ運営で支えている上場企業(証券コード2391)です。
■ From プラネットとは https://www.planet-van.co.jp/shiru/from_planet/index.html株式会社プラネットが発信しているニュースレターです。消費財や暮らしに関する旬なトピックスなどをご紹介しています。