ヘルスケア情報サイト「Hoitto! ヘルスケアビジネス」(ヘルスケアワークスデザイン株式会社)

注目市場:OTC医薬品
世界初のPPIオメプラゾールを配合した「オメプラールS」



OTC市場成長に欠かせない国内需要活性化


ここ数年、OTC医薬品市場が好調な推移を見せている。マーケット調査会社・富士経済によると、2024年市場見込が7,105億円(前年比1.9%増)と増加傾向にあり、市場が冷え切った新型コロナのパンデミック時の2020年以降、5年連続での成長を遂げている。コロナ前の2019年は約6,700億円の市場規模だったものの、近年はこれを上回る規模となった。



この成長要因は、新型コロナの5類移行を受けて大幅に回復した2023年に引き続き、2024年に入っても訪日外国人の増加によるインバウンド需要の拡大でプラスの動きがみられたことが挙げられる。

実際にドラッグストア店頭を訪れると、特に繁華街立地や観光地立地では、訪日外国人客からの来店が多く、OTC医薬品を買い物かごに入れるような風景が当たり前のように見られる。OTC医薬品市場にこうしたプラス要素が働き、コロナ禍で凹んだ市場を底上げしている現況がある。

だが、富士経済による市場動向を中長期的に見ると、2027年以降は成長が鈍化し、微増微減を繰り返していくことが予測されている。このままインバウンドに頼ることを前提とした市場のままでは、予測不可能な国際問題やパンデミックが発生した際のリスクは避けられない。
OTC医薬品は国内需要の活性化していく必要があり、これを実現していくには、今日的なヘルスケアニーズに対応したOTC医薬品を断続的に上市していくことが不可欠。つまり、OTC市場の成長にはスイッチOTCが重要となる。


OTCの今日的ニーズに合致するPPI


こうした環境下、注目されながら要指導医薬品にスイッチしたPPI(プロトンポンプ阻害薬)である。昨年12月に開催された厚生労働省・薬事審議会「要指導・一般用医薬品部会」で、オメプラールS及びサトプラール(佐藤製薬)、パリエットS及びパリエット10(エーザイ)、タケプロンs(アリナミン製薬)の3成分が要指導医薬品への指定が承認された。

PPIは、酸分泌の最終過程を担うプロトンポンプを阻害することで、胃酸の分泌を抑制し、胃痛や胃酸の逆流などによる胸やけに効果を発揮する成分。特に胃酸の逆流は、ストレスが起因するケースがあり、自律神経が乱れると胃酸の分泌量や分泌のタイミングが変化してしまい逆流を引き起こしやすくなる。これが慢性化してしまうと逆流性食道炎に発展する可能性もある。

インテージリアルワールドの調査で、PPIの医療用医薬品市場での動き見ると、2025年7月の PPI 推計処方患者数は約 638 万人となり、この患者数でいかにPPIのスイッチOTC化は今日的ニーズに合致していることが理解できる。ストレスを抱えながらも多忙な生活を送る現役世代においては非常に有意義であり、医療費・薬剤費の抑制への寄与も期待できるだろう。


1日1回1錠で24時間効果が持続「オメプラールS」


今回「オメプラールS」(要指導医薬品)のメーカー・佐藤製薬に取材した。「オメプラールS」は、世界初のPPIオメプラゾールを配合した胃腸薬であり、8月5日に新発売された。


「オメプラールS」(要指導医薬品)


小粒で飲みやすい錠剤


「オメプラールS」は、有効成分オメプラゾールが胃酸分泌の最終過程を担うプロトンポンプを阻害することで、胃酸の分泌を抑制し、胃痛や胃酸の逆流などによる胸やけに効果を発揮。1日1回1錠で24時間効果が持続、食事のタイミングを気にせずにいつでも服用できる利便性の高さを持つ。


PPIの「オメプラールS」は胃酸を出す“プロトンポンプ” そのものの働きを止めることで、胃酸の分泌を元からブロックする


オメプラゾールは、これまでにない新たな作用機序の強力な胃酸分泌抑制剤の開発を目的に、1967年より研究が開始され、20年もの年月を経て、ようやく1987年にフランスで医療用医薬品として世界で初めて承認されたPPIだ。現在、有効性・安全性が幅広い国で認められ、世界110ヵ国以上で承認、OTC医薬品として37ヵ国で販売されている。これまで、世界で約385億錠の使用実績があるほどだ。

佐藤製薬は「オメプラゾールを日本国内で初めてスイッチOTC化し、医療用と同量配合の「オメプラールS」として発売いたしました。これにより従来は医療機関での処方が必要だった本剤を、処方せんなしで全国の薬局やドラッグストアにてご購入いただけるようになりました」と話す。

発売と同時に「オメプラールS」のブランドサイト(https://www.sato-seiyaku.co.jp/omeprals/)をローンチ。製品の詳細情報に加え、医師が監修した上で「PPIとH2ブロッカーとの違いは?」「そもそも胸やけって何?」などの疑問に答える「胃とくすりの知恵袋」、胃の症状をセルフチェックできる「症状チェック」などコンテンツが充実している。

また「オメプラールS」のブランドキャラクターには稲垣吾郎さんを起用し、新TVCM『オメプラール教授「世界初のPPI」』篇が8月1日から全国一斉にオンエアしている。こちらもブランドサイトで視聴できる。