一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が7月29日(火)にJACDS本部で「第25回JAPANドラッグストアショー 実行委員長記者会見」を開いた。ショーのテーマは「地域の皆様に最高の未来をお届けする―ドラッグストアでセルフメディケーションNEXT25」であり、会見にオンライン参加した米原まき実行委員長(エバグリーン廣甚株式会社代表取締役社長)は「ショーの運営に若手経営者が携わっており、ドラッグストアの次の25年〝NEXT25〟を、業界関係者とともにお客様に示していく」を力強く宣言した。また、JACDS幹部の各々が、今回のショーの見どころをそれぞれ語った。(取材=中西陽治)
「第25回JAPANドラッグストアショー」が8月8日(金)~10日(日)の3日間、東京ビッグサイト東4~7ホールで開催される。開催に際して記者会見に臨んだ米原まき氏は女性初の実行委員長として、25回目となるドラッグストアショーに込めた思いを語った。
米原実行委員長は「ドラッグストアがそうであるように、ショー自体も女性のお客様が多く来場していただいている。女性目線で求められるのは〝美と健康〟がテーマであること。ビューティーゾーンが例年盛り上がりを見せているのはその証でもある」と、分析する。
その上で「女性の美しくなりたいという願望は、25年後にはさらに大きくなるだろう。この〝美〟の分野は、商品やサービスも常に進化しており、例えば25年前と今のドラッグストアショーでも見せ方や商品軸が進化し続けている。このドラッグストアにおける〝美と健康〟の現在地と、25年後を見据えた新しいソリューションが3日間にわたり発信される」と熱意を込めた。
女性の〝美と健康〟に関する新しい価値「フェムケア」に関しては、「ショーでも『フェムケア』カテゴリーの創出に力を込めており、市場も年々伸びている。ただ、まだ認知が十分ではない、という捉え方もある。特に女性で更年期に悩む方が常にいる中で、ドラッグストアで対応できる分野は多くある。今回は〝ドラッグストアに行けば女性の悩みに対処できるものがある〟と頼ってもらえるような商品・サービスを披露する」と米原実行委員長は語った。
なお、ショーの出展社数は400弱で、昨年と横ばいかそれ以上を見込んでいる。来場者については昨年、初日の台風の影響を受けながらも3日間で97,944 人を集客した実績を踏まえ「昨年の目標だった7万人、と言いたいところだが、全実行委員から寄せられた〝昨年を超える規模に〟という熱い想いに突き動かされ、10万人に照準を定めている」と、実行委員が一丸となってショーを盛り上げている姿を話した。
実行委員長記者会見に先んじて開催された「JACDS記者会見」では、参加した理事からも「第25回JAPANドラッグストアショー」の見どころが紹介された。(回答順に記載)
根津孝一副会長(株式会社ぱぱす取締役会長)
ショーをドラッグストアの一大イベントとして捉え、一日中楽しんでもらえるようキッチンカーを強化している。今回、会場となる東京ビッグサイトのホール工事に伴い飲食店が一部閉店しているが、キッチンカーを多く用意し、初めてアルコールの提供も行う。冷えた飲料を提供するには製氷機などコストがかかるため、今まで行ってこなかったが、今回新しい挑戦としてショーを盛り上げていく。
塚本厚志会長(株式会社マツキヨココカラ&カンパニー代表取締役副社長)
JACDSが掲げている『NEXT25』という言葉を、若手経営者が自発的に発信する機運が醸成されてきた。これからのドラッグストア業界の25年を今の30~40代の方々がどのように盛り上げていくか、という点に興味が集まっている。そこで8月8日(金)の10時より『これからのドラッグストアの話をしよう~セルフケア・セルフメディケーション推進とNEXT25』と題したパネルディスカッションを行う。ここに新進気鋭の若手経営者に集ってもらい闊達な意見を述べてもらう。これは将来に向けた業界の発展やウェルビーイング貢献への原動力となるだろう。
亀ヶ谷博之副会長(株式会社カメガヤ代表取締役社長)
ショーにはメーカーさんやサービス提供社が多く参加している。私が注目しているのはこれらをサポートしているベンダー企業の存在だ。例えばリテールメディア的な活動に関してもベンダー企業から非常に興味深い話を聞ける。DXを支えるIT系やサポート系のショーへの出展は近年目覚ましく、SNSを駆使したドラッグストア機能の発信などにも注目してほしい。
貞方宏司副会長(株式会社サンドラッグ代表取締役社長CEO)
開催前・会期中とSNSを使ったアピールを行っており、昨年と比べても集客に関してその違いが表れている。特に一般デーでは、今までと違った属性を持ったお客様のニーズと行動が顕著になってくる。このあたりは出展企業にも期待してほしい。個別のゾーンに関しては『食と健康ゾーン』において、今回新たに食系卸企業とタッグを組み、冷凍食品の試飲試食を行う。冷凍食品は今やドラッグストアに欠かせない食領域であり、ブラッシュアップされたゾーンの見どころと言える。
関口周吉副会長(株式会社龍生堂本店代表取締役社長)
毎年実施している『こどもやくざいし体験』が今年は規模を拡大して行われる。昨年はお祭り広場とリンクした縁日のような形で実施したが、2025年は職業体験としてより具体的な体験が行えるようになった。『こどもたちあつまれ!お楽しみ!チャレンジパーク』の『お仕事体験コーナー』で開催される『こどもやくざいし体験薬局』で、今回新たに什器を作成し〝薬局らしさ〟を強調した。この『こどもやくざいし体験』は各社の就職面談の際、この体験のことが頭に残っていて薬剤師を目指した、という人も実際にいる。夏休みのお子さんの思い出にはもちろん、大人の方にも薬剤師の役割を示す体験となっている。
会期 | 2025年8月8日(金)・9日(土)・10日(日)3日間開催 10:00~17:00 (8月8日~10日商談日、8月9日~8月10日一般公開日) |
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会場 | 東京ビッグサイト 東展示棟 4・5・6・7ホール |
主催 | 一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(JACDS) |
協賛 | オールジャパンドラッグ株式会社/株式会社ニッド・日本ドラッグチェーン会 |
後援 | 厚生労働省、経済産業省、環境省、文部科学省、東京都、江東区、公益社団法人日本薬剤師会、一般社団法人日本保険薬局協会、一般社団法人日本医薬品登録販売者会、公益財団法人日本ヘルスケア協会、一般社団法人日本私立薬科大学協会、中国医薬商業協会(CAPC)、全米チェーンドラッグストア協会(NACDS)、香港貿易発展局(HKTDC)、台湾貿易センター(TAITRA)、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)、日本一般用医薬品連合会、日本OTC医薬品協会、日本ジェネリック製薬協会、日本化粧品工業会、公益財団法人日本健康・栄養食品協会、一般社団法人ペットフード協会、株式会社プラネット |