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【レポート】アサヒG食品「骨こつケア」リニューアル発表会

「骨密度」「腸内環境」に「ひざ関節サポート」機能加わる

 アサヒグループ食品が2月17日の機能性表示食品「骨こつケア」のリニューアル発売に合わせて都内で商品発表会を行った。「骨こつケア」は、アサヒグループ独自の「枯草菌(バチルス・サブチルス)C-3102株」を機能性関与成分として「加齢とともに低下する骨密度を高めるのに役立つ」「腸内環境を整えるのに役立つ」を表示するサプリメント。2019年に同社ECサイト「カルピス健康通販」で発売開始し、販売数300万個(2023年末時点)を誇るヒット商品だ。 このほど「枯草菌 C-3102株」より「ひざ関節の動きや違和感軽減をサポートする機能」を確認し、トリプルヘルスクレームを有する商品としてリニューアル発売された。同社ECサイトの〝中核商品〟と言われる「骨こつケア」の刷新ポイントと、それを支えるアサヒグループの乳酸菌研究について、コンシューマ事業本部ダイレクトマーケティングの横手努部長と緑寿美子氏が語った。(取材=中西陽治)

100年にわたる乳酸菌研究から生まれた「枯草菌 C-3102株」

横手努氏

 発表会に登壇したコンシューマ事業本部ダイレクトマーケティング部長の横手努氏は「アサヒグループ食品はベビーフードから介護食まで幅広く事業を展開している『多刀流』の会社です。その中でも各カテゴリーで上位のシェアに位置するブランドを複数持っており、多くの属性のお客様のライフステージに寄り添った多様な商品を提供しています」と語る。(参考記事:インタビュー・アサヒグループ食品 川原浩社長

 アサヒグループ食品は「私たちは『おいしさ+α』を追求し、『心とからだの健やかさ』の実現に貢献する企業を目指します」を長期ビジョンに掲げている。横手氏は「『心とからだのすこやかさ』はライフステージによって変化します。その課題解決に対し、『骨こつケア』はアサヒグループが有する素材を活用した健康提案に当たります」と発表会の骨子について述べた。
 グループが有する素材は〝ビール醸造に必要な酵母や発酵技術から生まれた「酵母素材」〟と〝カルピスに始まる100年にわたる乳酸菌研究で培われた『乳酸菌素材』〟の2つに大別される。
 酵母素材は「エビオス錠」や酵母エキス原料の「HYPER MEAST(ハイパーミースト)」に用いられている。
 乳酸菌素材は「L-92 乳酸菌」(参考記事:L−92乳酸菌で免疫市場を開拓)や「CP2305ガセリ菌」といった素材から「免疫ピース」や「Dear Natura GOLD」「わたしプロローグ」(参考記事:日本初〝月経〟訴求の機能性発売/アサヒG食品)といった機能性表示食品を展開している。

 この乳酸菌素材を用いた商品ラインアップを同社ECサイト「カルピス健康通販」を通じて提供しており、今回の「骨こつケア」もそのラインアップの一つだ。
 グループの発酵生産物研究は理化学研究所との共同研究(1972年)から始まり、腸内フローラ・ラボラトリー設立(1987年)より有用乳酸菌の研究へと発展。長年の研究により「ラクトトリペプチド」「乳酸菌CP1563株由来10-HOA」「L-92乳酸菌」「CP2305ガセリ菌」といった機能性関与成分としての乳酸菌を発見してきた。
 その研究成果の一つが「枯草菌C-3102株」である。

横手氏「『骨こつケア』は通販事業の中核商品」

リニューアルした「骨こつケア」

 横手氏は「『L-92乳酸菌』は健康な人の免疫機能の維持に加え、ホコリやハウスダストによる鼻の不快感軽減に役立つ乳酸機としてビール、飲料を加えたアサヒグループ3社横断で商品化を進めています。また『CP2305ガセリ菌』は精神的ストレスの緩和、睡眠の質向上といった現代社会の健康課題に即した機能性を有する乳酸菌です」と乳酸菌素材の紹介を行った。
 
 そして「今回の『枯草菌C-3102株』が含まれる『骨こつケア』は、ご高齢の方を中心に好評いただいている商品で、現在『カルピス健康通販』の中核を担う商品です」とリニューアル発売に対する意気込みを語った。

臨床試験で示された機能  骨密度×ひざ関節は世界初

緑寿美子氏

 「枯草菌 C-3102株」は乳酸菌飲料「カルピス」由来の研究から発見された菌で、味噌や醤油のもろみなどにも含まれている。納豆菌も枯草菌に分類され、日本人になじみ深い菌だ。「枯草菌 C-3102株」は、骨密度とひざ関節に関する機能が報告された世界初の菌となる。
 「骨こつケア」のリニューアルのポイントについてコンシューマ事業本部ダイレクトマーケティング部の緑寿美子氏が説明を行った。
 「骨こつケア」に含まれる「枯草菌C-3102株」の臨床試験では、摂取群の腸内細菌叢全体の中でビフィズス菌と酪酸産生菌の占有率が優位に増加。これにより腸内環境を整えるのに役立つ機能を明らかにした。
 緑氏は「千差万別の腸内細菌叢を整えるために外部から善玉菌を取り入れるのではなく、もともと腸内にいるビフィズス菌や酪酸産生菌を増やすことで腸内環境を整えるというメカニズムです」と語る。
 2つ目の臨床試験結果では、「枯草菌C-3102株」を24週間接種したところ大腿骨の骨密度が優位に上昇するという結果をもたらした。「大腿骨は骨の付け根から膝の間にある太い骨で、体を支えるために重要な役割を果たします。この臨床結果から全身の骨密度を反映していると考えられるのです」(緑氏)。

緑氏「ひざ関節への悩み受け、枯草菌の可能性に着目」

 骨密度に関わる骨量(骨を形成する成分の量)は加齢とともに減少し、特に女性は閉経を迎える頃から骨量が急激に減少する傾向にある。
 緑氏は「これまでの『骨こつケア』は特に60代女性の方にご利用いただいていました。お客様のお声の中に骨密度に関する悩みに加え『ひざ関節に関する悩み』をいただくことが多かったことから、『枯草菌C-3102株』のひざ関節に関する研究を進めてきたのです」と今回のヘルスクレーム追加への経緯を説明した。
 臨床試験において、ひざの動きに違和感があるが検査で異常がない健康な成人が、「枯草菌C-3102株」を12週間接種したところ、ひざ関節の動きや違和感に関するスコアが改善された。
 ひざ関節の違和感が生じる原因として、軟骨のすり減りにより違和感の原因物質が増加する。さらに骨を壊す「破骨細胞」が活性化し、骨の中の神経が先端まで伸びることでひざ関節に問題が生じる。
 これらひざ関節の違和感に対し、『枯草菌C-3102株』は腸内の善玉菌を増やすことで原因物質の産生を抑制。同時に「破骨細胞」の活性化も抑制されるため、ひざ関節の違和感をサポートすると考えられている。

「お客様の〝動きを支える〟」「悩みに応えるための研究」

 この臨床結果から「ひざ関節の動きや違和感軽減をサポートする機能」という新たなヘルスクレームが加えられ、横手氏が「通販事業の中核商品」と位置付ける「骨こつケア」は3つのヘルスクレームを有する機能性表示食品として刷新された。
パッケージは健康な骨のイラストを全面に出し、ひざ関節の機能もアピール。機能感や明るい未来を連想させるデザインに仕上がっている。さらに機能が追加されたものの価格は据え置きとなっている。

 緑氏は「骨こつケア」のリニューアルに対し「早めの段階からケアを行っていただきたい思いから、50代ごろの方にも興味を持っていただけるようなデザインを目指しました。今回のリニューアルにより、骨密度だけでなくひざ関節をサポートすることでさらに多くの方の〝動きを支える〟商品でありたいと思っています」と思いを語ってくれた。
 横手氏は「『骨こつケア』をどのような商品へと発展させていくかは部内でも非常に議論しました。ですが、私たちは人の体を支えるうえで一番重要なのが『骨』だと思っていますから、その根幹は揺るぎませんでした。『いつまでも元気で歩きたい。だから骨密度を高めたい』と思っているお客様が『ひざ関節の違和感』にも悩みを抱えていらっしゃる。それを『枯草菌C-3102株』で解決できないかという思いから機能性の研究を進めてきました。お客様のお声に耳を傾け、その声に応える商品として『骨こつケア』があるのです」とビジョンを示してくれた。


新「骨こつケア」商品概要
商品名:骨こつケア
内容量:30日分(一日摂取目安量3粒)
販売価格:4,860円(税込)
販売チャネル:カルピス健康通販
機能性関与成分:枯草菌(バチルス・サブチルス)C-3102株
届出表示:本品には生きた枯草菌(バチルス・サブチルス)C-3102株が含まれ、加齢とともに低下する骨密度を高める働きと、ひざ関節の動きや違和感軽減をサポートする機能があります。また、枯草菌C-3102株には、腸内にもともといる善玉菌(ビフィズス菌、酪酸産生菌)を増やすことで腸内環境を整えることが報告されています。
発売日:2025年2月17日



読み方:「枯草菌(こそうきん)」