2024年11月25日から12月1日にかけて、韓国・釜山で、プラスチック汚染を根絶するための国際条約文書制定に向けた最終の第5回政府間交渉委員会 (INC-5) が開催されたが、合意には至らないまま中断し、2025年に再開することとなった。
WWFの声明ポイントは以下の通り:
2022年3月の国連環境総会UNEA5.2 で、各国政府は、政府間交渉委員会(INC)を立ち上げ2024年末までにプラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際条約の文書を策定することに全会一致で合意していた。しかし、その最後の機会となるはずだった今回のINC-5では、条約の文書をまとめることができなかった。
焦点となった生産段階での国際規制につき、汚染により特に大きな被害を受ける島しょ国、中南米、アフリカ等の途上国や、ヨーロッパやオセアニア等先進国を含む約100か国が、問題のあるプラスチックや懸念のある化学物質を期限付きで禁止することなどを求めたが、一部の国の強硬な反対により、議論が収束しなかった。よって条約制定は、2025年に先送りとなった。
交渉の遅れは、人々の健康や自然環境への大きな脅威となる汚染をさらに拡大させることになる。WWFは、2025年に再開される交渉会議で、各国政府に、有害なプラスチック製品や懸念ある化学物質を禁止・段階的禁止するなど、特に緊急かつインパクトの大きい分野において、世界共通の法的拘束力のある措置に基づいた、野心的な条約を発足させるよう求める。
WWFジャパン サーキュラーエコノミ—・マネージャー 三沢行弘のコメント: 最終回となるはずだった今回の釜山での交渉でも、途上国を含む大半の国々が問題のあるプラスチックの禁止など生産段階での法的拘束力のある規制を含む野心的な条約制定を求めたにもかかわらず、合意に至らなかったのは残念だ。 私たちの健康や自然環境への大きな脅威となっているプラスチック汚染をできるだけ早く根絶するためには、ライフサイクル全体、特に生産段階で、法的拘束力のある国際ルールを早急に構築し、実行に移していくことが欠かせない。 たとえ条約ができたとしても、一部の国が求める、廃棄物管理に特化し自主的な措置に基づいたものであれば、プラスチック汚染を止めることはできない。 日本政府には、次回の交渉で、野心的な条約を求める大多数の国々の側に加わり、他国にも働きけていくことを求めたい。 |
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