チェーン薬局に向けて、処方箋送信側店舗と処方箋入力を代行する側の両プロセスを、同一法人内で実現する新しい処方箋遠隔入力サービスが始まった。提供元は、保険薬局向けソフトウェア開発の株式会社OZ。同一法人内の人財を活用し他店舗からの処方箋入力と医療事務員を集中させ、入力センター化する『Pas-IS(パシーズ)』だ。
OZは今年4月に設立され(https://www.oz-wa.co.jp/)、7月に処方箋入力代行サービス『ふぁーもっと』を販売し医療事務の専門スキルを持つスペシャリスト(同社オペレーター)による処方箋を入力する代行サービスを提供してきたが、「チェーン薬局内で完結したい」との要望が多く寄せられたことから新たなサービスをリリースした。
開発の背景について同社では、「同一チェーン薬局内のリソースを効率的に活用し、事務作業における負担を軽減し、より質の高い薬局運営が実現可能になります。当サービスによって、医療機関の労働人口の減少や事務員の採用難といった社会の課題に対応し、医療現場の効率化と品質向上を図ります」とコメントしている。
サービスは、店舗から処方箋を送り、代行入力をする他店舗(または入力センター)が処方箋を受け取る仕組み(これらに付随する各種サービス)。処方箋を受信する代行入力側は、複数の店舗から受信することを想定しており、処方箋の絞り込みや優先順を指定することができ(※特許取得済み)、レセコンを介さないためすべてのレセコンメーカーで使え、処方箋入力代行の効率化を進めるための各種データ集計やCSVダウンロードが可能で同一チェーン薬局内のリソースを最大化できるという。
OZは「Pas-IS」提供の目的を「医療事務員の有効活用や対人業務の充実を図るため、医療スタッフが本来の医療業務に集中できる環境を提供するとともに、求められる“地域住民を支える保険薬局”を目指し、労働人口の減少や、地方や離島の事務員採用難といった社会の課題を解決してまいります」としている。
導入効果(メリット)は次の通り。
(1)業務の平準化とリソース最適化―同一法人内で人財を効率的に配置し業務の平準化を実現
(2)突発的な業務ニーズへの柔軟対応―突然の人手不足や業務量の変動にも、遠隔操作で迅速に対応が可能
(3)患者対応への強化―業務負担軽減で店舗スタッフが今以上に患者対応に注力できるようになる
(4)持続可能な地域医療の実現―人手不足に悩む地方や離島の薬局も安定した運営が可能になる
(5)入力業務の集約により事務員の稼働効率を向上させ経営改善につながる
<利用イメージ>
処方箋送信店舗の操作方法:処方箋送信店舗は、処方箋受付時に写真撮影をするだけでスムーズな運用が可能/入力代行側店舗(または入力センター)では、送信された処方箋画像の確認ができる