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江崎グリコ「塩分過多解決への挑戦」を宣⾔/既存全商品の食塩量「1食1.5g以下」へ

“塩分調整とおいしさの極意”探究する試⾷会開催

江崎グリコは、現代社会における栄養課題の⼀つ「塩分過多」の解決に向けた取り組みとして、塩分調整対応したシリーズ商品を新たに発売するのではなく、⾷品事業の既存商品すべて※1 において、おいしさを追究しながら⾷塩相当量を WHO 基準の「1 ⽇ 5.0g 未満」をベースに、「1 ⾷ 1.5g 以下」※2 に⾒直す宣⾔をした。

厚⽣労働省の令和4年国⺠健康・栄養調査※3 によると、現代の⽇本⼈は WHO が定める基準の約 2 倍の量※4 の塩分を摂取している。その主な要因の⼀つとして、⽇本⾷は他国の⾷事と⽐較して、⽩⽶に合うおかずや醤油、味噌などの塩分濃度が⾼い調味料が多く、塩分過多になりやすいと考えられている。

そんな現代社会の⾷事において同社は、家族の健康に配慮しつつも“おいしい⾷事”を提供できるよう、⾷品事業の既存商品すべて※1 の⾷塩相当量を、WHO 基準の「1 ⽇ 5.0g 未満」をベースに、「1 ⾷ 1.5g 以下」※2 に⾒直す。塩分調整対応したシリーズ商品を新たに発売するのではなく、⾷品事業の既存商品すべて※1 において⾷塩相当量を⾒直すことで現代社会における栄養課題の⼀つ「塩分過多」の解決を目指す。

※1 防災備蓄⽤に提案している、「常備⽤カレー職⼈」シリーズや、⼤盛タイプの商品、「DONBURI 亭」箱シリーズを除く。なお、「カレー職⼈」「チャーハンの素」「洋風炒めご飯の素」の 3 ブランドについては、今後の実現を予定しています。
※2 調味料については調理前の1サーブ当たり 1.5g 以内。
※3 「令和 4 年国⺠健康・栄養調査報告」(厚⽣労働省)
※4 WHO(世界保健機関)が推奨する⾷塩摂取推奨量は 1 ⽇あたり 5.0g未満。「令和 4 年国⺠健康・栄養調査報告」によると、⽇本⼈の1⽇あたりの平均塩分摂取量は男性10.5g、⼥性 9.0g。

2024 年 11 ⽉ 28 ⽇に「塩分過多解決への挑戦」宣⾔イベントを開催。同社執⾏役員 健康イノベーション事業本部⻑ ⽊村幸⽣氏が、塩分調整に取り組む背景や、今後の狙いについて説明した。

その後、健康イノベーション事業本部 商品開発部 池⽥紀⼦氏は、「塩分量に配慮した商品開発」をテーマにプレゼンテーションを実施。「試⾏錯誤を重ねた結果、だし・⾹味野菜・⾹⾟料の組み合わせで旨味や⾹りを強化し、素材のおいしさを引き出すことで、塩分調整を⾏いながらおいしさを実現することに成功しました」と語り、塩分調整に対応する商品の詳細や、塩分を調整しながらおいしさを追究する開発ヒストリーを紹介している。

木村氏

続くトークセッションでは、⿇布「和敬」店主の⽵村⻯⼆⽒が登壇し、塩分調整の⼤切さや、塩分とおいしさとのバランスの難しさについて話し合い、登壇者や来場者に新旧の商品の違いを⾷べ⽐べてしてもらった。

冒頭⽊村氏は「江崎グリコは創業以来、『事業を通して社会に貢献する』という想いをもって⼈々の健康を⼤切にしてきました。皆様が毎⽇をすこやかに過ごし⼈⽣をゆたかに送っていただけるよう、⽇々の⾷卓に上がる商品からおいしさと健康に資する商品を提供したいと考え今回の取り組みに⾄りました。」と、企業としての覚悟を語っている。

池田氏

⼀⽅、池⽥氏は「開発には苦労もありました。私が当した「クレアおばさんのシチュー」では、塩味を減らすと味のメリハリやバランスが崩れることが分かり、開発に約 2 年をかけました。ただ、試作を重ねる中で、塩味を減らすと素材の味を感じやすくなるという発⾒があり、だしや⾹味野菜などで素材の風味が感じられるようなおいしさを引き出す⽅向に発想を転換しました。」と話した。

竹村氏

これに、和⾷のプロである料理⼈⽵村⽒は、「だしは⽇本料理でも重要ですが、料理はだしだけでなく、具材などの旨味も相まって最後のおいしさになると考えています。おいしさの極意を⼀⾔で⾔うと、“素材を知る”ということだと思います。」と意⾒を述べた。

【トークセッション登壇ゲスト】 ⿇布「和敬」 店主 ⽵村⻯⼆⽒

2018 年『ミシュランガイド広島・愛媛 2018 特別版』にて、愛媛県の⽇本料理店で唯⼀となる⼆つ星の評価を獲得。その後 2018 年 11 ⽉に東京・⿇布に「和敬」を⽴ち上げ、ミシュランガイド東京で⼀つ星を獲得(2021〜2024 年)。