ウエルシアホールディングスが、地域協働コミュニティスペースとしてドラッグストアの店舗に設置している「ウエルカフェ」=右上段写真=と、地域のコミュニティづくりを支援する移動販売車「うえたん号」=右下段写真=が2024年グッドデザイン賞を受賞した。評価コメントは以下。
ウエルカフェ=ドラッグストア店内の一角を利用したフリースペース。いわゆる休憩、イートイン機能だけでなく、自治体、行政機関との関係を構築し、活動やコミュニティの場となるよう活動している。必要に迫られて利用するドラッグストアのような場所で、偶然にも地域の活動と出会い、参加のきっかけにつながる、ということは大いに考えられ、新規でまちのどこかに場を設けるよりも、自然なかたちで不特定多数の人々に知られ、利用者としても抵抗感が少ないはずだ。地域の人々が、仲が良く元気だと、そのぶんビジネスフィールドとしても持続可能性が高くなる。今後イベントなどのコンテンツ以外に、デザインを含めた空間の居心地そのものが地域性を帯び、地域住民が享受だけでなく創造、提供する立場となると、より日常の豊かさにつながっていくと思う。
うえたん号= 大手ドラッグストアの移動販売車。だが食料品だけでなく医薬品を扱える点で、専門職へのオンライン相談サービスを備え、自ずと話題が生まれたり、ニーズの把握、見守りで観察すべき点も浮き彫りになりやすいと思われる。都心以上に地域のドラッグストアは、品揃えも総合的に網羅しており、生活を支える存在として期待値も高い。移動販売で商圏を広くとり、利用者の声をダイレクトに聞けることで、多業種との連携や地域性の高いサービスが生まれる可能性も高い。