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スズケン・浅野社長「業務効率化・最適化に向けデジタル活用を積極化」

医薬品卸大手のスズケンが統合報告書を発表し、浅野茂社長がコメントを出した。以下は一部を抜粋。

「社会保障費の増大が進む中、薬価の引き下げや仕入れ価格の上昇もあり、医薬品卸売事業は収益の確保が年々厳しくなっている。さらに、2024年度には物流・運送業の働き方改革が始まりまった。当社グループでは、このような環境下において、業務の効率化や、在庫管理・配送の最適化などに向け、デジタルを活用した自動化や省人化への投資を積極化していく。

2024年4月に稼働を開始した首都圏物流センターは、最新のロボット技術やAIを導入し、必要な医薬品を自動でピッキングし出荷までを自動化する機能を導入するなど、極限まで省人化を実現している。自動化による卸物流機能に加え、医薬品の製造業務を行うエリアやメーカー物流エリアを併設したことで、製品移動の最小化による配送リードタイムの短縮、輸配送コストやCO2排出量の削減などの社会コストの低減にもつながっている。将来、このような多機能な物流センターを中部と関西にも展開することを構想しており、現中期経営計画中に目途をつけるべく、立地などを検討しているところ。

また、医療機関・保険薬局向けに開発した、発注した医薬品の納期や代替品の在庫などをインターネット上で確認できる「納品予定お知らせサービス・納品予定アプリ」、需要予測による発注サポートを行う「発注提案アプリ」は、5万件以上のお得意さまに導入いただいている。アプリはお得意さまの業務効率化や不動在庫の削減のための仕組みであるとともに、当社グループの業務効率化にもつながっている。デジタル活用を進め、バックヤード機能を強化したことで、医薬品卸の営業担当者であるMSが本来の役割であるお得意さまとのつながりの拡大・強化に集中できるようになった。

さらに、設備投資に加え、協業による新たな価値創出を進めている。日本ではドラッグロスと呼ばれる国内未承認薬が問題となっている中、2024年5月に、協業するEPSホールディングスおよび武州製薬とパートナーシップ契約を締結し、日本における開発から製造販売承認申請、製造、販売、物流など、市場参入に必要なすべての業務をワンストップで提供できる体制が整った。新薬を待ち望まれている患者さまにいち早くお届けするべく、国内未承認薬の早期上市を目指している」