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【JACDS】物流適正化の自主行動計画まとめを公開

日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は「物流の適正化・生産性向上に向けた自主行動計画」をまとめ、8月1日(木)に公開した。本計画は、経済産業省、農林水産省、国土交通省により策定された「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」を踏まえてまとめられたもの。


「物流の適正化・生産性向上に向けた自主行動計画」

(1)実施が必要な事項
▶ 物流業務の効率化・合理化
①荷待ち時間・荷役作業等にかかる時間の把握
・物流センター、店舗など全ての拠点で、出荷、入荷にかかる荷待ち時間及び荷役作業等(荷積み・荷卸し・附帯業務)にかかる時間を把握します。
・なお、荷役作業等時間を区分けして把握することが困難な場合は、トラックの入退場時間をもって、荷待ち時間・荷役作業等にかかる時間とします。
※荷待ち時間とは
・各拠点が設定している開場時間以降で、「受付時間(予約時間)から荷卸し開始時間まで」を荷待ち時間とします。開場時間前に到着し、待機している時間は対象外とします。
②荷待ち時間・荷役作業等にかかる時間2時間以内ルール
・ゼロステップとして、発・着荷主、物流事業者間で荷待ち時間、附帯業務の定義(認識)を合わせます。
・第一ステップとして、それぞれの拠点で恒常的に2時間以上の荷待ち時間・荷役作業等にかかる時間が発生している場合は、発・着荷主、物流事業者が連携して時間短縮を図ります。
・第二ステップとして、目標時間を1時間以内と設定し、更なる時間短縮に努めます。
③物流管理統括者の選任
・社内および社外に対して実効性を発揮し、統括管理する責任者(役員等)を物流管理統括者として選任します。物流管理統括者は、物流適正化・生産性向上の取組を総合的に実施します。
④物流の改善提案と協力
・商取引契約において物流に過度な負担をかけているものがないか検討し、改善します。
・また、取引先や物流事業者から、荷待ち時間やドライバー等の手作業での荷積み・荷卸しの削減、附帯業務の合理化等について要請があった場合は、真摯に協議に応じるとともに、自らも積極的に提案を行います。
▶ 運送契約の適正化
⑤運送契約の書面化
・運送契約は、書面またはメール等の電磁的方法を原則とし、適切に締結します。
⑥荷役作業等にかかる対価
・物流事業者に適正な料金が支払われるよう、発・着荷主が協力して、荷役作業等(荷積み・荷卸し・附帯業務)の定義(認識)を合わせ、支払う者を明確化し、適正な料金を支払います。
⑦運賃と料金の別建て契約
・運送契約は、「運賃」と運送以外の役務等の対価である「料金」の別建て契約を原則とします。
⑧燃料サーチャージの導入・燃料費等の上昇分の価格への反映
・物流事業者から燃料サーチャージの導入、燃料費の上昇分や高速道路料金の実費を料金に反映することを求められた場合には、協議のうえ、適切に転嫁します。
⑨下請取引の適正化
・自ら運送契約を行う場合は、当該契約における下請状況等を把握し、特段の事情なく多重下請による運送が発生しないよう留意します。
▶ 輸送・荷役作業等の安全の確保
⑩異常気象時等の運行の中止・中断等
・台風、豪雨、豪雪等の異常気象が発生した際やその発生が見込まれる際には、無理な運送依頼を行いません。
・ドライバー等の安全を確保するため、運行の中止・中断等が必要と物流事業者が判断した場合は、その判断を尊重します。


(2)実施することが推奨される事項
▶ 物流業務の効率化・合理化
①予約受付システムの導入
・物流センターにおいて、荷待ち時間短縮の効果が見込まれる場合は、予約受付システムの導入を推進します。
②パレット等の活用
・パレット、台車、折りたたみコンテナ、通い箱等を活用した納品を推進し、荷役時間等を削減します。
・物流センター等における一定量以上の納品は、パレットによる納品への切り替えを推進し、手作業での荷役作業の削減に努めます。
・取引先や物流事業者からパレット等の活用について提案があった場合は、協議に応じるとともに、積極的なパレット等の活用を検討します。
③入出荷業務の効率化に資する機材等の配置
・物流センターでは、フォークリフト等の機材や作業員の不足による荷待ち時間が発生しないよう、荷役に必要な機材・人員を適正に配置します。
・また、入出荷業務の効率化を進めるため、デジタル化・自動化・機械化を推進します。
④検品の効率化・検品水準の適正化
・ASN(事前出荷情報)を活用した検品レス化を推進し、検品に伴う拘束時間を削減します。
・検品頻度を削減するため、特性(出荷量、在庫量)に応じた出荷単位を設定します。⑤物流システムや資機材(パレット等)の標準化
・物流にかかるデータ・システムの仕様や資機材の規格等について標準化を推進します。
・パレットの活用に当たり、平面サイズ1,100mm×1,100mm のプラスチックパレッ
ト(T−11型)を標準とし、優先的に検討します。
・物流にかかるデータ項目の標準化に当たっては、「物流情報標準ガイドライン」を参照し、ガイドラインのメッセージに準拠するなど、他データとの連携ができるよう留意します。
⑥輸送方法・輸送場所の変更による輸送距離の短縮
・輸送距離の短縮、ドライバーの拘束時間削減のため、サテライト拠点からの店舗配送を検討します。
⑦共同輸配送の推進等による積載率の向上
・積載率の向上を図るため、エリア別、方面別などの共同店舗配送、納品センターからの引き取り物流の活用を検討します。
▶ 運送契約の適正化
⑧物流事業者との協議
・自ら運送契約を行う事業者は、(最低限)年1回は物流事業者と契約条件に関する協議の機会を設けます。
⑨高速道路の利用
・ドライバーの拘束時間短縮が見込める場合は、高速道路の利用を検討します。
・必要に応じて、指定着荷時間や配送ルートの再設定を検討します。
⑩運送契約の相手方の選定
・契約する物流事業者を選定する場合は、関係法令の遵守状況や輸送の安全性向上の取組状況を重視します。
▶ 輸送・荷役作業等の安全の確保
⑪荷役作業等時の安全対策
・荷役作業を行う場所や作業手順の安全性を確認し、必要に応じて改善を行います。


(1)実施が必要な事項
▶ 物流業務の効率化・合理化
①出荷に応じた生産・荷造り等
・出荷の庫内業務と配送業務の引き渡しについてルール化し、一方に負荷が偏らない運用に留意します。
②運送を考慮した出荷予定時刻の設定
・ドライバーの拘束時間と休息期間等を十分に考慮した配送ダイヤグラムを設定します。

(2)実施することが推奨される事項
▶ 物流業務の効率化・合理化
③物流コストの可視化
・「基準となる物流サービス水準の明確化」と「サービスに応じたコスト設定」につき、真摯に協議します。
④発荷主側の施設の改善
・物流センターでは、出荷準備や回収品の配置に十分なスペースを確保します。


(1)実施が必要な事項
▶ 物流業務の効率化・合理化
①納品リードタイムの確保
・発荷主事業者や物流事業者の準備時間の確保、輸送手段の選択肢を増やすため、発注から納品までのリードタイムを十分に確保します。
・加工食品の小売店舗への納品にかかる発注について、「定番発注の卸受信時間は納品日前日12時まで」、「特売品・新商品発注の卸受信日は納品日の6営業日前まで」等を目標とし、取引先と協議し、早期の実現に努めます。

(2)実施することが推奨される事項
▶ 物流業務の効率化・合理化
①発注の適正化
・荷待ち時間を削減するとともに運行効率を向上させるため、発・着荷主が協力して、納品量や納品頻度の適正化を検討します。
②着荷主側の施設の改善
・荷待ち・荷役作業等時間を削減するため、物量、納品車格に応じた荷受け場所の改善を検討します。
③混雑時を避けた納品
・混雑時間を避けた納品時間について、発荷主と協議し、検討します。
④巡回集荷(ミルクラン方式)
・より効率的な物流が可能となる場合は、発荷主との合意のうえで、車両の相互活用や引き取り物流を導入します


①「納品期限1/2ルール」の完全実施
・小売店舗への賞味期間180日以上の加工食品の納品限度は、原則として「1/2残し」を推進します。
②EDI の推進
・小売と卸(メーカー)間の受発注は、業界の標準 EDI である「流通 BMS」の導入を推進します。
・伝票レス化など取引業務の効率化を進めるとともに、「事前出荷情報メッセージ」を利用した検品レス化により、検品作業時間を削減するよう努めます。