ピップ(松浦由治社長)が、6月26〜27日に東京流通センターで開催した展示会「ウエルネスフェスタ2024」の結果を報告した。(ご参考@Hoitto!「ベビー&シニアで売場の差別化を‼️ピップウエルネスフェスタ2024」:https://hoitto-hc.com/13230/)
来場人数は初日が693人、2日目が595人で、2日間の合計は前年比7.2%増(86人増)の1288人となった。関係企業とのイベント重複を避けた日程変更の効果などで、2年連続の動員増となっている。
事前登録で入場できたにも関わらず、初日は開場前から長蛇の列ができたという。「初日の午前は「過去に体感したこのない賑わいだった。(コロナ禍を経て)リアル開催に飢えていた方々の熱量が伝わってきた」(松浦由治社長)という。
毎回好評の新商品人気投票は下の表の通り。各部門の1位は、ヘルスケアが「テルモ電子体温計ET-W210WZ」(テルモ)、ベビーが「トイサポ 補助便座」(リッチェル)、コンフォートが「アリエールミライ洗浄プラス本体340g」(P&Gジャパン)、シニアが「超厚・超大おしりふきフタ付50枚」(オオサキメディカル)。
Hoitto!編集部が注目したのは、MD提案コーナー・コンフォート部門の「防災提案」。緊急時のトイレ商材を現品展示し、簡易トイレ各種から処理用ゴミ袋までを一堂に展示していた。能登半島地震の影響もあり防災ニーズは高まっている。「簡易トイレまで置く場所がない」との声もあるが、処理用ゴミ袋を軸にダンボール製の組み立てトイレまでを揃えれば、専門性を演出した売場が作れる。
ヘルス部門では、昨年も好評だった「フェムテック」と「メンテック」の同時提案が目を引いた。「メンテック」では、新規出展したアンファー(「オムテック」として商標登録)が、妊活を冠したプロテイン、サプリ、おだし(出汁)などを紹介していた。
単品で注目したのは、森下仁丹の「梅仁丹のど飴」。コロナ禍以降右肩上がりで売れているそうで、「(専売品として)ピップの営業担当のご尽力が大きい」(森下仁丹)とのこと。ちなみに同社の基幹商品「銀粒仁丹」は120周年を迎える来年に全面リニューアルを計画しており、次回フェスタの目玉商品となりそうである。
もう1つは、スリーエムジャパンの「ネクスケア™︎DUOやさしくはがせる救急ばんそうこう」。シリコーン系の粘着剤を用いており、肌が弱い、繰り返し使う、という用途を満たす。PB化が進むカテゴリーだが、付加価値性の高い同商品を同時陳列すれば、潜在ユーザーの獲得も期待できる。
最近のフェスタは、IT機器を用いたサービスの紹介も増えている。ビーモーションが運営する「対話・生成AI 開発・運用支援サービス」は、AIアバターやAIチャットボットによって、店頭での接客、カスタマーサポート、スタッフ研修等を支援するツール。人手不足を解消するだけでなく、顧客の興味喚起にも一役買いそうだ。
ピップの自社開発商品ゾーンで一際賑わっていたのは「PIP ELEKIBAR」コーナー。対面で(コリに関する)質問に答えると、その人に合った「エレキバン」がプレゼントされる。立ち寄ったDgS経営陣からは「お客様の個々の悩みに応える接客や販促のヒントになる」との意見が寄せられていた。
なお「マグネループ」シリーズの「マグネループMAX」は、6月10日より宣伝動画を公開している。なにわのおばちゃんを連想させるキャラクター(オバチャーンレッド)が登場するインパクト大の内容は要チェックだ。
このほか神経痛薬「心龍」や動脈硬化症予防薬「ヘルスオイル」と言った同社の医薬品もコーナー化していた。近年はロングセラーの大衆薬が改めて見直されており、生活習慣病関連の売場活性化などに活用していただきたい。
今回のフェスタは全般に情報量が多かった印象だ。「お客様の欲する情報を伝えたいという意欲の表れだが、中には『歩き疲れた』との声もあった。来年は提供する情報の絞りが必要かも…」とは松浦社長の談。
ただ、来場者の評価は総じて高く、半日以上を会場内で過ごした方も多かったそうだ。中には全てを回りきれなかった、あるいは事情があって参加できなかった担当者もいると思う。今回の概要は同社の取引先向けサイト「ピッ!プラス―リテールサポートWEB」でも確認できる。弊社の記事や画像なども参考にしていただきながら、同社提案を追いかけていただきたい。
以下、お客様(来場者)アンケート結果を掲載します