6月21日、ツルハホールディングスが2024年5月期決算を発表した。売上高1兆274億6200万円(前年同期比5.9%増)、営業利益492億500万円(同8.0%増)、経常利益493億400万円(同7.9%増)、親会社に帰属する当期利益241億500万円(同4.6%減)となった。売上高が初めて1兆円を超えた。
ドラッグストア業界は、コロナ沈静化による人流の戻りやインバウンド需要の回復、値上げ効果が寄与 し、化粧品や食品を中心に売上高が伸長しており、各社の業績は好調に推移した。一方で出店競争により1店舗あたりの商圏人口は減少傾向にあり、競争環境が厳しさを増すなか、業界再編に向けた動きがある。
このような状況のもと、ツルハグループでは中期経営計画の達成に向け、店舗戦略では出店精度の向上・改装推 進、調剤戦略では併設店の拡大・オンラインを活用した処方箋枚数の確保、PB戦略では新規商品の開発と既存商品の販売促進による売上構成比のアップ、DX戦略ではMAツールの活用やITシステム開発により生産性向上に取り組んだ。
また、業績管理面では予実分析の精度改善により経費コントロールに取り組むとともに、不採算部門に関する管理をさらに厳格化。 店舗展開につきましては、既存エリアのさらなるドミナント強化を図るとともに競争力強化のため不採算店舗の改廃を進め、期首より128店舗の新規出店と5店舗の子会社化等、69店舗の閉店を実施。この結果、当期末のグループ店舗数は直営店で2,653店舗となった。なお、タイ国内の当社グループ店舗は、2 店舗の新規出店、1店舗の閉店を実施し、同国内における店舗数は2024年5月15日現在で19店舗となった。
また、連結子会社である(株)ビー・ アンド・ディーに係るのれんについて、連結子会社化後における仕入条件の改善等の統合効果創出の取り組み等により、(株)ビー・アンド・ディーの営業利益及び営業利益率等は向上が図られている一方で、市場環境の変化に伴う事業計画の見直しを行った結果、同社の株式取得時に想定していた収益の確保は困難であることから、割引後将来 キャッシュフローと帳簿価額との差額41億89百万円をのれんの減損損失として計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は241億5百万円(同4.6%減)となった。
同社は、イオン株式会社及びウエルシアホールディングス株式会社との三者間で、グローバル規模における地域生活者のより高次なヘルス&ウエルネスの実現を目的として、各社の持つ経営資源を最大限に活用して連携することにより、様々な分野でシナジーを発揮し、日本最大のドラッグストア連合体を創成するとともに、そこで 働く従業員の限りない成長機会を創出すること等を目指し、経営統合の協議を開始することに合意し、資本業務提携契約を締結している。