ヘルスケア情報サイト「Hoitto! ヘルスケアビジネス」(ヘルスケアワークスデザイン株式会社)

【最速レポート】2024 OHKI 秋冬用カテゴリー提案商談会【大木ヘルスケアHD】

〝日本のヘルスケア流通を担う〟大木の提案がそろう

 大木ヘルスケアホールディングスは6月18日(火)、19日(水)の二日間、TRC東京流通センターで「2024 OHKI 秋冬用カテゴリー提案商談会」を開催した。来場者数は19日の正午時点で昨年を上回る1,840人が商談に訪れ、潜在需要の顕在化を図る提案に耳を傾けた。少子高齢化によりヘルスケアの重要性は増し、労働人口減も著しい。さらに『フェムケア』といった女性のライフステージに応じた新しいニーズも顕在化した。これら社会環境とニーズの移り変わりに対し、松井秀正社長は「だからこそ新しい需要創造型の提案が必要であり、大木には日本のヘルスケア流通を担う自負がある」と力強く語った。【参考記事:事業部横断で「フェムケア」提案〜OHKI秋冬用カテゴリー提案商談会(取材・記事=中西陽治)

松井社長「業態&ニーズ別に対応する〝フルアテンド〟が武器」

記者会見に臨む松井秀正社長

 昨年を上回るペースでの来場者数となった「2024 OHKI 秋冬用カテゴリー提案商談会」。
 会期中に行われた記者会見で大木ヘルスケアHD代表取締役社長の松井秀正氏は、「われわれは、第1回の開催から展示会ではなく〝提案商談会〟と冠している。これは展示中心ではなく、大木が市場と社会をリサーチしたうえで提案を軸にした商談の場ということ」とイベントに込めた思いを改めて伝えた。

 「カテゴリー提案商談会」は、大木の営業担当者が取引先とともに会場を回り、提案を紹介する〝フルアテンド〟が特徴。つまり小売チャネルごとのヘルスケアのアプローチの違いや、あるいは地域性によって異なるニーズに沿った柔軟な提案が可能ということだ。
 松井社長は「例えばドラッグストアや薬局でも地域と都市型でニーズや戦略は全く違う。ドラッグストアも各社で方向性が変わってきているし、大手の全国チェーン企業と地域のリージョナル企業ごとに、異なる方針とニーズに合致した豊富な情報と提案が必要になる」と話す。

 さらに「カテゴリー提案商談会」参加者は、ヘルスケア産業に参入するSMやGMSやHC、ECや海外事業者も増加傾向にあるという。
「当然、チャネルごとのヘルスケアの切り口が必要であり、情報共有し提案する〝フルアテンド〟がお得意先様の増加につながっている。どこまで深く提案できるか、がわれわれの武器であり、中身の濃さが『カテゴリー提案商談会』の魅力だと考えている。そのため、大木が日本のヘルスケアの中核を担っていく、という自負がある」と松井社長は話す。
その言葉を裏付けるように、会場ではドラッグストアや薬局といったヘルスケア業界のバイヤーのみならず、大手SMの幹部や異業種の参加が多く見られた。

「既存カテゴリーに留めず、新しい機能を消費者に届ける提案をすべき」

 カテゴリー創造の重要性について、松井社長は今回の目玉「フェムケア」市場について次のように語った。
 「一般用医薬品(OTC医薬品)は昭和40年代に承認された48薬効に沿った店頭展開が中心となっており、今の生活者のニーズに対応できていない。例えば、現在では生理にまつわるイライラや冷えといった多種多様な症状に合わせた商品が出てきているにもかかわらず、生理痛の薬は解熱鎮痛薬のカテゴリーにとどまっており、新しい商品選択のカテゴリーが創出できていない。
これでは、変化した女性ヘルスケアのニーズに合致した商品供給とはいいがたく、新しい機能やソリューションを生活者に提供できていないのではないか。
今こそカテゴリーを拡げて提案していくべきであり、そのために大木はフルアテンド型の『カテゴリー提案商談会』という名を冠している」

 今回、「快適生活」「園芸/ペット」「医薬品」「健康食品」「コンタクト&補聴器」「C&V(コスメ&バラエティ)」の各事業における女性の健康提案を集約し「フェムケア」ゾーンにて横断的に展開した。
フェムケア啓発を目的に昨年設立した子会社「LAUGHBASE」(ラフベース)のコンテンツを柱に、生活者と店舗を〝つなぐ〟フェムケアの導入施策から、「女性のおくすり箱」や生理用品売り場のアップデート、さらに更年期前・後のセルフケアといった細やかな提案が光る。

価値ある健康サービスに進化し 有償に育成する

 大木の「カテゴリー提案商談会」ではおなじみとなった、「快適生活」ゾーンにおける体験型の健康チェック機器およびイベント提案について松井社長は
「ヘルスケアの実践・浸透には、見聞きした話より、少し深い情報や経験が必要になるため、リアル店舗の役割は大きいと考えている。
大木がセルフチェック機器や、「シナプソロジー」「脳トレ手芸」など健康イベントの提案に力を入れているのには、地域包括ケアにおけるドラッグストアが「自分の健康のことは自分で考え、対応できる場」として機能することに根差している。
大木が目指す姿は、地域包括ケアの中心にリアル店舗を据える、ということ。
一方で、リアル店舗がボランティア的観点で実施するには人時的・設備的に限界がある。
だからこそ、価値ある健康サービスへとマネタイズし、有償の体験会やイベントへと育成していかなければならない。これまで行ってきた健康サービスを、例えば「機能回復のイベント」といった一段上の価値へと育て、地域包括ケアの一部として根付かせていかなれればならない。いつまでも無償で体験会やイベントを提供する、では価値ある健康をお届けする立場として責任が負えなくなるだろう」
と話した。

 また、「快適生活」ゾーンではフェムケアをより広く定義した「プレコンセプションケア」も披露。女性やカップルを対象として、将来の妊娠のための健康管理を促す取り組みが披露され、女性のみならず、男性の妊活サポートする商品提案が注目を集めた。

健康食品は5大システム軸に展開 健康食品×フェムケアも

 「健康食品」ゾーンでは、血液によるデリバリーシステム(人参、DHA/EPA、鉄)を中心にめぐる、自律神経系(胡麻麦茶、ハラビラタケ、脂質・糖質)、細胞の代謝増進(アミノ酸、ビタミン&ミネラル)、免疫システム(乳酸菌)、エネルギー代謝(ALA、Q10、中鎖脂肪酸)を循環させる5大システムをサポートする健康食品を展開。フェムケアの切り口ではラフベースのキャラクター「miguちゃん」のPOPと共創提案した、生理時期以外でのアプローチを提案した。

「miguちゃん」POPが目を引く健康食品×フェムケアの棚提案

韓国コスメ&ドクターズコスメ成分からネクストブレイク商品を創出

 「C&V」ゾーンでは、市場拡大が目覚ましい韓国コスメを中心にカテゴリーの再活性化施策が目を引く。大木が注目する成分「グルタチオン」「アゼライン酸」を展開するメーカーでは
「韓国アイドルの肌の白さの秘訣とも言われる『グルタチオン』は、高い抗酸化作用を持ち、主に顔のスペシャルケアに用いられますが、今回の提案ではより身近なチャネルでお求めやすいデイリーケアに対応した全身美白のボディークリームを提案しています。また、『アゼライン酸』は世界80か国でニキビ治療薬として承認されている天然由来成分で、日本では化粧品成分として皮膚科診療などで販売されるドクターズコスメとして人気が出始めています。現在人気の『レチノール』成分のように1~2年で大ブレイクするのは間違いありません」
と語る。
成分から需要を掘り起こす提案もヘルスケア卸ならではの提案であろう。

 いずれの提案も、足を止めてじっくりと耳を傾けたい内容ばかりで、来場者の数はもちろん、滞在時間も長く、大木によると「4時間じっくりお話をさせていただくお得意さまも珍しくない」という充実ぶりだった。

〝フルアテンド〟ならではの賑わいを見せた「カテゴリー提案商談会」