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店頭価格、油など年末から一部値下がりも高値定着

株式会社インテージが、全国約6,000店舗より収集している小売店販売データ、SRI+®(全国小売店パネル調査)をもとに、食品・日用雑貨などの主な消費財を対象として店頭販売価格の値上げと、その影響について調査しました。

[ポイント]
◆ スーパーでの食品の価格は、昨年下半期に続き落ち着いた動き。一部は新年度に値上がりも
◆ 値上げ幅が大きい食料品、全業態での販売は値上げ前に比べ大幅減。4月も回復は見られず
◆ ドラッグストアでの日用雑貨は、昨年末から大幅な値動きなしも、高値が続く
◆ 日用雑貨も全業態では販売数量のマイナスが続く。新年度に入って減少幅が拡大しそうな動きも


図表1


スーパーマーケットでの食品は今年に入っても高値安定の値動き


新年度を迎え、一部報道では2,800品目の値上げが発表されるなどした日本の物価事情。では、生活者がダイレクトに影響を受ける店頭価格は、どのような動きになっているのでしょうか。主に食品が買われるスーパーマーケットで、大規模な値上げ前の2020年に比べ上げ幅の大きな商品をピックアップしました。

値上げの代表格だったキャノーラ油やサラダ油は、最高値に比べると30ポイント近く低下。他の食品も高止まりながらも横ばいの傾向が見えてきました。原材料費や輸送費、人件費の高騰などが織り込まれた価格が浸透する中、同じ品目でもより価格の安いプライベートブランド商品の活用や各小売店間の競争などもあり、以前より落ち着いた値動きとなっているようです。一方でオレンジの不作なども影響している100%ジュース、砂糖、ケチャップなどは、今年に入り更なる価格上昇が見えています。


店頭価格が高騰した商品、多くが値上げ前より大幅減


店頭価格が高騰した商品を中心に買い控える傾向は、前回のリリースにもあるように昨秋の頃にもはっきり出ていました。では、その流れは食品ではどうなっているのか、全業態で販売数量の変化を見ていきます。

新型コロナの巣ごもり需要も一定落ち着き、大幅値上げ前の2021年同月比で見てみると、昨年から引き続いて大きな回復がないことが分かりました。売り上げが半減したキャノーラ油の代わりにサラダ油が売り上げを伸ばしていたなど一部商品を除き、多くの商品で10~20ポイントほどの低下が見られました。

調味料は醤油や砂糖、マヨネーズなどが2ケタ以上のマイナスとなり、新年度に入りケチャップやソースも3月に比べ10ポイント近く落としていました。主食は調味料よりは減少幅が少ないものの落ち込む商品が続出。加工食品ではカレー(ルー)や魚肉ソーセージ、そしてサバ缶はブームの反動もあり4割減まで落ち込みました。不作により大きく値上がりした、100%ジュースも4月に入り3割減となっています。


図表2


2024年ドラッグストアの日用雑貨は高値継続
全業態の販売数量は値上げ前を下回る傾向


日用雑貨についても、主に買われるドラッグストアでの店頭価格推移を見てみましょう(図表3)。こちらも食品同様に今年に入ってからの大きな値上げは見られないものの、価格は上がったまま、横ばい傾向であることが分かります。日用雑貨の価格は高値ながらも落ち着きを見せているようです。


図表3


最後に、全業態での日用雑貨の販売推移を見てみましょう。食料品に比べるとマイナス幅は小さいですが、大幅値上げ前の2021年に比べると、下回っているものが多く見られます(図表4)。値上げ前の駆け込み需要で3月上昇、反動で4月低下の流れが推測されますが、新年度最初の販売は芳しくはありませんでした。今後の動向が注目されます。


図表4