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【レポート】減塩スプーンに関心集まる

【キリン】「エレキソルト スプーン」先行体験会【ハンズ】

キリンホールディングスは6月に都内の生活雑貨店「ハンズ新宿店」で、「エレキソルト スプーン」の体験会を行った。体験会はハンズのイベントスペースで行われ、同社新規事業部の佐藤愛氏が「なぜキリンがこの商品を生み出したか」からヘルスサイエンス事業の説明までを行い、塩分に対する健康課題の解決手段として「エレキソルト」が誕生した経緯を述べた。体験会では試食も行われ、〝減塩スプーン〟を試せるとあって好奇心あふれる生活者が集った。(取材・記事=中西陽治)

キリンHDのヘルスサイエンス事業部の新規事業部が開発した、減塩サポート機器「エレキソルト スプーン」の先行体験会が東京都の「ハンズ新宿店」で開かれた。 体験会は6月1日(土)、2日(日)の両日行われ、一回45分、計5回のイベントには、開発者の話を聞きながら実際の商品を試せる機会とあって、新しいものに興味・好奇心の高い若年層から、健康感度の高い高齢者まで幅広い層が足を運んだ。

会場となった生活雑貨店「ハンズ新宿店」6階の「HANDS DO」は、「『やってみたかった』をやってみる。『やってみる』ことで不安を解消する。そしてまた新しい『やってみたい』が見つかる場所」をコンセプトとし、ハンズクラブ会員を対象にさまざまなワークショップやイベントを開催している。

幅広い層が集う「HANDS DO」イベントスペース

好奇心旺盛な参加者から期待込めた質問が飛ぶ

 体験会冒頭ではキリンHDヘルスサイエンス事業部の新規事業グループで「エレキソルト」の生みの親である佐藤愛氏が、「ビールなど飲料のイメージが強いキリンですが、実はヘルスサイエンスの領域で皆さんのお役に立つ研究を進めています」と経緯を説明した。

 「エレキソルト スプーン」は、明治大学と共同研究によって開発された、減塩食品の塩味を約1.5倍に増強される独自の電流波形の技術を搭載した食器型デバイス。〝おいしい食事のある人生を、すべての人に〟をコンセプトとし、塩分過多の課題と、減塩食の味に対する不満という社会課題に向き合うために開発された。(参考記事:キリンHD「エレキソルト発売発表会」)

 体験会ではヤマモリの食塩不使用レトルトカレー「休塩日のカレー」を用いた試食が行われた。まずは湯煎した「休塩日のカレー」を「エレキソルト スプーン」を使わず味わってもらい、その後「エレキソルト スプーン」を使い試食してもらった。参加者は「味わいが深まったように感じるが、それほど体感はない」と反応を示したが、その後、微量の食塩を加えて試食してみたところ「うまみをより感じるようになった」と反応に変化があった。

 体験会では「エレキソルト スプーン」について参加者から「耐久性は?」「歯の治療をしている人は使えますか?」「若い人と高齢者での味覚の違いは?」といった質問が飛んだ。

佐藤氏は「通常使用に耐えられるテストはしていますが、電気製品のため食洗器には使えません」「歯の治療の度合いにもよりますが、『エレキソルト スプーン』は美顔器などと同じ電気を使用しますのでペースメーカーなど使われている方には使用できません」「味覚の違いはスプーンのレベルで調整できますよ」と回答し、参加者は大きくうなずいた。

参加者の「エレキソルト スプーン」への興味は尽きることなく「子ども用もあればいいよね」「チャーハンやリゾットにも使いたいね」といったアイデアも飛び出した。

「病院食の味気無さを解消できる」とうまみ増強を実感

エレキソルトスプーン

体験会に同席したハンズの担当者は「『HANDS DO』に参加されるお客様は、生活雑貨店のクラブ会員ということもあり、探究心や好奇心が旺盛な方が多くいらっしゃいます。モノを作るために木材ひとつから目を光らせる〝セルフ〟の意識が高く、ご自分の健康にも、おいしいものにも興味が尽きないのだと思います」と語り、「ハンズには『エレキソルト スプーン』のような電気を使った食器というカテゴリーはありませんが、食器類はハウスウェアとして展開しています。体験会の反応もいいのでぜひ新しい取り組みを推進したいですね」と話してくれた。

 ある参加者にインタビューしたところ「つい先日まで入院していたのですが、病院食が味気なくてつらかった。退院後も塩分を控えており、なんとかして減塩しながら味わいも両立できないか、と思っていました。『エレキソルト スプーン』を体験してみて塩味が増すことに驚きました。これは病院食の味に苦労している人にこそ体験してほしい、素晴らしい商品だと思います」と目を輝かせて話してくれた。

(左より)ハンズの高川氏、キリンの佐藤氏、金子氏