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【日本調剤】調剤業務外部委託の届出を決定

国家戦略特別区域認定受け全国初

日本調剤は、「薬局DX推進コンソーシアム」(理事長:狭間 研至)の会員として、大阪市全域の国家戦略特別区域において「調剤業務の一部外部委託」実施に向けた届け出を行うことを決定した。届け出は、令和6年6月4日に国家戦略特区諮問会議にて、岸田文雄首相より「関西圏 国家戦略特別区域 区域計画(第30回)」が認定されたことを受けて実施されるもの。

 「調剤業務の一部外部委託」は、平成27年に厚生労働省が策定した「患者のための薬局ビジョン」に記された「対物から対人」を実現するために、対人業務充実に向けた対物業務の効率化を推進する、そのひとつの手段として検討されている。

 これまで、規定により、薬局間における調剤業務の委受託は認められていなかったが、令和6年3月29日に「厚生労働省関係国家戦略特別区域法第二十六条に規定する政令等規則事業に係る省令の特例に関する措置を定める命令」が改正され、国家戦略特別区域において、薬局開設者が、その薬局で行う調剤の業務の一部(一包化に係るものに限る)を、他の薬局の薬局開設者に委託することが可能となった。

 内閣府の国家戦略特別区域会議合同会議にて、関西圏国家戦略特別区域が「調剤業務の一部外部委託」に関する事業について区域計画の認定が令和6年5月9日に了承されたのを受け、日本調剤では、「調剤業務の一部外部委託」を「薬局DX推進コンソーシアム」の会員として共同実施し、取り組みを推進することを表明していた。
このたびの国の認定と大阪市の報道発表を受け、日本調剤は全国初めての取り組みとなる「調剤業務の一部外部委託」を実施する企業の一つとして、大阪市に事業の届け出を行うことを決定した。

 これにより、対物業務を効率化して、薬剤師が服薬指導後のフォロー、医師へのフィードバック、在宅医療や地域包括ケアの取り組みなど対人業務の充実を図ることが可能となり、薬剤師がより専門性を高めるための時間を捻出できることが期待される。


大阪市 報道発表資料
「関西圏 国家戦略特別区域 区域計画(第30回)が認定されました」

https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/keizaisenryaku/0000627007.html


「薬局DX推進コンソーシアム」

令和5年6月に設立された任意団体。
すべての薬局が、機械化やロボット化、ICT化などを活用することで、真に専門的サービスを提供し、医療提供施設として適切に機能する社会を目指し、必要な情報交換、共同実証事業を行い、各種制度構築に貢献することを目的とする。主に調剤業務の一部を自薬局以外の店舗で安全かつ効率的に行う国家戦略特区事業(調剤業務の一部委託事業)を、厚労省ガイドラインを踏まえ共同実施する。
現在20社の会員と18社の準会員で構成されている(令和6年5月10日時点)。