消費者庁の「機能性表示食品を巡る検討会」は5月23日に、機能性表示食品の制度と運用についての提言を取りまとめた。検討会は小林製薬による紅麹関連製品に係る事案を受け、5月末を期限とする消費者庁による機能性表示食品制度の在り方の取りまとめのために開かれ、今回で6回目となる。
今回まとまった提言は①「健康被害情報の収集、行政機関への情報提供の義務等」②「製造管理及び品質管理等」③「消費者等への情報伝達の在り方」の3点。
①は届出者による機能性表示食品の健康被害の報告について、「対象事案や提供期限などを明確に規定し法的義務として行うべき」とし、違反した場合は機能性表示を行わないよう食品法上の指示・命令といった行政措置を敷く。
なお、義務対象は機能性表示食品制度の全般にあたるため、サプリメントに限定されず生鮮を含む食品が対象となる。
②はサプリメント形状の機能性表示食品の製造工程管理における品質向上を徹底するため、届出者による準備期間を設けたうえで、GMPに基づく製造と品質管理を行うことを法的義務とする。GMP義務化に当たり、届出者が自己点検できるようチェックポイントを整備するとともに、消費者庁による立ち入り検査も検討すべき、と盛り込まれた。
③については機能性表示食品のパッケージ表記において、特定保健用食品(トクホ)との誤認を避けるため、識別性を高めるとともに、安全性や機能性について国の評価を受けた食品ではないことを端的な表示方法とすべき、とした。
表示方法では、医薬品やほかの成分との相互作用や過剰接収を防止するための注意喚起、または安全性状の留意事項をより具体化すべき、との提言が盛り込まれた。