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【レポート】キューバ産サトウキビ由来ポリコサノールに血管プラーク改善作用

長寿因子HDL研究会会長の上原吉就福岡大教授がセミナーで公表

キューバ産サトウキビ由来ポリコサノールに、血管プラーク改善作用のあることが、4月18日にキューバ大使館で開催されたセミナーで、長寿因子HDL研究会会長の上原吉就福岡大学教授(スポーツ科学部スポーツ健康科学研究科科長/福岡大学病院予防・抗加齢・再生医療センター循環器内科医師)が明らかにした。【レポート=流通ジャーナリスト・山本武道

 長寿因子HDL 研究会(https://hdl-research.jp/)は、様々な疾患の引き金とされる血管系の疾患に影響する善玉コレステロールの重要性を、社会へ啓蒙するために2023年5月に設立され、「HDLの正しい知識を広め人々の健康寿命に役立てる」のが目的。

上原教授「HDLが血管に蓄積されたコレステロールを除去」

 上原教授は、「健康寿命は徐々に延伸されてきたが、元気に社会生活を送るためには血管をいかにきれいに維持するかが重要。日本人の死因の15%が心疾患(2位)、8%が脳血管疾患(4位)であり、その要因として血管の内膜にコレステロールの塊(沈着)が血管内に蓄積しプラークを形成し、このプラークが破裂(破綻)すると心筋梗塞や脳梗塞の原因になる。さらにプラークが大きくなると血管の内径は狭くなり、臓器虚血や高血圧をはじめ様々な臓器障害を引き起こす」と指摘。
 「コレステロールは、ホルモンとビタミンDの生産に必要な必須成分だが、悪玉コレステロール(LDL)は血管内膜に溜まり血管を狭くするのに対して、善玉コレステロール(HDL)は細胞や血管プラークに蓄積されているコレステロールを除去する。HDLが高いと動脈硬化や心臓病を予防する力が強くなる。HDLが善玉菌と呼ばれるゆえん・・・」(上原教授)。

キューバ産サトウキビ由来ポリコサノールの作用を話す福岡大学の上原吉就教授


 ポリコサノールは、米ヌカやサトウキビ、小麦などの油脂成分から得られる炭素数20以上のアルコール組成物の総称で、上原教授が作用を立証したのは天然成分のキューバ産サトウキビ由来ポリコサノール。キューバ国立科学研究所(CNIC)によって開発された、キューバのサトウキビワックスから抽出精製した8種類の脂肪族アルコールで、コレステロールの改善と血圧の調整に役立つとして科学的に検証された健康機能性原料。
 キューバ産サトウキビ由来ポリコサノールの摂取によってHDLの量と質が増加して、血管内に蓄積したコレステロールを肝臓に戻す回収能力を向上し、心血管疾患の主要な原因である血管プラークを改善する作用のあることを上原教授が世界に先駆けて立証。その研究成果は、国際学術誌『Frontiers in Nutritio』に論文として受理され2024年1月8日に公開されている。

キューバ大使館もポリコサノールの普及啓蒙を支援

 この日の午前中は、全国の薬局に向けてキューバ産サトウキビ由来ポリコサノールについての概要がWEB配信され、午後から記者を集めたセミナーで挨拶に立ったキューバ大使館大使のヒセラ・ベアトリス・ガルシア・リベラさんは、キューバ産サトウキビ由来ポリコサノールを、オーストラリア、韓国、日本などの諸外国への普及活活動に取り組むレイデルグループ代表のイ・ビョングさんの業績を次のように紹介した。
 「レイデルグループの活動によって、キューバのバイオテクノロジーのレベルの高さを示すポリコサノールを日本市場に上市できた。代表のイ・ビョングさんは、世界39か国の800人に対してキューバ大統領がキューバと人類に貢献した科学者に与えるカルロス・ピンレイ勲章をキューバ政府から授与されました。今やキューバ産サトウキビ由来ポリコサノールは、日本の方々の間に人気上昇中で、これからも100%天然成分を使用したバイオテクノロジーの成果を示すポリコサノールを日本市場でアピールするのがわれわれの願い。このセミナーを通じ普及・啓蒙活動へ大使館としても支援したい」(リベラ大使)。


アルフレッサヘルスケアの勝木尚代表取締役会長

勝木会長「優れた機能を持つポリコサノールで自己予防を推進」


 キューバ産サトウキビ由来ポリコサノール配合の機能性表示食品(LDLとHDL値比率改善、コレステロール値や高めの血圧を下げる機能が報告されている)を、日本国内に普及するアルフレッサ ヘルスケアの勝木尚代表取締役会長は、「なぜ今、キューバのテクノロジーに注目が集まっているのか。キューバは、経済封鎖の間に他国の技術に頼らず独自の研究によって、優れた医薬品やワクチンの開発を続けてきた中に、キューバ産サトウキビ由来ポリコサノールがある。世界有数のEBM(科学的裏付け)のあるキューバ産の天然サトウキビを原料として開発されたもので、善玉コレステロールを増やし血圧の改善などの有用性が認められている。
 100歳以上高齢者の対人口比率はキューバが世界一。これにキューバ産のサトウキビが関与しているのではないか。健康寿命延伸時代下にあって、高まる国民のセルフプリベンション(自己予防)ニーズ、未病と予防を推進している当社では、素晴らしい機能のあるポリコサノールをさらに全国の薬局などに向けて普及していく」と述べた。

レイデルグループのイ・ビョング代表

イ代表「キューバ、アルフレッサHCと共に日本のQOL向上図る」


 日本国内でアルフレッサ ヘルスケアを通じ、キューバ産サトウキビ由来ポリコサノールの普及活動に取り組むレイデルグループのイ・ビョング代表は、「当社は1986年に世界中の人々の健康と生活の向上を願いオーストラリアで創業した。実の兄が病に倒れた際に、なんとか健康を取り戻すためのものをと探し求め出会ったのがキューバ産サトウキビ由来ポリコサノールだった。キューバを訪問し、多くの論文を見せていただき、HDLを向上する機能のあることを知り、そしてアルフレッサさんとも出会い日本市場にも進出した」として、日本国内の薬局での普及活動を強化していくという。


認知機能のエビデンスにも期待集まる


 スペシャルゲストとして招かれたお茶の水長寿クリニックの白澤卓二院長(白澤抗加齢医学研究所所長)は、イ・ビョング代表との出会いについて次のようなやりとりを紹介した。

お茶の水健康長寿クリニックの白澤卓二院長

「ある日、代表が私のオフィスに来られて話し合った中で、『白澤先生は、たくさんの健康長寿に関する書を執筆されていますが、私はキューバ産の天然素材で世界に健康長寿を普遍化できる』と断言されましたので、どのように普遍化なさるのですか?お聞きしたところ、『この天然素材には、たくさんのエビデンスがあるからです』と話され論文を見せていただきました。
 そこで私は、こんなにエビデンスがあるのならば私の出番はありませんとお伝えし、天然成分で動脈硬化が改善したとしてもアルツハイマー病に罹患していれば健康長寿ではないですねと話しました。すると代表から、『実は、この天然素材は認知症にも良い』ことが論文に記されていることをお聞きしました」
 白澤院長は、さらに上原教授の講演にも触れ、「キューバ産サトウキビ由来ポリコサノールの最大のポイントは、HDLを上げることであり、このHDLが長寿因子であることは複数の研究が物語っています。上原教授は、HDLに長寿の要素があるとして研究を続けられてきたのではないかと思いますが、私の考えもその通りです」と話していた。
 日本をはじめ世界中の人々の死亡や健康寿命を縮める要因となる狭心症や心筋梗塞、脳疽中などの血管系の疾患、そして加齢に伴い増えるアルツハイマー病や認知症などの治療・改善、あるいは予防対策の武器として、キューバ産サトウキビ由来ポリコサノールの研究に携わる上原医師と白澤医師の活躍に期待したい。

レイデルジャパンのジョン・スージー代表取締役社長

展示会でも注目集めるポリコサノール


 ちなみにレイデルグループの日本法人であるレイデルジャパンは、キューバ産サトウキビ由来ポリコサノールの普及活動の一環として、昨年・一昨年の2年連続で、都内で開催されたアルフレッサ ヘルスケアの「ライフサポートフェア」に出展し、多くの来場者から注目集めていた。同社のジョン・スージー代表取締役社長は、「カウンセリングに長けた薬局の取り扱いを増やし、日本の人々にポリコサノールを通じ健康づくりをサポートしたい」と話している。

アルフレッサの展示会に出展し好評だったレイデルジャパンのコーナー(右:丹野純幸取締役)