「からだにえいたろう」ブランドの「糖質をおさえたようかん」(低糖質羊羹)が、ドラッグストアや調剤薬局で売れている。開発したのは1818年(文政元年)創業の和菓子メーカー・榮太樓總本鋪(榮太樓)。主に食品卸経由で商品を供給してきた同社が、薬系卸の大木ヘルスケアホールディングス(大木HC)を介して、新たなチャネルの開拓に成功した好例である。同社は近く、帝京平成大学の小原道子教授のアドバイスを受けて開発した『とろみみつあめ』を発売する。今回、榮太樓の細田将己社長、大木HCの松井秀夫会長、小原教授をお招きし、老舗和菓子メーカーと薬系卸がコラボした経緯、また、在宅医療の最前線で患者と家族に接してきた小原教授と榮太樓の接点がどのように生まれたのか、さらに、流通の垣根を超えて広がるヘルスケアの世界と、和菓子の可能性について語っていただいた。(インタビュー:ヘルスケアワークスデザイン代表・八島充/文:流通ジャーナリスト・山本武道)
ーーまずは細田社長、「からだにえいたろう」ブランドを開発した経緯をお聞かせください。
細田 榮太樓は206年前、現東京・日本橋で、焼きたての『金鍔』を屋台で売り出したのが事業の興りです。生粋の江戸っ子の和菓子屋で、茶席や贈答品に特化した上方の和菓子屋とは異なり、「庶民に日常的に召し上がっていただきたい」という思いでモノづくりに取り組んできました。新しい物好きの江戸っ子らしく、創業来「チャレンジ精神」を貫いて今日まできました。
『からだにえいたろう』を開発したのはおよそ5年前です。きっかけは、あるお得意さまから届いた1通の手紙でした。その手紙には、「昔から榮太樓のファンでしたが、年齢とともに食べることが難しくなり、今は食事も制限しているので、食べられずに寂しいです…」とありました。
当時社長だった私の父が手紙を読んで、「こういうお客さまのために商品を作っていくことも私たちの使命」と言い、新商品の開発に着手しました。初めは「ヘルスケア」というテーマではなく、「往年のファンに最後まで愛用していただける和菓子をつくる」という思いでスタートしました。
ちょうどその頃、健康と糖質の関係が話題になっており、私から「血糖値で悩む方に向けた羊羹を作ってみないか」と提案しました。そうしてたどり着いたのが、『からだにえいたろう』の『糖質をおさえたようかん』です。
糖質は味覚の大きな決め手なので、通常はそれを抑えると美味しさが低減します。しかし私たちは医薬品を作っているのではないので、「美味しさと健康」の両立は絶対です。甘味の素材として、当社が愛用する沖縄産の黒糖などを用いて、低糖質なのに美味しい羊羹を完成させました。
ーー和菓子は食品卸や菓子問屋を介して流通させることが多いと思いますが、当初の売れ行きはいかがでした?
細田 最初はまったく売れませんでした。新たな市場を開拓する商品には、何かしらの付加価値が必要です。「低糖質」という訴求点には自信がありましたが、ゼロからのスタートだったために、製造コストが高くなってしまうのも課題でした。
試験的に「来店層の年齢が高い百貨店でイベント的に売ってみよう」となり、複数箇所で一定期間展開したこともありました。それなりに売れましたが、やはり生産ロットには届かない。「ちょこちょこやっていては埒があかない」、何とかしたいと悩んでいた矢先に、大木HCの松井会長をご紹介いただきました。
ーーその出会いが、ドラッグストアや調剤薬局でブレイクするきっかけになったと。
細田 その通りです。松井会長から、「面白い商品だね」といっていただいたことで、調剤薬局やドラッグストアの販路を開拓できました。食品ルートで販売するより価格が崩れにくいほか、カウンセリング販売を通じ商品の特性を理解いただけたのもメリットでした。大木HCさんのサポートがなければ、今日はなかったでしょう。
松井会長には、『からだにえいたろう』をプレゼンする前に、当社が使用している黒糖は、沖縄の離島で生産されるものだけを使っていること、さらにその供給が、現地の生産者との触れ合い、信頼によって成り立っていることをお伝えしました。これに対し松井会長から、「それだよ、それ。生産者との触れ合いがモノ作りには大切なんだよ」と言っていただき、私も誇らしい思いでした。
ーー松井会長にとっても、榮太樓との出会い、細田社長との出会いは刺激になられたようですね。
松井 黒糖をふんだんに使用した、低糖質なのに美味しい羊羹に惹かれましたが、何より黒糖を生産されている現地の方々との関係性に感銘を受けました。いくらデジタル化が進んでも、そこに“心”がなければ世の中は成り立ちません。モノ作りも然りで、離島の生産者と細田さんが笑顔で対話している姿が脳裏に浮かび、この人とヘルスケアのマーケットでご一緒したいと思いました。
また、調剤薬局に処方箋を持ってこられる患者さんの中には糖質の制限を余儀なくされ、「羊羹を食べたいけど食べられない」という方が少なくないと認識していたので、取り扱いはそれこそ即決でした。
当社は“お悩みマーケット”の開拓を得意としており、食を通じた「健康づくり」にも注力しています。処方箋をお持ちになる患者さんは食事でのお悩みを抱えている方も多く、そうした方々に低糖質羊羹を推奨していただけるようになればと、取り扱い店舗を増やしてきました。
細田 菓子問屋さんとの長い付き合いから、社内で「従来ルートで販売すべき」との声も出ましたが、私には「低糖質という付加価値は従来ルートに馴染まない」という直感もありました。
1つのエピソードがあります。家族とで北海道旅行に行った時のことです。家族の一人が熱を出し摩周湖近くの薬局に薬を買いに行くと、そこに『糖質をおさえたようかん』が陳列されていました。嬉しくなって、お店の方に「実は私の会社で製造しているのです」とお伝えすると、その方は、「大木さんに勧められて販売を始めました。最初は薬局の商品としてどうかな、と思いましたが、これが意外と売れるんです」と言ってくださいました。
よくよくお聞きすると、「定期的に処方箋を持参される方が、10〜20本まとめ買いされている」とのことでした。なるほど、松井会長が言われた通りだなと感心しました。
松井 榮太樓さんが強い思いで開発した商品が、全国の多くの人たちが食べて笑顔になる・・・。商品を扱う当社にとって、これほど嬉しいことはありません。「からだにえいたろう」をはじめ、当社が力を入れているヘルスケア領域のすべての商品が、このように広がっていくことを願っています。
これからの調剤薬局は、報酬改定に一喜一憂することなく、もっと生活者に寄り添って、ヘルスケア領域の物販に力を注いでいくべきです。健康寿命延伸時代の到来に伴い、ヘルスケア時代に対応した店づくりを志向する企業を、当社は応援していきます。その上で、歴史ある和菓子メーカーの榮太樓總本鋪さんとコラボレーションできたことは、当社にとって幸せなことでした。
ーー「からだにえいたろう」というネーミングも秀逸ですよね。
細田 ありがとうございます。『からだにえいたろう』は、「からだに良い働きをし、からだが好む、自ずと元気になるような善き菓子を」という思いを込めて名付けました。先代からは「ふざけすぎじゃない?」とも言われましたが、今ではこれで良かったと感じています。
松井 まずは覚えていただくことが重要なので、ネーミングは大事です。売場で気づきを与え、手に取り食べていただくことで健康維持を実感できれば、生活者はその店を信頼し、通ってくれるようになるでしょう。そこに従事する薬剤師さんも、処方箋調剤に固執せずに、高まるヘルスケアのニーズに対する様々な知識を習得し、生活者の健康創造のために尽くしてほしいと思います。
ーー松井会長から薬剤師の話が出ましたが、今回、鼎談に参加いただいた小原さんはまさに異色の薬剤師です。小原さんは、長く在宅介護の最前線に立ち、現場の声を反映した商品やサービスを提案されてきました。今回は榮太樓さんの商品開発に携わったと聞いています。経緯をお聞かせください。
小原 かつてドラッグストアに勤務し、在宅医療・介護分野で患者さん宅を訪問したり、地域支援に携わったりと、地域の方々に近い場所で仕事をさせていただきました。現在は活動の場を教育に移し、これまでの経験を活かして、ヘルスケア関連商材の開発にも携わっています。
細田社長とは、ヘルスケアワークスデザインの佐藤健太さんから紹介されてお会いしました。そのご縁で昨年は、榮太樓總本鋪さんから『からだにえいたろう』を提供していただき、当大学の学園祭で来場者にお配りしました。
来場者は主にお子さん連れのお母さんや学生の親御さんでしたが、生活習慣病への関心が高く、『からだにえいたろう』を手に取って、「このような商品があるのですね」と感心されていました。そこで、「世の中には周知されていない優れた商品がまだまだある。その啓発活動において、薬剤師が果たせる役割は大きい」と、改めて感じました。
細田 小原さんの前職(のドラッグストア)で『からだにえいたろう』を扱ってもらっていた経緯から、お名前は存じ上げていました。当社に初めてお招きした際に、介護の実情を詳しく話してもらい、寝たきりの方とそれを介護するご家族のエピソードが強く印象に残りました。
その頃、すでに当社はみつ状の飴(「あめやえいたろう スイートリップ 有平糖」)を販売していましたが、販促の方向性には迷いがありました。対象者を若者にしようか、はたまた介護を受ける方にしようかと悩んでいた矢先に小原さんと出会い、そこから発想を得て開発したのが、近く発売される新商品『とろみみつあめ』となります。
小原 介護施設では、飴を舐めたいという方に、飴を砕いてお湯で溶かして、舌の上に乗せて提供します。しかし味が薄く、満足していただけないことも多いのです。ところが、『とろみみつあめ』を口にされた時は、「私が知っている梅干し飴ちゃんと同じだ!」と喜ばれ、最後の一口まで舐めていただけました。
細田 『とろみみつあめ』は、「梅ぼ志飴」と「しょうが蜂蜜飴」の2タイプを発売する予定ですが、特に「梅ぼ志飴」は江戸時代から続く商品で、高齢な方には耳に馴染みがあります。そうした方々に食べていただき、「懐かしい」と言ってもらえることは、メーカー冥利に尽きます。
また、サンプルを提供させていただいた施設のスタッフから、「いつもは食事をしていただく作業も大変なのですが、商品を口にされて笑顔になり、その後の食事もすすみました」という報告を受けて、嬉しさも倍増です。
小原 認知症が進むと、新しいお菓子や食事を認識できなくなることがありますが、昔からあるもの、自分が好んで食べてきたものは、ちゃんと認識できるのです。昔懐かしい、しかも食べやすい「とろみつあめ」は、ピッタリの商品だと思います。
飴を舐めることで唾液の分泌が良くなれば、食品を飲み込む際の助けにもなります。飲み込みが難しい人も、『とろみみつあめ』を摂ることで、楽しい食生活を取り戻すことができれば、本人も家族も喜び、会話もはずむでしょう。薬剤師の一人として、このような商品を心待ちにしていました。
ちなみに、私が勤務する大学では今期から、日常の食事から介護食まで幅広く使えるユニバーサルデザインフードに関わる講義を始める予定です。学生たちには、この学びを社会に出た時に役立ててほしいと願っています。
松井 薬剤師の立場で現場の声を聞き、商品化までの橋わたしをされている方は、私の知る限り小原さんだけです。薬学部の教授としてもかなり異色でユニークな方だと思いますね。
ーーかくいう松井会長も、「潜在需要の顕在化」を合言葉に、自ら需要の芽となる商品を探し、市場に紹介しておられますよね。そのチャレンジ精神やネットワークの広さは小原さんに通じるものがあり、この鼎談も見えない赤い糸によって実現したと思います。そこに、榮太樓總本鋪の企業文化と細田社長のチャンレンジ精神が重なり、国民の健康づくりが一層前進する・・・。そのようなストーリーに期待したいですね。
ーーここまで、職種や立場の違いを超えたコラボレーションにまつわるお話を伺いましたが、ドラッグストアや調剤薬局が、どのように顧客や患者に向かい合うべきかのヒントがあったと思います。物販に消極的な薬局も、予防領域の商品を増やしてほしいですよね。
松井 今、八島さんは予防と言われましたが、予防だけではなく、生命活動の根幹である食品を用いて、より積極的に「健康づくり」をしていこうというイメージが大切です。それが訴求ができれば、提案の幅はもっと広くなるはずです。
小原 おっしゃる通り、食事は健康維持のベースであり、食を通して介護を受ける方が笑顔になれば、そのご家族も幸せになります。治療や病気にならないための予防だけで、人は幸せになれませんよね。
松井 食品は医薬品と違って万人処方。だから皆が幸せを感じる。この領域がすなわちヘルスケアです。「食べて笑顔になり健康になる」。これはビジネスとしても夢がある。だから当社は、ヘルスケア領域に力を入れているのです。
ーードラッグストアで『からだにえいたろう』のような食品が豊富に揃えられ、手軽に手に取れる環境になれば、生活者の「健康づくり」の意識も高まるでしょう。かつてドラッグストアに勤務されていた小原さんから、ドラッグストアに求めることはありますか?
小原 店頭で満足のいく接客ができても、在宅業務でその宅を訪問すると、店頭で話したことと、ご自宅で話されることが異なることも多いのです。お客様の声を真摯に聞き、個々の悩みに寄り添う接客をする、そのためにドラッグストアは生活者のホームグラウンドだと感じさせる環境整備が必要です。
子供食堂とかオレンジカフェとか、地域の高齢者の集まりとか患者会などで話を聞くと、各々が抱える悩みごとがたくさん出てきます。そうした場に積極的に参加し、生活者との目線の違いを埋めるよう努めてもらえればと思います。
また、“健康づくり”をアピールした売場も、もっと充実してほしいです。オーラルケアとか介護とかフレイルなどの括りを一歩進め、 “前向きに健康をつくっていきましょう”というテーマで商品を展開できれば、生活者もドラッグストアをホームグラウンドと感じてくれるのではないでしょうか。
松井 最近は食品を扱うドラッグストアが増えましたが、同じ品揃えを並べるだけでは食品スーパーと変わりありません。小原さんのいうように、「健康づくり」を前面に出し、そこで「お客様に健康になって欲しい」という願い、思いを伝えることが大事です。
ーーお三方から示唆に富んだお話をお聞きしましたが、では健康寿命延伸時代の到来に伴い高まるニーズにどう応えていくべきか。商品開発の今後をお聞かせください。
小原 榮太樓總本鋪さんには、これまで同様に、多くの人たちの健康づくりをサポートする商品の開発をお願いしたいです。もちろん私もお手伝いさせていただきますし、大木HCさんはこれからも、その販路開拓をサポートしてくださるものと期待しております。
細田 『からだにえいたろう 糖質をおさえたようかん』を広めてくださった松井会長にはただただ感謝ですし、小原さんにアドバイスしていただいた『とろみみつあめ』も、自信を持って介護の世界にご案内していきたいと思います。お二人から背中を押していただいたことで、当社も新たな一歩を踏み出せました。今後もお力をお借しながら、まだ気づかれていない、潜在ニーズを形にする作業を続けてまいります。
松井 この対談を通じ、ヘルスケアをよりポジティブに捉えて、積極的に「健康づくり」に取り組む企業と、その先におられる生活者を応援する活動を進めていこうとの思いを新たにしました。
これからは、人口の減少とともに既存商品の消費量も減っていくと予想されます。だけど、何とかして消費を増やさなければ、日本はダメになってしまう。新たな需要を作り出すことが急務の課題だと思います。
当社は今後も、まだ世の中にない、あるいは知られていない、「健康づくり」に良い商品を、どんどん紹介していきます。そうしてドラッグストアも、治療を売る店から「健康をつくる」店に変わっていって欲しいと考えています。
小原 食は健康の源であり、健康である限りお菓子も一生涯の友です。こうした考えを持って売場を作っていけば、「健康づくりって楽しいね」というポジティブな発想を、多くの方に持っていただけるのではないでしょうか。
松井 売場だけでなく、接客のあり方も変えるべきでしょう。例えば、マイナスの健康状態をゼロに導くのが治療の世界なら、ゼロの状態をプラス1、プラス2へと、より健康になるための方法を示してあげることが重要です。健康のレベルに合わせて、どのような商品をどのように活用し、日常生活をどのように過ごすべきか、薬剤師を含む店頭のスタッフが一層研鑽を積んで、個々の方々の心に寄り添って相談するようになってほしいですね。
ーー健康寿命延伸が国家的課題である中、 “未病と予防“の市場、さらに、より積極的な健康づくり」の市場も、これからどんどん拡大すると考えられます。本日の鼎談で、お三方の「人々の健康と笑顔を願う」という共通の想いを受け取りました。ありがとうございました。
取材を終えて…
3人集まれば文殊の知恵――この慣用句がぴったりの鼎談だった。モノ作りの榮太樓總本鋪、販売網作りの大木HC、そして介護現場や女性たちが必要とする商品の企画に長け、働きながら薬学博士を取得した女性薬剤師が結集してくれた。
老舗和菓子メーカーのチャレンジ精神と決断、流通を担う企業の素早い考動力、現場を熟知した薬剤師のアイデア等々、国民の健康創造作りへの鍵をたっぷり披露していただいた。またそこには、すべての人々の健康を願う“心”があった。会話も弾み、笑顔の溢れる楽しい“ヘルスケア会議”にHoitt!編集部も引き込まれた。
話題にのぼった『からだにえいたろう』の低糖質羊羹は、2019年に開催されたJACDS主催の「食と健康アワード」で、選考委員から全会一致で大賞を受賞している。健康訴求点と、老舗の和菓子企業がこだわった美味しさが評価され、今やドラッグストアや調剤薬局の定番商品となったが、物語はここが始まりだった。授賞式が終了した直後、榮太樓總本鋪の当時副社長だった細田さんは、ある部署に連絡した。その部署は、『からだにえいたろう』の製造に全力を注いできた工場のスタッフだったという。私は今でも、同社スタッフの喜ぶ姿が瞼に浮かんでくる。
大木の松井会長は、榮太樓總本鋪の心を受け止め、商品の可能性を信じて販路を作った。鼎談の最中も、次々とアイディアが出てきた模様で、冗談で「なかなか引退できませんね」というと、「もう年だけどね〜。でも世の中の人に役立つ仕事ができるんだから、まだ辞められないか。多くの人々に笑顔になっていただく。これは何にも変え難い。まだひと頑張りしなければ・」と笑っていた。
そして小原さんは、薬剤師として大手ドラッグストアの在宅医療分野で孤軍奮闘。患者宅を訪問し多くの現場でケアを担当してきた。そして、自身が乳がんとの闘病生活の傍ら、働きながら教育者への道に進み、薬学博士になった方だ。この間も多くの時間を高齢者の多い地区の健康づくりに充ててきた。
その小原さんは前職時代から教授になった今日まで、接してきた患者とその家族の声をヒントに、新たな商品づくりを支援している。要介護者向けの口腔ケア食品、乳がん患者のための使い切り入浴着、そして本日紹介した、榮太樓總本鋪の『とろみみつあめ』も、その1つである。
始まりは一人であっても、やがて2人、3人と賛同者が現れコラボすることで、新しい情報と新しい商品が生まれる。今回の鼎談はまさに、そのことを物語っている。3人の相乗効果で、これからも新しい国民の健康をサポートするヘルスケア商品が誕生することに期待したい。(山本)