ウエルシアホールディングスは16日、代表取締役社長である松本忠久氏の代表取締役社長及び取締役の辞任を勧告し、本人からの辞任届を受理した。17日には親会社イオンの執行役の職務も解任された。私生活において不適正な行為があり、信用を傷つけたことへの責任を取らせた格好。ウエルシアHDは「当社の代表取締役に、このような事態が発生したことは誠に遺憾であり、関係者の皆さまに深くお詫び申し上げます」とコメントしている。
松本氏は薬剤師としての経験を活かし、調剤及び在宅医療分野への参入などを通じてウエルシアの事業モデルを育ててきた人物。2010年には寺島薬局社長となり同社の立て直しにも貢献した。中国やシンガポールといった海外事業のトップを歴任した後、2019年から同社のトップマネジメントに就いていた。
昨年3月にイオンの執行役ヘルス&ウエルネス担当も兼務し、イオングループのドラッグストア事業・調剤薬局事業を統括。先のツルハHDとの統合に向けた作業も同氏が中心になってまとめてきた。過日開催された2024年2月期の決算説明会でウエルシアHDの池野隆光会長は、松本社長(の統合判断)を「正しい選択」と擁護していたが、同氏の辞任を受け、今後の統合スキームとスケジュールに少なからず影響が出ると考えられる。