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「バランス献立 スプーンで食べるおもち」発表会を開催/アサヒG食品

「餅を食べたい・食べさせてあげたい」を介護食で変革

 アサヒグループ食品(東京都台東区)は9月29日に都内で「バランス献立 スプーンで食べるおもち」新商品発表会を開催した。「バランス献立 スプーンで食べるおもち」「同 よもぎ」は、餅の風味を生かしつつ、べたつきを抑えた柔らか食で、ユニバーサルデザインフードにおける「かまなくてよい」区分にあたる介護食となっている。発表会では、餅が介護者および被介護者にとってニーズの高い食品でありながら、食べること・食べさせることが困難である現状から、商品開発に至った背景が語られた。(取材・記事:中西陽治)

(図1)高齢で食べることが難しくなった食品:同社2023年2月調査

 同社が行った、「同居・近居の介護が必要な家族がいる人を対象にした調査」によると、餅は「介護が必要になる前に食べていた食材の中で食べることが難しくなった(食べられなくなった)食材」のトップとなっている(図1)

(図2)

 また、「被介護者は餅が好きか」については75.2%が〝好き・どちらかといえば好き〟と回答(図2)、さらに「被介護者に餅を食べさせてあげたい」と思う介護者は84.1%に上ることが明らかになった(図3)

 このように、被介護者は人は餅が好きな傾向にあること、介護者は餅を食べさせてあげたいと思っている。

(図3)

一方で、介護者は、餅を食べさせる上での不安として「のどに詰まらせないか心配」を筆頭に挙げており、被介護者に対し餅の与え方が難しいと感じている実態がある(図4)

(図4)

負担軽減と食べる楽しさを実現

 調査で明らかとなった介護の食事のギャップを埋めるために、アサヒグループ食品は餅らしい風味を再現しながらも、餅に対する不安点を解消する商品の開発に至った。

(左より)岸氏、中澤氏

 発表会に登壇した同社コンシューマ事業本部マーケティング四部の岸奈津美氏は「介護者の負担軽減と〝食べさせてあげたい〟という思いを両立し、かつ被介護者の〝食べる楽しさ〟に貢献する商品です」と語った。

 コンシューマ事業本部マーケディング四部の中澤里沙氏は「アサヒグループホールディングスではグループ会社の和光堂が2001年よりシニアカテゴリー商品を展開してきました。2017年より同社が『バランス献立』を発売し、介護食およびシニアカテゴリーの食品を強化してきました。その中で注目したお餅は、単体の主食としてはもちろん、間食や幅広いアレンジメニューにも応用が利きます」と話し、「近年、高齢者の在宅介護の比率が増加傾向にあります。ドラッグストアなど手に届きやすいチャネルで『バランス献立 スプーンで食べるおもち』を提案し、食べる楽しみを提供し続けていきたいと思います」と語ってくれた。


商品概要

「バランス献立 スプーンで食べるおもち」

希望小売価格:160円(税別) 172円(税込)

内容量:50g

発売日:9月4日

  • 餅の特性である伸びや付着性を抑えたなめらかでべたつかない餅風のやわらか食
  • かむ力や飲み込む力が弱い高齢者でも食べやすいかたさに仕上げており、餅が伸びないのでスプーンですくって食べることができる
  • 国産もち米粉を使用し餅らしい風味
  • 食物繊維入り
  • レトルトパウチタイプで調理の必要はなく、開けてそのまま食べられる
「バランス献立 スプーンで食べるおもち よもぎ」