ヘルスケア情報サイト「Hoitto! ヘルスケアビジネス」(ヘルスケアワークスデザイン株式会社)

熊本のスーパー、ロッキーが
13店舗でAI値引を導入

惣菜の値引き・廃棄ロス率は2.3%改善、食品ロス削減に貢献


需要予測型自動発注サービスのソフトウェアを手掛ける株式会社シノプスと、自動認識技術の活用を推進する株式会社サトーが、熊本県地盤の株式会社ロッキーが運営するスーパーマーケットの中で惣菜を取り扱う13店舗に、適切なタイミングで適切な値引き率をAIで算出するシノプスのサービス「sinops-CLOUD AI値引」と、AI値引と連携したサトー製ラベルプリンター「FLEQV®(フレキューブ®)FX3-LX」を活用した「AI値引きソリューション」の提供を開始した。

ロッキーは以前より、シノプスが開発・提供する需要予測型自動発注サービス「sinops」を全25店舗で導入しており、日配食品・惣菜・パン・冷凍食品・グロサリー・菓子・飲料・酒・雑貨・ペット用品・衣料品・日用品・家庭用品・化粧品・OTC医薬品といったさまざまなカテゴリで稼働させてきた。

惣菜コーナーでよく実施される駅弁フェアなど催事向けの商品や季節品・特売品は、データが不十分のためシステムによる自動発注が実施できない場合があった。そのような商品に関しては、売り場担当者が経験や勘を頼りに発注数を決定するものの、最適な発注数を導き出すのは難しく、閉店まで売り切れない商品は値引き対応をしているが、最適な値引き率・タイミングを見極めることも至難の業だった。そこで、惣菜カテゴリ全般における値引き・廃棄ロス率改善や収益向上、作業の平準化・省力化といった従業員の負担軽減などを目的に、AI値引きソリューションが導入された。

2023年1月にロッキーの2店舗にて実施した実証実験では、値引き・廃棄ロス率は2.3%、粗利率は1.4%改善。さらに、廃棄商品数や廃棄額にも改善が見られ、食品ロス削減効果の実感もあったという。売り場担当者の方からは「担当者によってバラつきがあった値引き率やタイミングをシステムによって適正化でき、お客様にとっても納得感の高い価格にて提供できるようになった」といった声が出ていた。こうしたことが、今回のAI値引き導入につながった。

シノプスとサトーは2021年12月に業界に先駆けAI値引きソリューションの提供を開始。シノプスのサービス「sinops-CLOUD AI値引」とサトー製ラベルプリンター「FLEQV®(フレキューブ®)FX3-LX」で構成しており、プリンターに接続したスキャナーで商品のバーコードを読み取ると、店舗の立地、販売実績、販売価格、在庫数、天候などさまざまなデータからAIが適切な値引きタイミングおよび値引き率を予測し、在庫数の数だけ値引きラベルが発行される仕組みとなっている。AIによる精度の高い値引き率の算出だけではなく、人の作業は商品バーコードの読み取りとラベルの貼り付け作業だけとなり省力化が図れる。