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第一工業製薬、カイコ冬虫夏草の男性不妊研究成果を学会発表

第一工業製薬(本社:京都府京都市)は9月26~27日にKDDI維新ホールで開催された「第26回日本メンズヘルス医学会」において、男性不妊をテーマとしたスポンサードシンポジウムを共催するとともに、カイコハナサナギタケ冬虫夏草(カイコ冬虫夏草)に関する基礎研究成果を発表した。

男性不妊症は、不妊原因の約半数に男性側の要因が関与するとされるなど、重要な医療課題の一つ。近年は外科的治療や生殖補助医療(ART)に加え、生活習慣の改善やサプリメントなどを活用した補助療法への関心も高まっている。

同社は男性の健康維持に関わるテストステロンに着目し、カイコ冬虫夏草について研究。今回の一般演題では、順天堂大学との共同研究として、カイコ冬虫夏草によるテストステロン増加作用について、アロマターゼ阻害機構の観点から細胞を用いて検討した研究結果を報告した。

また、徳島大学病院泌尿器科の湊亮詠助教によるスポンサードシンポジウムでは、「カイコハナサナギタケ冬虫夏草研究から考えるサプリメントの位置づけ」をテーマに、男性不妊の発症メカニズムや診療の現状、補助療法としてのサプリメントの位置づけ、今後の研究展開などについて紹介した。同社は今後も大学などとの共同研究を進め、カイコ冬虫夏草の機能性について基礎研究を蓄積していく方針だ。

今回の発表で注目されるのは、医薬品や医療機器だけでなく、食品・サプリメントなどを含めた「男性ヘルスケア」の領域で、大学や医療機関と企業による研究が進んでいる点だ。男性不妊は医療機関での診断・治療が中心となる一方、生活習慣や栄養状態など日常生活に関わる要素も多く、医療と日常のセルフケアの間にある領域といえる。

第一工業製薬にとっても、化学メーカーとして培ってきた素材・研究開発の知見を、男性の健康という新たな市場につなげる動きとして見ることができる。特に、大学・医療機関との共同研究を通じて素材の機能性を検証し、将来的なヘルスケア関連製品やサービスにつなげる動きは、素材メーカーのヘルスケア参入を考える上でも一つの事例となる。ドラッグストアや薬局にとっても、男性の健康は今後の商品・サービス開発におけるテーマの一つになり得る。従来の「生活習慣病」「更年期」「疲労」といったカテゴリーに加え、睡眠、性機能、妊活など、男性が抱える健康課題を横断的に捉えることで、新たな相談需要や商品提案につながる可能性がある。

一方、今回の研究はあくまで基礎研究であり、研究結果をそのままヒトでの効果や男性不妊への有効性に結び付けることはできない。今後、臨床研究などを通じてどこまで科学的エビデンスを積み上げられるかが、素材のヘルスケア事業化を左右するポイントになりそうだ。